犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

ゲゲゲの調布発信
犬のこと、人の心身のこと、音楽や自作のいろいろなものについて

犬の帰省

2023年05月07日 | 犬と暮らす
飼い犬ウーゴくんを保護団体から引き取って2年半が経つ。

全国的にも有名な、広島県に在る保護団体だ。
推定生後3ヶ月で保護され、
それから譲渡に至るまで実に4年間を施設で過ごした。

家庭犬として飼えるような感じになるまで、4年もかかってしまったようだ。
何かよほど問題が有ったのだろうか。
しかし、老人ホームのセラピー犬の候補になったことも有る、と聞く。

たしかに、いろんな人に撫でてもらうことは大好きだ。
しかし、私が引き取った当初は、初対面の人にはなかなか懐かず、
逃げてしまった。
追い詰められて撫でてもらっても、カチンコチンに緊張してしまう。
こんな犬がセラピー犬になれるわけもない。

私の家で暮らすようになり、
毎朝、近所のドッグランに通った。

最初に出会った人が辛抱強く接してくれたおかげで、
赤の他人も優しく撫でてくれるということが分かった。

今では初対面の人にも撫で撫でを要求し、
うっとりと目を細め、
手を止めると「もっと」とお手をする。
ツンデレもいいところだ。



保護団体の譲渡センターから、
「ビビり犬」のためのセミナーを開催する、という案内が来た。

お世話になった譲渡センターには、また行きたいと思っていた。
自宅から車で1時間半近くかかる。
2年半前に来た時には、1時間ちょっとのところで小声で鳴いて、
そしてゲロを吐いたものだ。

今は車にもだいぶ慣れてきたので、吐かないで済むと思う。
行くことにした。



広島の施設で育ち、
それから一時は茅ヶ崎のほうの譲渡センターにもいたことが有るらしい。
あきる野の譲渡センターは、2年半前に3ヶ月だけいた場所だ。

憶えているだろうか。

車に酔うことも無く到着。
でも終始、緊張の面持ちである。

車のハッチを開け、クレートを開けてやると、
飛び出してきた。
慌てて飛び降りるのは問題だが、
警戒し過ぎて車から出られないことも有ったのを思えば、
その頃よりずっと良い。

譲渡センターの建物のほうに向かう。
そして、建物の裏のスペースに入る扉の所へ行って、
そこから動かない。

今日は入らないんだよ。
言って聞かせたところで、動かない。
開けてくれるまで動きませんよ、という姿勢である。




なんとか移動して、広い駐車場を散歩する。

譲渡が決まるまで、審査がいくつも有ってたいへんだった。
その一つが、お試しお散歩デートだった。
この駐車場を散歩したことを憶えている。

あの時は、緊張のあまり、尻の穴が少し開きっぱなしだった。
肛門の締まりの無い犬なのか、と思って、ちょっと心配になった。
後々、緊張すると開いちゃうタイプなのだと分かっていった。
今はキュッと絞まったカッコイイ肛門である。好き。



広い駐車場の向こうのほうから、こちらを見付けてくれた人がいる。
声をかけて、こっちへ向かって歩いて来てくれる。
譲渡の時にお世話になったBさんだ。
遠目にも分かる。

ウーゴは喜んで近付いて、撫でてもらった。

さっきの様子を話すと、
「いつもお散歩から帰って入るのがあそこなんですよ。」
と教えてくれた。

「憶えてるの!」
と、Bさんも嬉しそうだ。

久しぶりに会っても、職員さんに近付くことができない犬もいるそうだ。
そりゃさびしいだろう。

この後、Nさんにも会って、デレデレと撫でてもらえた。



セミナーには20頭近い犬と、その飼い主やスタッフ合わせて人間が40人くらいいた。

ウーゴはあまり臆することも無く、
人に近付き、犬と嗅ぎ合った。

そして、誰しもが
「やさしいお顔ね」と言ってくれた。

思い出した。
引き取ってすぐの頃は、会う人に
「凛々しいね」
と言われることが多かった。

キリッとしていたと言うより、実は緊張していたのだろう。
2年かけて、飼い主や環境やいろいろな経験に慣れ、
表情がやわらいできたのだと思う。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 先々週の花々 | トップ | パズルゲーム「Monster's Exp... »

コメントを投稿

犬と暮らす」カテゴリの最新記事