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聯合艦隊司令長官 山本五十六 -太平洋戦争70年目の真実-

2011年12月24日 18時43分51秒 | 映画
公開初日に「聯合艦隊司令長官 山本五十六 -太平洋戦争70年目の真実-」を観た。


太平洋戦争なだけに大変重苦しいテーマだ。



キャストは、役所広司さん主演で、阿部寛さん、玉置宏さん、柄本明さん、柳葉敏郎さん、田中麗奈さんほか
凄く豪華。
熱演で凄く良かった。
特に役所さんの山本長官、阿部ちゃんの山口多門中将は渋すぎだ。



内容的には、前半後半で分けることができる。
前半は、山本が戦争回避の為の尽力。後半は開戦を告げる真珠湾攻撃~ミッドウェー海戦~ブーゲンビル島上空で露と
消えるまでを描いている。

開国以来日本は、日清戦争、日露戦争、第一次世界大戦などを経て、目指していた列強の仲間入り
をし、軍・マスコミをはじめ、常勝無敗の驕りが出てきていた。

時は昭和14年 三国同盟締結をめぐって、海軍大臣米内光正、海軍次官山本五十六、軍務局長井上成美は、
日本の国力を正確に知っているため、三国同盟を締結すれば、米国と一触即発の状況になる事を危惧。
真っ向から反対する。しかし、陸軍やマスコミは世論を煽り、海軍を非難する。

やがてナチスドイツの欧州での快進撃にあたり、一気に世論は三国同盟締結を熱望。
錯覚だと気付かず、戦争を熱望するようになる。
米国との戦争回避を目指してきた海軍ももはや抑えきれなくなり、三国同盟締結。
一気に開戦に流れてゆく。後半は、戦争回避に尽力してきた山本五十六が
連合艦隊司令長官に就任し、皮肉にも真珠湾で開戦の火ぶたを切ることになる。


なんとかハワイの敵空母を叩いて時間を稼いでいる間に講和に持ち込みたい山本長官。
しかし、期待していた戦果は得られなかった。

また山本長官が再三気をかけていた事前での宣戦布告が遅れ、事後通告となったことも、
不意打ちとなり、国際世論の上で大誤算だった。

実際の戦果とは裏腹に、大袈裟な大本営発表で国民は熱狂。
講和への道に苦悩する。

米国の予想以上の早さの回復により、ミッドウェーでの大敗。形勢は逆転。

次々と拠点を失い撤退する海軍。
ラバウル基地から基地の視察をするべく上空に飛び立つ山本長官。

しかし、敵に傍受されており、ブーゲンビル上空で撃墜され、日本は講和を模索していた貴重な人材を
失い、亡国へと一気に加速していった。


感想だが、後半の真珠湾攻撃戦~ミッドウェー海戦~ブーゲンビルに至る流れが速く、この点はもっと丁寧に
描いてほしかったが、山本長官の戦争に対する苦悩、部下に対する度量の大きさ、軍とは一歩離れた時の子煩悩な姿
など、山本長官の人柄は良く表現されており、TOTALでみて良かったと思う。

この映画を見ると、リーダーって本当に大事だなって思う。
リーダーが把握する能力として、古の中国でも説かれている「孫子の兵法」のように、知識はもちろんだが、
敵の把握、己の把握、突き進む上での目的や最終的な着地点といった正確な情報分析が太平洋戦争のリーダー達や
マスコミには著しく欠落しているようだった。


これは、軍に限らず、現代の世のリーダーたちにも当てはまる教訓だ。
太平洋戦争の教訓を生かしたシビリアンコントロールというものがある。
これを「素人が上に立つ」と勘違いして、素人の大臣を就任させている現政権は、
教訓がわかっていない太平洋戦争指導者の愚か振りとかわらない感じがする。

この映画で山本長官が、マスコミの若手記者に説いている。

『目も、耳も、心も、大きく開いて世界を見なさい』

国のリーダーだけでなく、国民一人一人に向けた大事なメッセージかと思う。


さて評価であるが、☆4つ


(評価)
☆☆☆☆
※★=0.5☆

(基準)
☆☆☆☆☆ かなり面白い もう一度映画館に見に行きたい。 DVDは購入する
☆☆☆☆   なかなか面白い。
☆☆☆    まあまあ。しかし何かが足りない。
☆☆      がっかり。
☆       話にならん 金返せ!!




PS:先日、幕末の戊辰戦争で幕府方についた会津に行ったが、山本五十六長官の故郷は新潟県長岡市。
   ここの長岡藩も会津藩同様幕府につき激戦地となった場所。
   旅行したい場所の一つである。行った折には山本五十六記念館など訪ねたいと思っている。
   因みに真偽のほどは分からないが、山本家の血脈は、武田の軍師 山本勘介の血脈らしい。
   実に興味深い。