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【記事紹介】朝日新聞 <働く 追い詰められて② 入社半年「予選」の重圧>を紹介します。

2013-02-16 17:09:13 | 記事紹介

燃える希望、消され自殺
 
 2008年10月、気象情報会社ウェザーニューズで働く男性(当時25)が、千葉市の自宅で練炭自殺した。4月に正社員として働き始めたばかり。
「希望に燃えて会社に入ったのに」。京都市に住む兄(34)は悔しがる。

兄が思い出すのは、小学3年生のころの弟の姿だ。「お兄ちゃん、こんなに積もったよ!」弟はそう言ってはしゃぎ、庭先に積もる雪を物差しで測った。
「気象観測」は冬の日課。大学ノートに毎日の天気や積雪、明日の予想をメモした。
大学生の時に気象予報士の試験を受けたが、不合格。卒業後に入社した電子部品メーカーは1か月でやめ、再び試験に挑戦。合格して、ウェザーニューズの社員になった。
テレビで放送される天気予報の原稿作りを担当した。

 「弟を追いつめたのは、社内で『予選』と呼ばれた人事制度だった」。兄はいう。
ウェザーニューズによると、新人社員は社内で「ポッシブル・ウィナー(勝者になることが可能な者)」と呼ばれる。入社後半年間は、会社と社員との「相互評価期間」とされる。
その期間に、経営全般に関わる「経営職」になるか、勤務時間や仕事内容を限定した「契約スタッフ職」になるかが決まる。
新人社員30~40人のうち、年に1人か2人が「契約スタッフ職」になるという。「予選通過。必死。」兄によると、弟が仕事で使っていたノートには、こうあった。
弟の携帯電話に残ったメールや同僚の話をまとめたところ、弟は午前8時に出社。
ほぼ毎日、午後11時以降まで働いた。午前2時ごろまで働くことも多く、6、7月の残業時間は200時間を超えた。

ところが、上司の評価は厳しかった。9月には「何でこの会社に来たのか。迷い込んできたのか。」と問い詰められた。同僚に「死にたい」ともらすようになった。
入社半年後の10月1日、上司から「予選通過は難しい」と告げられた。亡くなったのは翌日だ。
兄は話す。「好きな仕事をするための社内競争は仕方ない。でも、苦しむ仲間を支える仕組みはなかったのか」
10年6月、千葉労働基準監督署は、弟の労災を認めた。兄はその後、会社に損害賠償を求める裁判を起こした。会社は再発防止を約束し、和解した。
ウェザーニューズ広報・IR担当の北川堅グループリーダーは「社員カードでオフィスへの入退出時間を記録するシステムを始めた。メンタルヘルスに関する研修も行っている」という。


◆「私は弱かったのか」

入社当初から多くの仕事を課し、結果を出すように求める。若手を即戦力として使おうというのが企業の思惑だが、働き手にとっては過度な重圧にもなりうる。
愛知県の20代女性が働いていた大手衣料品販売会社では、入社後の半年間は、「店長を全力で目指す期間」だ。
新入社員は「店長候補者」と呼ばれ、各店舗に配属される。レジ打ちや接客から人件費の管理まで、店で必要な仕事をすべてこの期間で覚えなければならない。
その半年後に、店長になれるかどうかの試験がある。マニュアルをもとにした筆記テスト、店舗での働きぶりの評価、幹部による面接という三つの関門をクリアすれば、店長に昇進だ。
不合格の場合は、半年沖の試験で店長を目指す。2年以内に年長になる資格を得ないと、降格することもある。
「店長にならないなんてあり得ない。そんな雰囲気があって、どんどん追い込まれていった」と女性は話す。

10年春に入社し、東海地方の店舗に勤務した。朝8時に出勤し、夕方5時半までが通常の勤務。就業後、仕事を覚えるために2時間ほど店に残り、帰宅後もマニュアルを覚えるために3時間勉強した。
ベッドで眠ると寝坊してしまいそうで、床の上に横になった。
入社2か月後、朝起きると涙が出るようになった。勤務中もうわの空で、レジ打ちなどを頻繁にミスした。「こんな状態ではやっていけない」。店長への試験は受けたが、自分から不合格にしてもらった。
医師に「うつ状態」と診断され、11月から休職。翌年に退職した。
店長に昇進し、楽しそうにバリバリと働いている同期もいる。「私は弱かったのか」。今も悩み続ける。退職後にほかの仕事を始めたが、忙しくなると涙が流れてくる。
(牧内昇平)



***「過労死防止基本法」制定実行委員会が求めていること***********************

  「過労死」が国際語「karoshi]となってから20年以上が過ぎました。
  しかし、過労死はなくなるどころか、過労死・過労自殺(自死)寸前となりながらも
  働き続けざるを得ない人々が大勢います。

  厳しい企業間競争と世界的な不景気の中、「過労死・過労自殺」をなくすためには、
  個人や家族、個別企業の努力では限界があります。
  そこで、私たちは、下記のような内容の過労死をなくすための法律(過労死防止基本法)の
  制定を求める運動に取り組むことにしました。

  1 過労死はあってはならないことを、国が宣言すること
  2 過労死をなくすための、国・自治体・事業主の責務を明確にすること
  3 国は、過労死に関する調査・研究を行うとともに、総合的な対策を行うこと

署名へのご協力のお願い
私たちは「過労死防止基本法」の法制化を目指して、「100万人署名」に取り組んでいます。
署名用紙≫(ココをクリックお願いします)をダウンロードしていただき、必要事項をご記入いただいた上で、東京事務所もしくは大阪事務所まで郵送をお願いしたいと思います。

まずは過労死のことや過労死防止基本法を多くの人に知っていただきたいので、ツイッターでつぶやくなどして広めてもらえると助かります。記事の一番下についているボタンからも気軽にツイートできますので、ぜひともご協力お願い致します!
 

連絡先】 ストップ!過労死 過労死防止基本法制定実行委員会
HP:http://www.stopkaroshi.net/
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