最近、十九世紀の亜米利加の作家・ソローの著書「森の生活」(岩波文庫)を読んでいる。
この本は、森の中で自給自足の生活をしたルポで、著者は、自然とともに生きることを絶賛している。
この本を読んでて、自身の経験に照らして思い出したことがある。
今から五、六年前、「昔はもっと、心静かに生活していたなあ」と思い、突然鳴り響く電話やメールの音が、心が静かになれない要因の一つではないか、と考え、メールや電話がなっても無音で震えたりもしない状態にした。すると、まるで、森のなかにいるような平静さを取り戻すことができた気がした。すくなくとも携帯が鳴り響く環境で、森のなかで生活するより、平静になれると思う。
ソローのような生活は、なかなか現代人には真似はできない人は多いとは思うが、都市に居ながらにしてソローの心境に近づくためにできることは、多々ある気がする。