上司の心得

 球団数削減、1リーグ制移行に反対を明記していた原辰徳前巨人軍監督の日記がアップ後1日で公式サイトから削除されてしまいました。
 「原さんも勇気あるなぁ」と読後に感心していたのですが、読売新聞グループ内の人事異動で監督からはずれただけの立場の方ですから、自社の不利益となる(のか?)言動にNGが出たのでしょう。
 キャッシュがアップされているウェブページもあるようですので、原氏が何を書いていたか興味をお持ちの方は探してみてはいかがでしょうか。

 オリンピックを目前に控え、俄然注目が集まっているスポーツ関係者の一人に男子サッカー代表監督の山本昌邦氏がいます。

 試合前に過去の代表名場面を見せたり、サッカーを離れてグループ別にアスレティックで遊ばせて選手の性格を見たり、「ボールをもって15秒以内の攻撃」「アテネ経由ドイツ行き」など分かりやすいキャッチでメッセージを選手に伝えたり…。
 彼は選手をリードするスキルに非常に長けていて、次から次へと新たな手でチームに団結を生み、選手たちのモチベーションを高めていきます。始動当初のチームに比べ、トゥーリオが加わり、ユース組が加わり、そしてOA枠の曽ヶ端が加わってもなお、崩れないチームの輪は、彼の施策によるところも大きいのでしょう。

 私がここまで山本監督を「すごい」と思うのは、こうした結果が決して小手先のテクニックによって導かれたものではないということです。
 最近ではオリンピック予選UAEラウンドで、集団腹痛にも負けず敢闘精神を見せた選手に感激してインタビューで目に涙を浮かべていた姿も記憶に新しいところですが、彼の言動からは一貫して選手への敬意を感じ取ることができます。

 上司が部下を尊敬した上でリードするからこそ、組織が円滑に機能するのです。そんな山本監督がまた、やってくれました。
 今野ZZZ…ドッキリにハメられた~(日刊スポーツ)

 まあ、見出しは…ですが、選手の緊張が高まりつつある選考直前の合宿で、こんないたずらができてしまう。当然、餌食となる選手が精神的にタフネスであり、かつ年少者組に入る今野であることも計算のうちでしょう。

 最終的にピッチで仕事をするのは、選手たちです。しかし彼らが最大限に成果を発揮できるように環境を整えて上げるのが、フロント・監督・コーチの仕事。
 山本監督のようなメンタリティの持ち主の下で仕事ができれば、さぞ仕事にやりがいを感じられるのではないか、なんて想像もしてしまいます。
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