過労死防止基本法制定を求める署名にご協力ください!

大切な人を働きすぎから守るための法律をつくるために署名を呼び掛けています。

【記事紹介】朝日新聞 2月1日<働く 追い詰められて① SE業界「死の行進」>を紹介します。

2013-02-15 20:18:17 | 記事紹介
SE業界「死の行進」

福岡市に住む男性(31)には、東京でシステムエンジニア(SE)をしていたころの忘れられない風景がある。
午前1時過ぎ。広さ約900平方メートルのオフィスでは、あちこちでキーボードをたたく音が聞こえた。目がかすみ、パソコンのモニターの文字がぼやける。頭が鈍く痛む。
終日パソコンの前に座っているため、肩も腰もこわばってきた。

「もう限界。寝かせてもらうわ」。男性はパイプいすを3脚並べ、その上にスーツのまま横になった。都内のオフィスから神奈川県内の寮に帰る終電は、もうなかった。
同じ列の2、3メートル先に座る同期の西垣和哉さん(当時24)が、けだるそうにパソコンに向かっている。「そんなにやったら、もたんのに」と思ったが、声はかけなかった。
数十分後、和哉さんも限界に達したのか、パソコンを片付けて机に突っ伏した。2003年の秋ごろだった。

2人は、電機・IT大手富士通の子会社「富士通ソーシアルサイエンスラボラトリ(SSL)」のSE。コンピューターを目的通りに動かすためのプログラムを書く仕事だ。
期限までに仕上げるため、深夜まで作業することもまれではなかった。
その年の11月、和哉さんの欠勤が増えた。「抑うつ状態」と診断されて休職。3か月後に復帰したが回復せず、ブログには「もっと健康的に生きたい」と書いた。
06年1月、うつの治療薬を大量に飲んで死亡した。27歳だった。

男性も05年2月、富士通SSLをやめた。布団から起き出せなくなり、「抑うつ状態」と診断された。「僕たちはデスマーチ(死の行進)に巻き込まれたんだと思う」
人員不足の中で納期に間に合わせるため、連日の残業を求められる。誰かが休むと残った人の負担がさらに増える――。
情報通信産業の労働環境に詳しい、産業医の林剛司さん(日立健康管理センタ長)によると、SEたちが働く現場で、体調を崩す人が続出する状況は、「デスマーチ」と呼ばれる。
米国のSEが使い始めた。

林さんは「管理職が若い情報通信産業では、労働時間や健康面の管理が徹底されない企業がある。
コスト削減を意識するあまり、デスマーチに近い状態に陥る企業が多い。業界全体の課題だ」と話す。
和哉さんは兵庫県生まれ。情報処理を学ぶ専門学校を卒業し、02年4月、富士通SSLに入った。
2人で暮らしてきた母の迪世(みちよ)さん(68)には「関東の方が大きい仕事ができる」と抱負を語っていた。
最後に和哉さんと話したのは、亡くなる3か月前。2回目の休職に入り、神戸市の実家に帰ってきた時だ。
目がうつろで、しばしば会話が途切れた。「会社辞めたら」と説得したが、「うつなのは他の人も同じや。働きながら治すしかない」と聞かなかった。

迪世さんは3度にわたって労災を申請したが、国は認めなかった。09年2月、東京地裁に提訴。11年3月に勝訴し、労災が認められた。
判決によると、和哉さんは入社1年後、テレビ局向けシステムの開発を担当し、急に忙しくなった。残業時間は、03年4月で103時間以上、7月も89時間以上だった。
徹夜や休日出勤もあったが、メンバーは増えなかった。

オフィスには、社外も含めて200人以上のSEが集まっていた。長机の上で仕事道具のノートパソコンを開く。一人分の作業スペースは幅80センチほどしかなかった。
室内の二酸化炭素の量は、国が定める基準を超えていた。判決は「(和哉さんの)心理的負荷の程度は『過重』と評価するのが相当」として、国の不認定処分を違法だとした。
富士通SSLは再発防止策をとると約束した。広報室の担当者は、「労働時間の短縮や、休憩設備の設置などで労働条件の改善に取り組んでいる」と話す。

迪世さんは会社の改善を見守ると共に、国に過労死問題への取り組みを義務付ける「過労死防止基本法」の制定を呼びかける。
同期の男性は、富士通SSLを退職後、ほかのソフトウェア会社に営業職として入った。
「デスマーチを起こしたくない」と、SEの健康管理や顧客との調整を引き受けた結果、自分の残業が増え、再びうつ状態に。退職し、今は体調を整えながら仕事を探している。
もう、SEに戻るつもりはない。
(牧内昇平)


***「過労死防止基本法」制定実行委員会が求めていること***********************

  「過労死」が国際語「karoshi]となってから20年以上が過ぎました。
  しかし、過労死はなくなるどころか、過労死・過労自殺(自死)寸前となりながらも
  働き続けざるを得ない人々が大勢います。

  厳しい企業間競争と世界的な不景気の中、「過労死・過労自殺」をなくすためには、
  個人や家族、個別企業の努力では限界があります。
  そこで、私たちは、下記のような内容の過労死をなくすための法律(過労死防止基本法)の
  制定を求める運動に取り組むことにしました。

  1 過労死はあってはならないことを、国が宣言すること
  2 過労死をなくすための、国・自治体・事業主の責務を明確にすること
  3 国は、過労死に関する調査・研究を行うとともに、総合的な対策を行うこと

署名へのご協力のお願い
私たちは「過労死防止基本法」の法制化を目指して、「100万人署名」に取り組んでいます。
署名用紙≫(ココをクリックお願いします)をダウンロードしていただき、必要事項をご記入いただいた上で、東京事務所もしくは大阪事務所まで郵送をお願いしたいと思います。

まずは過労死のことや過労死防止基本法を多くの人に知っていただきたいので、ツイッターでつぶやくなどして広めてもらえると助かります。記事の一番下についているボタンからも気軽にツイートできますので、ぜひともご協力お願い致します!
 

連絡先】 ストップ!過労死 過労死防止基本法制定実行委員会
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