過労死防止基本法制定を求める署名にご協力ください!

大切な人を働きすぎから守るための法律をつくるために署名を呼び掛けています。

6月17日(日) 北海道新聞にて家族の会代表の寺西笑子さんのお話が紹介されました。

2012-07-12 15:14:33 | 記事紹介
 働く人の意識 社会全体で変えていかないと

 私は専門家ではありません。遺族の目線で感じたことを話したいと思います。

 二つ年上の夫とは1970年、私が21歳の時に結婚しました。2年後、夫はそば職人を志して、そば店を展開する会社に就職、調理師として働き始めました。むちゃくちゃ多忙だったので会社を辞めるように言いましたが、「忙しいからこそ鍛えられる」と仕事に没頭していました。

 その働き方が認められ、92年に本店の店長に昇格しました。すると店長として会社から売り上げのノルマが課せられるようになりました。しかし不況で売り上げは伸びず、人件費を削るためパートさんを早く帰らせ、その分を自分でカバーしていました。このころ労働時間は年間4千時間を超えていました。4年後、うつ病を発症し、降格人事となりました。夫は眠れなくなり、ご飯も食べられなくなり、96年2月15日、近所の団地から投身自殺しました。なぜ夫を救えなかったのか。見ていただけだったのか。自分を責める日々が続きました。

 当時は自殺者への労災認定基準がなかったのですが、大阪の弁護士さんから「基準をつくらないといけない。一緒に頑張りましょう」と言われ、弁護団が結成されました。証拠や証言者を集め始めたのですが、なかなかそろわず、何度も「やめよう」と心が折れそうになりました。

 そんな時に救ってくれたのが、大阪にあった「家族の会」でした。過労死で家族を亡くされた方々で、みんな労災申請や裁判で闘っていた。過労自殺の遺族は自分だけでしたが、みんなに励まされ元気をもらいました。それまで、自分の口から夫の自殺を周囲に言うことができませんでしたが、ここではみんな同じ境遇。初めて会った人たちなのに夫のことを話すことができ、気持ちが楽になりました。救われる思いでした。

 その後、会社の事務員が夫のタイムカードを提出してくれたりして証拠が集まり始め、申請から丸2年たった2001年、労災が認定されました。当時、自殺の労災認定は珍しく注目されました。会社を被告にした民事訴訟も和解し、心に区切りがついたことから、今度は自分がほかの遺族を救う番だと決心し、家族の会の全国組織でも活動することにしました。

 私のように納得のいく解決ができても、世の中全体が変わったわけではない。個々の闘争は一つの通過点。最終的には過労死をなくす社会をつくることが必要なのです。悲しみ、喪失感を持ち続ける遺族をこれ以上つくってはいけません。

 私たち全国過労死を考える家族の会では、過労死防止基本法の制定を求めています。基本法があると、行政は啓発活動を進めるので、働く人の意識も変わっていきます。私の息子は会社に勤め、働きづめの日々を送っています。「お父さんを見てるでしょ。残業せんと、さっさと帰っておいで」と言うのですが、「みんな頑張っているから俺も頑張る」と言います。会社に行くと感覚がまひしてしまうのです。一人が考え方を変えてもだめです。社会全体で変えていかないと。国が、過労死はだめだと宣言することが大切です。

 それから、従業員を過労死させた企業名の公表も求めています。企業への罰則の強化が必要です。

 日本の自殺者は年間3万人います。ある専門家は、このうち2割が仕事が原因だと指摘しています。労災申請数、認定数を考えれば、氷山の一角です。どれだけ過労死させれば、日本の働き方は変わるのでしょうか。私たちはこれからも社会に警鐘を鳴らしていきます。過労死がなくなる日まで。



***「過労死防止基本法」制定実行委員会が求めていること***********************

  「過労死」が国際語「karoshi]となってから20年以上が過ぎました。
  しかし、過労死はなくなるどころか、過労死・過労自殺(自死)寸前となりながらも
  働き続けざるを得ない人々が大勢います。

  厳しい企業間競争と世界的な不景気の中、「過労死・過労自殺」をなくすためには、
  個人や家族、個別企業の努力では限界があります。
  そこで、私たちは、下記のような内容の過労死をなくすための法律(過労死防止基本法)の
  制定を求める運動に取り組むことにしました。

  1 過労死はあってはならないことを、国が宣言すること
  2 過労死をなくすための、国・自治体・事業主の責務を明確にすること
  3 国は、過労死に関する調査・研究を行うとともに、総合的な対策を行うこと

署名へのご協力のお願い
私たちは「過労死防止基本法」の法制化を目指して、「100万人署名」に取り組んでいます。
署名用紙≫(ココをクリックお願いします)をダウンロードしていただき、必要事項をご記入いただいた上で、東京事務所もしくは大阪事務所まで郵送をお願いしたいと思います。

まずは過労死のことや過労死防止基本法を多くの人に知っていただきたいので、ツイッターでつぶやくなどして広めてもらえると助かります。記事の一番下についているボタンからも気軽にツイートできますので、ぜひともご協力お願い致します!
 

連絡先】 ストップ!過労死 過労死防止基本法制定実行委員会
HP:http://www.stopkaroshi.net/
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