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変態村 【監督:ファブリス・ドゥ・ヴェルツ 】

2006-08-06 08:37:07 | 映評 2006~2008
気をつけたほうがいい宣伝文句がある。
「カンヌ震撼」「カンヌ騒然」「カンヌに戦慄」
・・・といった(コンペにでも出したのか)やたら「カンヌ」「カンヌ」と吠えるコピー。しかし決して「受賞」とは書かないコピー
こういう宣伝文句の映画は大抵ろくなものではない。
過去にクローネンバーグの「スパイダー」、候孝賢の「フラワーズ・オブ・シャンハイ」、ギャスパー・ノエの「アレックス」とかあった。
実は「フラワーズ・オブ・シャンハイ」も「アレックス」も個人的には好きな映画だったりするが、大抵の人間には受け入れられない作品であることは認める。
それなりの力作は、パルムドールとはいかないまでも、なんかかんかの賞をもらうものである。カンヌで一作品の大量受賞なんてないんだから。
カンヌには出したがぶっちゃけつまんなくて賞ももらえなかった映画が「震撼」だの「騒然」だのという曖昧な表現で宣伝されるのであろう

んでもって「アレックス」のギャスパー・ノエの再来みたく言われているあたりでどんな映画か想像もつく上に、で「カンヌ震撼」と宣伝されている「変態村」というセンスのかけらもない邦題の映画を観た。

やはり「震撼」は駄目だ
ここまで観たことを後悔できる映画も久々だったので、じつはむしろいい映画なのかもしれないという錯覚を楽しむことができる。

観客のこと何も考えずただ撮りたいものだけとって、たいしたシーンでもないのにやたら長い自己満足シーン盛りだくさん

冒頭数分をのぞいて女っけのない映画。獣姦、監禁、無抵抗な者への一方的暴力、気ちがい集団のダンス、殺戮・・・と、普通の人間ならあえて見たくない描写ばかりならべて、目を背けさせようとする。

女をめぐる確執が何年もつづく変態どもの村に迷い込んだ男が、すでにこの世にはいないと思われるその女の身代りにされ、屈辱の限りを受ける。無理やり女装させられ、拷問、磔、強姦
んでもって見ず知らずの女の代わりに、変態どもの愛を受け止める・・・って無理やりラストで愛の映画にしてんの

バカみてえ。なんでこんなもん見ちゃったんだろ。タイトルとキャッチコピーで見る価値なし感はむんむんだったのに
娯楽でないことやれば芸術だと思ってるやつが撮っちゃった、所詮はアングラな映画。

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