甘い人生 [イ・ビョンホン=ゾンビ説]

フィルム・ノワール・・・っていうか、香港ノワールが韓国で復活した感じ
古くさいとも言えるけど
イケメンがひたすら醜男どもを射殺しまくるクライマックス。だぶってくるのは、ユンファかレスリーか・・・

謎が全く解明されないストーリー展開に不満を感じなくもないが、伝えようとして失敗してるんでなく、伝えようとして「やっぱやめた」って感じに潔さがある。

一番好きなシーンはイ・ビョンホン、生き埋めにされるの巻だ。土の中からボコォっとはい出すところの迫力!!どういう映画だよ・・・ゾンビかお前!!
あそこまでされたら、なぜボスは裏切ったのか?　俺にとってあの娘はなんだったのか? なぜボスの命令に背いたことがバレたのか? ・・・などどうでもいい。あんな目にあわせた奴らを皆殺しにしてやる!! ぶち殺さなきゃ心の隙間は埋まらない!!　という気持ちになるのも理解できる。
クライマックスの彼は、女のためでも、謎解きのためでもなく、ただ己のためだけに行動していた。
しかし、なんという銃撃戦だろう。戦略なし
堂々と正面から攻撃。
敵は一発で絶命するが、イ・ビョンホンは何発喰らっても死なない。
まあ、そんな演出、ジョン・ウー&ユンファのコンビの映画ではいつものことだったので、驚きも戸惑いもしない。
ただし、気になってくるのは、先に述べた「生き埋め地獄からの生還篇」だ。
ここで一つの仮説が生まれる。

イ・ビョンホンはあの時ほんとにゾンビになっていた

彼は既に死んでいるのだ。それでも地上を徘徊する彼を支えているのは、強烈な復讐心である。
車大暴走で悪党轢き殺し
悪党宙づり拷問返し
拳銃大乱射
もはやモラルも良心もない。撃たれても撃たれても、ゾンビだもん。効くはずない。
物理的ダメージで力は除々に失われていくものの、ラスボスに怒りの銃弾ぶち込んで、復讐コンプリートするまでゾンビエネルギーは彼を歩かせ続ける。
そして復讐が終わったとき、銃弾を喰らいとうとう力つきても、彷徨える死者はやっと安らぎを得られ、謎が解けなかった事に対する後悔など微塵も感じず、安らかな微笑みを浮かべている。
この映画は、フィルム・ノワールでもアクション映画でも、まして愛の映画でもなく、ホラー映画だったのかもしれない!!

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自主映画撮ってます。松本自主映画製作工房　スタジオゆんふぁのHP