2008年5月19日、宮崎県・新富町役場の職員だった松本美香さん(当時28)が、大量の睡眠薬を飲んで死亡した。戸籍や住民票の手続きを行う町民生活課(当時)の窓口担当だった。
朝、母の久美子さん(56)が部屋で倒れているのを見つけた。起こそうとしても反応がない。頭が真っ白になり、娘の背中をさすり続けた。
久美子さんは言う。「自分たちが生まれ育った町。その役場に勤めて、こんなことになると . . . 本文を読む
◆「いいように使われた」
「さすがにこたえました」「急激な売り上げでした」「倒れそうです」
清涼飲料の運送会社「日東フルライン」(大阪市)で働いていた兵庫県尼崎市の男性(当時27)は2008年7月、業務日誌にこう書いた。
自動販売機をトラックで回り、缶やペットボトルの飲み物を補充する。最高気温は連日30度を超え、ジュースがよく売れた。「倒れそう」と書いた日から7日後の8月2日、自宅 . . . 本文を読む
◆燃える希望、消され自殺
2008年10月、気象情報会社ウェザーニューズで働く男性(当時25)が、千葉市の自宅で練炭自殺した。4月に正社員として働き始めたばかり。
「希望に燃えて会社に入ったのに」。京都市に住む兄(34)は悔しがる。
兄が思い出すのは、小学3年生のころの弟の姿だ。「お兄ちゃん、こんなに積もったよ!」弟はそう言ってはしゃぎ、庭先に積もる雪を物差しで測った。
「気象観測」は冬 . . . 本文を読む
◆SE業界「死の行進」
福岡市に住む男性(31)には、東京でシステムエンジニア(SE)をしていたころの忘れられない風景がある。
午前1時過ぎ。広さ約900平方メートルのオフィスでは、あちこちでキーボードをたたく音が聞こえた。目がかすみ、パソコンのモニターの文字がぼやける。頭が鈍く痛む。
終日パソコンの前に座っているため、肩も腰もこわばってきた。
「もう限界。寝かせてもらうわ」。男性はパイプいす . . . 本文を読む
国「ブラック企業と風評」 遺族「企業利益なぜ優先」
高裁が「黒塗り」追認 過労死企業名 開示訴訟
長引く不況と就職難を背景に過労問題が深刻化している。
遺族は、過労死を起こした企業名の公表を求めているが、国側は拒み続けている。「ブラック企業」と中傷され、企業に風評被害をもたらしかねないとの理由からだ。
昨年11月の大阪高裁判決もそれを追認した。遺族らは「人の命よりも企業利益を優先するのか」と怒 . . . 本文を読む
過労死防止に向けて3月7日(木)に開かれる院内集会についてのお知らせです。
参加費無料ですので、過労死問題に関心のある方はぜひご参加下さい!
◆内容
・基調講演「なぜ過労死防止基本法が必要か」川人博 弁護士(過労死弁護団全国連絡会議 幹事長)
・記念講演「過労社会ニッポンを変えるために」吉越浩一郎さん(元トリンプ・インターナショナル・ジャパン社長)
・ほか 1年間の活動報告、遺族の訴え、連帯あ . . . 本文を読む