[あらすじ] どこまで書いたかおぼえてないや
亡父は、自力で地下室を掘っていた。
日用大工が趣味の人はいるだろうが、言ってみれば日曜土木が趣味といったところだ。
まず、庭に池を作った。
1×2間の広さで、深さは60cm。
幼い私も、800mほど先の土建屋に、セメントの袋を買いに
台車を引いておつかいに行ったりしたものだ。
池はなかなかのできであった。
5年前、3月11日の地震以後、水位が10cm近く下がった。
どこかにひびが入ったのだろうか。
どうも、雨どいが繋がっている辺りの土がいつも湿っている。
池そのものというより、繋がって入っている塩ビ管が傷んだのかもしれない。
特に支障無いのでほったらかしている。
その次に、地下室に着工した。
家の北東側に、井戸の穴があったが、これは家を建てる時に塞いだ。
その辺りに堀り始めた。
掘り出した土は一斗缶に入れる。
その重い缶を、庭の南西角に運ぶのがたいへんなので、
敷地の北東から南東を経て南西に至るまで、木材でモノレールを作った。
缶をフックに掛けると自重で進むという寸法だ。
深く掘り下げて行くと、堀った土を持ち上げるのもたいへんだ。
柱を立て、資材を上げ下ろしするための起重機で巻き上げた。
地下室も、池と同じようにセメントと砂を混ぜて水で練って、
板の間に注いで固めて作って行った。
柱を作り、床を打ち、壁を立て、天井で覆った。
しかし計画が大き過ぎたため、未完成のまま、寄る年波には勝てないということで
業者を入れた。
今ある地下室の、3分の2ほどは業者がうまくつないで建設したものだ。
※
地下室の湿気がひどい。
北側にあるからか。井戸もあったような場所だからか。
除湿機を回し、一日に2回、バケツの水を運び出す。
という作業をサボっていたら、本がカビた。
あまりにカビのひどい本は、棄てた。
私は本の虫なので、亡父や母のものであっても、本を棄てるのは胸が痛む。
本をいくらか処分してみると、木材で作った本箱もかなりカビているのが見えてきた。
本箱も棄ててみた。
そして、雨漏りしていることが発覚した。
雨後、床に水が溜まっているのだ。
それじゃあ、湿気るどころの騒ぎではないわけだ。
※
コンクリートの補修業者を入れて、天井板を剥がしてみた。
天井に、ひびが見える。
点々と水が漏れている。
漏れている箇所と周辺に、ドリルで穴をあけ、接着剤のようなものを注入する。
剤はひびづたいに浸み込んで行き、漏れを塞ぐというわけだ。
ところが、一箇所のひびを塞ぐと、水は今度は別のところへ逃げてそっちから漏れてくる。
この追いかけっこだ。
一日仕事であっちこっちに剤を注入してもらい、
それが乾燥し、
その後に雨の日があり、漏れを確認し、
また漏れた場所に剤を注入し、
それが乾き、
雨の日に漏れを確認し・・・
ということを3回繰り返したら、やっと天井からの漏れはおさまった様子だ。
すばらしい!と思って天井を見上げればすばらしく漏れておらずシミ一つ無いのだが、
あいかわらず床には水が溜まっている。
天井から浸み込めないと悟った水は、今度は
壁と床の打ち継ぎの部分から浸み込んでいるのだ。
これも塞いでもらった。
さてこれからどうなるか。
剤の乾燥を待ち、梅雨が明けて、台風の時にでも確認するか。
完璧に水が室内に入らなくなったら、水の力で地下室は浮き上がるかもしれないわい。
亡父は、自力で地下室を掘っていた。
日用大工が趣味の人はいるだろうが、言ってみれば日曜土木が趣味といったところだ。
まず、庭に池を作った。
1×2間の広さで、深さは60cm。
幼い私も、800mほど先の土建屋に、セメントの袋を買いに
台車を引いておつかいに行ったりしたものだ。
池はなかなかのできであった。
5年前、3月11日の地震以後、水位が10cm近く下がった。
どこかにひびが入ったのだろうか。
どうも、雨どいが繋がっている辺りの土がいつも湿っている。
池そのものというより、繋がって入っている塩ビ管が傷んだのかもしれない。
特に支障無いのでほったらかしている。
その次に、地下室に着工した。
家の北東側に、井戸の穴があったが、これは家を建てる時に塞いだ。
その辺りに堀り始めた。
掘り出した土は一斗缶に入れる。
その重い缶を、庭の南西角に運ぶのがたいへんなので、
敷地の北東から南東を経て南西に至るまで、木材でモノレールを作った。
缶をフックに掛けると自重で進むという寸法だ。
深く掘り下げて行くと、堀った土を持ち上げるのもたいへんだ。
柱を立て、資材を上げ下ろしするための起重機で巻き上げた。
地下室も、池と同じようにセメントと砂を混ぜて水で練って、
板の間に注いで固めて作って行った。
柱を作り、床を打ち、壁を立て、天井で覆った。
しかし計画が大き過ぎたため、未完成のまま、寄る年波には勝てないということで
業者を入れた。
今ある地下室の、3分の2ほどは業者がうまくつないで建設したものだ。
※
地下室の湿気がひどい。
北側にあるからか。井戸もあったような場所だからか。
除湿機を回し、一日に2回、バケツの水を運び出す。
という作業をサボっていたら、本がカビた。
あまりにカビのひどい本は、棄てた。
私は本の虫なので、亡父や母のものであっても、本を棄てるのは胸が痛む。
本をいくらか処分してみると、木材で作った本箱もかなりカビているのが見えてきた。
本箱も棄ててみた。
そして、雨漏りしていることが発覚した。
雨後、床に水が溜まっているのだ。
それじゃあ、湿気るどころの騒ぎではないわけだ。
※
コンクリートの補修業者を入れて、天井板を剥がしてみた。
天井に、ひびが見える。
点々と水が漏れている。
漏れている箇所と周辺に、ドリルで穴をあけ、接着剤のようなものを注入する。
剤はひびづたいに浸み込んで行き、漏れを塞ぐというわけだ。
ところが、一箇所のひびを塞ぐと、水は今度は別のところへ逃げてそっちから漏れてくる。
この追いかけっこだ。
一日仕事であっちこっちに剤を注入してもらい、
それが乾燥し、
その後に雨の日があり、漏れを確認し、
また漏れた場所に剤を注入し、
それが乾き、
雨の日に漏れを確認し・・・
ということを3回繰り返したら、やっと天井からの漏れはおさまった様子だ。
すばらしい!と思って天井を見上げればすばらしく漏れておらずシミ一つ無いのだが、
あいかわらず床には水が溜まっている。
天井から浸み込めないと悟った水は、今度は
壁と床の打ち継ぎの部分から浸み込んでいるのだ。
これも塞いでもらった。
さてこれからどうなるか。
剤の乾燥を待ち、梅雨が明けて、台風の時にでも確認するか。
完璧に水が室内に入らなくなったら、水の力で地下室は浮き上がるかもしれないわい。
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