
職場の悲鳴 聞こえますか ―過労死の現場から―④
ブラック企業 使い捨てられる若者
2月5日、兄の3度目の命日を迎えた。家族の悲しみと怒りが収まることはない。2010年、兄は出勤前に東京都内の自宅で突然倒れ、亡くなった。33歳。冠動脈狭窄による心臓性突然死と診断された。
「サービス残業、ノルマによる締め付け、パワーハラスメント。兄の会社は社員を人扱いしない、いわゆる『ブラック企業』だ。」3歳違いの弟、翔太さん=仮名、神戸市北区=はそう思う。
兄弟は同じ就職氷河期世代。さらに神戸は、阪神・淡路大震災の影響で雇用環境が悪かった。
翔太さんが自らの経歴を振り返る。「高校卒業後、いろんな仕事を経験した。ケーブルテレビ、有線放送、システム開発…。でも、ずっとやっていこうと思える仕事は一つもなかった」。厳しい営業ノルマに仕事中、吐き気に襲われたこともあった。
兄の携帯電話販売代理会社(東京)も3社目だった。亡くなった後、翔太さんが母と一緒に会社を訪れると、若い社員ばかりだった。母が「過労死なんじゃないですか」と尋ねると、20代の総務部長があっさり「違います」と答えた。大半の新入社員が数か月で辞めてしまう会社だった。
兄が亡くなる前の3年間の勤務状況を調べた。月100時間を超す時間外労働は22か月。160時間を超えた月もあった。販売を巡るトラブルが続き、クレーム対応にも追われた。両親が池袋労働基準監督署に労災を申請したが、結果は「不支給」だった。
■ ■
労基署は亡くなる直前の半年間の過重労働を認定基準とする。兄の場合、3年前までさかのぼれば過重労働が確認されたが、半年だけを見ると、時間外労働が月80時間に達していなかった。
疲労の蓄積が認められず、33歳の突然死について「長時間労働や著しい精神的緊張を伴う業務が強く関与した可能性がある」とする医師の意見も尊重されていない。両親は昨年9月、大阪地裁に「不支給」の取り消しを求める裁判を起こした。
翔太さんは自分の職場体験を重ね合わせ、若い世代が使い捨てられる社会に強い憤りを感じる。
同じ思いを抱える若者は多い。20~30代を中心に労働相談を受け付けるNPO法人「POSSE(ポッセ)」のボランティアスタッフ、岩橋誠さん(23)=京都市=が言った。「ブラック企業が、安い賃金で若者を使えるだけ使って捨てている」
東京、京都、仙台に事務所があり、昨年1年間で約800件の相談が寄せられた。内容によって、労働組合や弁護士へとつなぐ。
若者が職を失うと、賃金が低いため失業給付も低い。その先には貧困が待つ。ポッセでは、生活保護の申請などの生活相談にも力を入れている。
「会社に疑問をもったら、一人で悩まず相談してほしい」
(中部 剛)
・神戸新聞 職場の悲鳴聞こえますか―過労死の現場から―
①「うつ自殺」認定少なく http://blog.goo.ne.jp/stopkaroshi/e/7e1b478fa09903e494dda20de69e009d
②赴任2ヵ月で練炭自殺 http://blog.goo.ne.jp/stopkaroshi/e/0f86e8f715e1f6063513948ba81007bd
③自発的出勤 証言届かず http://blog.goo.ne.jp/stopkaroshi/e/e32691336b073d15073efddea2fcb1f6
***「過労死防止基本法」制定実行委員会が求めていること**********************
*
「過労死」が国際語「karoshi]となってから20年以上が過ぎました。
しかし、過労死はなくなるどころか、過労死・過労自殺(自死)寸前となりながらも
働き続けざるを得ない人々が大勢います。
厳しい企業間競争と世界的な不景気の中、「過労死・過労自殺」をなくすためには、
個人や家族、個別企業の努力では限界があります。
そこで、私たちは、下記のような内容の過労死をなくすための法律(過労死防止基本法)の
制定を求める運動に取り組むことにしました。
1 過労死はあってはならないことを、国が宣言すること
2 過労死をなくすための、国・自治体・事業主の責務を明確にすること
3 国は、過労死に関する調査・研究を行うとともに、総合的な対策を行うこと
【署名へのご協力のお願い】
私たちは「過労死防止基本法」の法制化を目指して、「100万人署名」に取り組んでいます。
≪署名用紙≫(ココをクリックお願いします)をダウンロードしていただき、必要事項をご記入いただいた上で、東京事務所もしくは大阪事務所まで郵送をお願いしたいと思います。
まずは過労死のことや過労死防止基本法を多くの人に知っていただきたいので、ツイッターでつぶやくなどして広めてもらえると助かります。記事の一番下についているボタンからも気軽にツイートできますので、ぜひともご協力お願い致します!
【連絡先】 ストップ!過労死 過労死防止基本法制定実行委員会
HP:http://www.stopkaroshi.net/
twitter:@stopkaroshi ブログの更新のお知らせや過労死についての情報をお届けしています。ぜひフォローしてください!
◆東京事務所(本部)
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ブラック企業 使い捨てられる若者
2月5日、兄の3度目の命日を迎えた。家族の悲しみと怒りが収まることはない。2010年、兄は出勤前に東京都内の自宅で突然倒れ、亡くなった。33歳。冠動脈狭窄による心臓性突然死と診断された。
「サービス残業、ノルマによる締め付け、パワーハラスメント。兄の会社は社員を人扱いしない、いわゆる『ブラック企業』だ。」3歳違いの弟、翔太さん=仮名、神戸市北区=はそう思う。
兄弟は同じ就職氷河期世代。さらに神戸は、阪神・淡路大震災の影響で雇用環境が悪かった。
翔太さんが自らの経歴を振り返る。「高校卒業後、いろんな仕事を経験した。ケーブルテレビ、有線放送、システム開発…。でも、ずっとやっていこうと思える仕事は一つもなかった」。厳しい営業ノルマに仕事中、吐き気に襲われたこともあった。
兄の携帯電話販売代理会社(東京)も3社目だった。亡くなった後、翔太さんが母と一緒に会社を訪れると、若い社員ばかりだった。母が「過労死なんじゃないですか」と尋ねると、20代の総務部長があっさり「違います」と答えた。大半の新入社員が数か月で辞めてしまう会社だった。
兄が亡くなる前の3年間の勤務状況を調べた。月100時間を超す時間外労働は22か月。160時間を超えた月もあった。販売を巡るトラブルが続き、クレーム対応にも追われた。両親が池袋労働基準監督署に労災を申請したが、結果は「不支給」だった。
■ ■
労基署は亡くなる直前の半年間の過重労働を認定基準とする。兄の場合、3年前までさかのぼれば過重労働が確認されたが、半年だけを見ると、時間外労働が月80時間に達していなかった。
疲労の蓄積が認められず、33歳の突然死について「長時間労働や著しい精神的緊張を伴う業務が強く関与した可能性がある」とする医師の意見も尊重されていない。両親は昨年9月、大阪地裁に「不支給」の取り消しを求める裁判を起こした。
翔太さんは自分の職場体験を重ね合わせ、若い世代が使い捨てられる社会に強い憤りを感じる。
同じ思いを抱える若者は多い。20~30代を中心に労働相談を受け付けるNPO法人「POSSE(ポッセ)」のボランティアスタッフ、岩橋誠さん(23)=京都市=が言った。「ブラック企業が、安い賃金で若者を使えるだけ使って捨てている」
東京、京都、仙台に事務所があり、昨年1年間で約800件の相談が寄せられた。内容によって、労働組合や弁護士へとつなぐ。
若者が職を失うと、賃金が低いため失業給付も低い。その先には貧困が待つ。ポッセでは、生活保護の申請などの生活相談にも力を入れている。
「会社に疑問をもったら、一人で悩まず相談してほしい」
(中部 剛)
・神戸新聞 職場の悲鳴聞こえますか―過労死の現場から―
①「うつ自殺」認定少なく http://blog.goo.ne.jp/stopkaroshi/e/7e1b478fa09903e494dda20de69e009d
②赴任2ヵ月で練炭自殺 http://blog.goo.ne.jp/stopkaroshi/e/0f86e8f715e1f6063513948ba81007bd
③自発的出勤 証言届かず http://blog.goo.ne.jp/stopkaroshi/e/e32691336b073d15073efddea2fcb1f6
***「過労死防止基本法」制定実行委員会が求めていること**********************
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「過労死」が国際語「karoshi]となってから20年以上が過ぎました。
しかし、過労死はなくなるどころか、過労死・過労自殺(自死)寸前となりながらも
働き続けざるを得ない人々が大勢います。
厳しい企業間競争と世界的な不景気の中、「過労死・過労自殺」をなくすためには、
個人や家族、個別企業の努力では限界があります。
そこで、私たちは、下記のような内容の過労死をなくすための法律(過労死防止基本法)の
制定を求める運動に取り組むことにしました。
1 過労死はあってはならないことを、国が宣言すること
2 過労死をなくすための、国・自治体・事業主の責務を明確にすること
3 国は、過労死に関する調査・研究を行うとともに、総合的な対策を行うこと
【署名へのご協力のお願い】
私たちは「過労死防止基本法」の法制化を目指して、「100万人署名」に取り組んでいます。
≪署名用紙≫(ココをクリックお願いします)をダウンロードしていただき、必要事項をご記入いただいた上で、東京事務所もしくは大阪事務所まで郵送をお願いしたいと思います。
まずは過労死のことや過労死防止基本法を多くの人に知っていただきたいので、ツイッターでつぶやくなどして広めてもらえると助かります。記事の一番下についているボタンからも気軽にツイートできますので、ぜひともご協力お願い致します!
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