ジャーナリスト活動記録・佐々木奎一

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今どきの若者『さとり世代』の特徴

2013年05月20日 | Weblog

2013年5月2日、auのニュースサイト EZニュースフラッシュ増刊号
 
「朝刊ピックアップ」で記事 
 
「今どきの若者『さとり世代』の特徴」
 
を企画、取材、執筆しました。

 

 けさの朝日新聞に「いま子どもたちは さとり世代6」という連載記事がある。「さとり世代」とは、今の若者を象徴しているという。

 同紙によれば、この言葉が最初に登場したのは10年1月。2ちゃんねるの、「欲しがらない若者たち」(著: 山岡拓/日本経済新聞出版社刊)のスレッドでのこと。同書には、今の若者の消費動向について「車に乗らない。ブランド服も欲しくない。スポーツしない。酒は飲まない。旅行しない。恋愛には淡泊」とある。

 これを受け、1人が「さとり世代」と書き込むと、「いい言葉!」「面白いフレーズ」などの書き込みが殺到。その後、掲示板の創設者で元管理人の西村博之氏がツイッターで「『さとり世代』。結果のわかっていることに手を出さない。草食系。過程より結果を重視。浪費をしない」とつぶやき、ネットで拡散したという。

 さとり世代は、80年代半ば以降に生まれた10代~20代半ばの世代で、ゆとり世代と重なる。物心ついたときにはバブルが崩壊し、景気は後退。一方、ネットが普及し、欲しい情報が手に入る環境で生きてきた世代。

 「『ゆとり世代』はダメな若者を指す言葉になったが、『さとり世代』は、ゆとり教育を受けつつ、さらに勉強をし、現実的な将来を見通す賢い集団でもある。だからこそ、結果をさとらざるを得なかった」(博報堂若者生活研究室アナリスト・原田曜平氏)。

 さとり世代のその他の特徴は、車やブランド品に興味がない、必要以上に稼ぐ意欲はない、パチンコなどの賭け事をしない、海外旅行への興味が薄い、地元志向が強い、恋愛に淡泊、主な情報源はインターネット、読書も好きで物知り、など。

 例えば、かつて若者から絶大な支持を集めた歌手の尾崎豊の「盗んだバイクで走り出す 自由になれた気がした15の夜」「夜の校舎 窓ガラス壊してまわった この支配からの卒業」といった歌詞について「曲はいいんじゃない? でもバカだなとも思う」(新潟県の高校3年男子)と冷静な発言。

 東京都多摩市の高3女子は、ふだんの行動範囲は半径15キロ圏内。宮城県内のトップレベルの進学校に通う高2男子は、教師に「東大を目指せ」と言われるが、地元の大学を志望。留学についても消極的。

 また、同県の高3女子は、学校の友達以外に、フェイスブック、ライン、ツイッターで、数百人とつながり、局面に応じて友だちを使い分けている。手軽に離れることができる割り切った感覚が基本。

 ネットをきっかけにした恋愛をする若者も多い。なかには「ネットで出会い、一度も会ったことないけど交際4か月。ラブラブだよ」、「彼とのデートはチャットだけ。それで満足。とても楽しい」といった人もいるという。

 悟っているが故に、覇気がない、という指摘もある。労働現場からは「仕事はそつなくこなすが、上を目指そうという気概がない」「彼らに『店長になってほしい。給与も上がる』と声をかけると、『大変なだけじゃないですか』と断られる」という。

 海外旅行についても、「異国の料理は都内で食べられる。海外の様子はネットでわかる」「手続きが面倒くさい」といって興味を持たなかったり、将来の志望は、年収にはこだわらず、ほどよく力が抜けた大人、寛容でおおらかな大人になりたい、という若者が多いという。

 このように、物心ついた時からネットにどっぷりつかったさとり世代は、これまでのアナログ環境で生まれ育った世代とは、一線を画する傾向が強い。世代間で分かり合うには、双方の生きた時代背景に思いを馳せる必要がありそうだ。(佐々木奎一)


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1 コメント

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Unknown (Unknown)
2013-08-01 15:27:51
学生時代→過程が大事努力が大事
社会に出てから→結果が全て

こんな矛盾した環境に放り込まれりゃあ誰だって悟る。

悟らせたバカは団塊と団塊ジュニア。
昔から、賢くなりたければバカを観察しろという。

さとり世代を嘆く世代も居るが、誰がその世代を生んだのかについてはまるで考えが及んでいないんだろうなぁ……。
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