いいとこ取りを許そう

 日本では大人になるとスポーツをしなくなると言います。国際的に見ても、活発にスポーツをする割合が低いとか。

スポーツライフ・データ2002笹川スポーツ財団より

 私なんかはスポーツが大好きですから、日本に暮らす人々がもっと盛んにスポーツに親しんでくれればいいと思いますし、Jリーグの百年構想なんかも、そんな環境を目指しているものでしょう。

 で、生じる疑問が「何で日本ではあんまりスポーツが盛んにならないのだろう?」ということ。調査結果における「時間がない」「環境がない」などの理由は想像つくけれど、どうもそれだけではないような気がしていたんです。

 そんな長年のモヤモヤを解消してくれたのが、今朝の朝日新聞土曜版、島田雅彦氏のコラムでした。

(前略)以後、私にとって習い事は、基礎練習を省いた「いいとこ取り」の形式に落ち着いた。(中略) 稽古(けいこ)から苦痛と退屈を間引き、快楽追求に徹するということ。


 日本ではスポーツをするときって、なかなか「いいとこ取り」ができないんですよね。週に2回以上、本格的にやろうと思った瞬間から「苦痛」と「退屈」が渦巻く「稽古ごと」の世界に放り込まれてしまいます。
 人間、30歳も過ぎたのに、素振りなんかしたくないって!!

 だから、気楽に満ちた月1回程度の草野球や競技性を追求しない「ジョギング」「ウォーキング」なんかが、人気スポーツになってしまうわけです。

 いかに庶民の「いいとこ取り」を可能にするか。それが、今後の日本スポーツ界にぶつけられた課題ではないでしょうか。
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