きょうだいのうち雌犬のカバサが死んでちょうどひと月。
そしてちょうど4週後だった先日の水曜日は、
深大寺の灯篭流しの日であった。
※
生前親しくしてくれた犬の散歩仲間には、だいたい報告できた。
あと、お世話になった人が思い浮かぶ。
フェンスに囲まれた空地で2匹を放していた時、
カバサが脱走した。
袋小路の家のお庭に逃げ込んだ時に、捕まえるために
手助けをしてくれたのが、そのお隣の家の奥さん。
この方も犬を何匹か飼ってきているので、よく理解してくれた。
カバサの垂れ耳をめくり上げて、「よく聞きなさいよ」
と説教してくれた。
このIさんに報告したいが、ご近所とは言えなかなかでくわさないものだ。
※
深大寺の山門を出て、南へ行くと、カトリックのカルメル会修道院があり、
さらに行くと多摩川の河岸段丘である国分寺崖線の急な坂を降り、
左手には別院の池上院がある。
その先の野川は、川岸が大きな岩で整えてある。
そこが灯篭流しの会場になっている。
生き残りの雄犬ジーロを連れて、行ってみた。
野川の下流から近付いて行けば、灯篭が流れて来るのが見られるだろう。
と思ったが、会場の歌声が聞こえるほど近付いても一向にそんな様子は無い。
けっこう人が多かったが、目の前まで行ってみると、
川面に灯篭がたくさん浮いている。
両岸に紐でも渡して、流れないようにしているのだろうか。
追悼イベントが終わったら流すのかな。
人混みを避け、下流の少し広い橋に立ち、
この橋の手すりの下から上流を覗き込みゃいいや、と思って、待った。
※
たくさんの人が通り過ぎる中、3人連れの女性が通りがかり、
中の一人の声が聞こえた。
「ここの手すりの下から覗いて見ればいいのよ」
おんなじようなことを考えている人がいるものだ、と思って見ると、
Iさんだった。
慌てて挨拶した。
「あら!ひさしぶり!
えっ、もう一匹は?」
あのー、7月20日に・・・
「あー!もー!やだー!そうだったのね」
ご報告したいと思っていたので、お目にかかれて嬉しいです。
聞けば、会場すぐ上流の橋から見ていたが、
灯篭の流れる様子も無いし、少しまわり道だがこちらの橋を通って
帰ろう、というところだったそうだ。
「まっすぐ帰ってたら会えなかったのよね、
引き合わせてくれたのね。」なんてお連れさんも言う。
※
灯篭はあそこで止めてるんですか?
と聞いたら、なんでも、風で吹き上げられてしまっているのだそうだ。
「ほら、波も逆流しているでしょ」
言われて見ると、川面の波紋は、下流から上流に向かっている。
川の流れと風の力が相殺して、灯篭は会場で放たれたまま
そこに溜まっているのだ。
つづく
そしてちょうど4週後だった先日の水曜日は、
深大寺の灯篭流しの日であった。
※
生前親しくしてくれた犬の散歩仲間には、だいたい報告できた。
あと、お世話になった人が思い浮かぶ。
フェンスに囲まれた空地で2匹を放していた時、
カバサが脱走した。
袋小路の家のお庭に逃げ込んだ時に、捕まえるために
手助けをしてくれたのが、そのお隣の家の奥さん。
この方も犬を何匹か飼ってきているので、よく理解してくれた。
カバサの垂れ耳をめくり上げて、「よく聞きなさいよ」
と説教してくれた。
このIさんに報告したいが、ご近所とは言えなかなかでくわさないものだ。
※
深大寺の山門を出て、南へ行くと、カトリックのカルメル会修道院があり、
さらに行くと多摩川の河岸段丘である国分寺崖線の急な坂を降り、
左手には別院の池上院がある。
その先の野川は、川岸が大きな岩で整えてある。
そこが灯篭流しの会場になっている。
生き残りの雄犬ジーロを連れて、行ってみた。
野川の下流から近付いて行けば、灯篭が流れて来るのが見られるだろう。
と思ったが、会場の歌声が聞こえるほど近付いても一向にそんな様子は無い。
けっこう人が多かったが、目の前まで行ってみると、
川面に灯篭がたくさん浮いている。
両岸に紐でも渡して、流れないようにしているのだろうか。
追悼イベントが終わったら流すのかな。
人混みを避け、下流の少し広い橋に立ち、
この橋の手すりの下から上流を覗き込みゃいいや、と思って、待った。
※
たくさんの人が通り過ぎる中、3人連れの女性が通りがかり、
中の一人の声が聞こえた。
「ここの手すりの下から覗いて見ればいいのよ」
おんなじようなことを考えている人がいるものだ、と思って見ると、
Iさんだった。
慌てて挨拶した。
「あら!ひさしぶり!
えっ、もう一匹は?」
あのー、7月20日に・・・
「あー!もー!やだー!そうだったのね」
ご報告したいと思っていたので、お目にかかれて嬉しいです。
聞けば、会場すぐ上流の橋から見ていたが、
灯篭の流れる様子も無いし、少しまわり道だがこちらの橋を通って
帰ろう、というところだったそうだ。
「まっすぐ帰ってたら会えなかったのよね、
引き合わせてくれたのね。」なんてお連れさんも言う。
※
灯篭はあそこで止めてるんですか?
と聞いたら、なんでも、風で吹き上げられてしまっているのだそうだ。
「ほら、波も逆流しているでしょ」
言われて見ると、川面の波紋は、下流から上流に向かっている。
川の流れと風の力が相殺して、灯篭は会場で放たれたまま
そこに溜まっているのだ。
つづく
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