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佐賀のがばいばあちゃん [監督 : 倉内均]

2006-11-16 19:27:18 | 映評 2006~2008
けっこう面白かった。
最初から最後まで思い出話に徹しているのがいい。主人公の少年が知りえないことは全く描かれない。母への想いから始まる物語において、少年はいつも母ちゃん母ちゃんで、ばあちゃんが少しかわいそうに思えてくる。でもばあちゃんはそんな子供の愛情を代金代わりにもらおうなどとさらさら思っちゃいない。金かけずに生きていく方法を少年に伝授する。剣道は防具に金かかる、柔道は胴着に金かかるし道場に金はらわなきゃならん、だからスポーツしたかったら走れ。ただ走れ。ただし靴が減るから裸足で走れ。バカ正直に従う少年も意地らしいし、なんかバカ家族って感じが微笑ましいが、結局それで構内屈指の俊足に育っていくのだから、バカは侮れない。中学で彼が野球部入るのをあのばあちゃんがよく承諾したものだと、気になる。その後主人公に一番いいスパイクを買ってやってるから、だんだん豪気になってきたのかもしれない。
いつも母ちゃん母ちゃんとめそめそしていた主人公が、お母さんを題材にした作文で「お母さんは二人いる」、とおばあちゃんへの感謝を述べたところで、ようやく物語は少年とばあちゃんの絆を描く物語として一本にまとまる。
しかしクライマックスはある意味残酷であった。少年はやはり母を求め、母の姿に泣き、中学卒業であっさりと母の元に帰る。母を思う子の気持ちのなんと強いことか。あれだけ苦労して育ててくれたばあちゃんもやはり実の親には勝てないのか。そして行くなと叫ぶばあちやんのなんと切ないことか。
低予算でごくごくシンプルな作品だが、それだけに突っ込まれるような無駄もなく、総じていい気分で観賞できる佳作。シンプルすぎて書く事もあまりないのだけど

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