ポルトガルの空の下で

ポルトガルの町や生活を写真とともに綴ります。また、日本恋しさに、子ども恋しさに思い出もエッセイに綴っています。

ネコの歯医者

2017-12-24 12:23:50 | ペット
2017年12月24日 

我が家に5匹猫がいた頃の、あるクリスマス時期の話です。

一番若いゴロー君が右上の牙が抜けそうでなかなか抜けませんでした。
牙はかなり下にさがっていて、下の牙と噛み合わず口を閉じることができないらしく、えさを食べようとすると触れるのが痛いのだろう、食べなくなっていました。


クリニックに行く前日。痛みをこらえて寝るっきゃないのだ。というので、川の字で寝るゴロー君。左は年長のゴン太(昨年寿命を全うしました。まん丸なのはクルル。太りすぎだよ、君。

それで気が付いたのだが、口を閉じることができないと飲み込みもできないらしいのだ。結局ミルクも水も飲めなくなったので、先週の日曜日には、動物総合病院の救急へ夫が連れていってみた。人間並みである。

診断の結果が病院へ行った夫から電話で入った。

「抜歯して穴を開けたままはよくない。手術して義歯を構築しそれを入れる」

@@ さ、差し歯じゃん!人間並みジャン!加えて手術費用は500ユーロ(=56000円)だという。ガビ~~ン!
ということは、薬代だのその後の通院だので7、8万はかかりそうだと。

「どうする?」と電話で夫。

どうするったって、今、昼食作り中のわたしに即断せよと言われてもなぁ。飯が焦げるよ~

ということで日曜日はいったんうちへ引き返してもらった。7、8万はちょっとかけすぎじゃない? だってペトやクルルもしばらく前に抜けたけど、そのままです。

結局、猫たちの主治医である近くのクリニックで予約を取り、昨日麻酔をかけて抜歯のみしたのだが、これとて、食事抜きで朝、連れて行き丸一日クリニック・ステイである。

そのことを猫好きのモイケル娘とスカイプで話した。

spacesis: 家猫だし獲物をとるわけじゃないからいいんだけど、外へ出たら、
       外猫たちに笑われるのだ、きっとw
       なんだ、おまえ、牙がないのかってw

モイケル:  失格なネコになってしまうねw
    (註:これは兄貴の間違い日本語をそのまま使ってみたようだ。
     「妹失格だ、お前は」と言うべきところを、兄貴、「お前は失格な妹だぁ」
     とやったようだ。爆。まぁ、文法的には、日本語の形容詞としての使い
     方が間違ってないのだがw 
     我が息子は時々こういう日本語の間違いをしでかしていた)

spacesis:   あははは、失格な猫って(笑)

モイケル:  あ、でも意外と貫禄がついていいかもよw

spacesis: 牙がない貫禄なんてあるかいな。

モイケル:  そ、そか。 片目に斜め傷が入ってるようなカッコよさにはならんかw

spacesis: おお!旗本退屈男のことだね。
       いやぁ、そんな突っ込みができるなんて、モイちゃんもすっかり
       日本人じゃん^^ うんうん^^

とは言うものの娘のギャグがこの母の年代ものであるのをご理解くだされ。何しろ、この母の昔話が日本の情報でありましたし、それを聞いて日本に憧れて行った彼女ではありますもので。

とまぁ、こんなくだらない親子話をばらしているのですが、かかった費用はいくらか? はい、麻酔をかけて抜歯し、薬をいただいて当時で60ユーロ(8000円弱)ほどでした。これでよかったかどうかは知りませんが、仮に差し歯をしたとして、それとても人間と同じで合う合わないがあると思われ・・・すると、差し歯で一件落着とはいきません。抜いてしまったら後くされがなくなり、とりあえず落着ですものね^^;

そんなわけで、抜歯後のゴロー君の顔、みてやってくださいな(笑)

ボクは嬉しくないのだ・・・と、申しております

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では、みなさま、メリークリスマス!

縫いぐるみのクラウディウ

2017-12-19 21:56:55 | ペット
2017年12月18日

ボランティア活動の一環、影絵上映の作品の切り絵作業を、娘の部屋でする昨今。部屋そのものは大きくないのだが、ベランダがあるので部屋が明るく開放感があり、娘がいない今、ここで勉強や作業をしている。

丸いテーブルに座って作業していると、ふとした拍子に向かいのソファの背もたれにはべる縫いぐるみの「クラウディウ」が目に入る。



作業の手をしばし止めてクラウディウに近づきつくづく眺めてみた。このクラウディウは、息子のものだ。

現在は日本に住む息子が、まだリスボンにいた頃のこと、クリスマス休暇でポルトに帰省した。翌春の日本行きの準備でリスボンのアパートにある持ち物の整理をし始め、その日は、わたしのお下がりの赤いオンボロFIATに荷物を詰め込んでの帰省だった。

途中で車が故障しないかと気をもんだが、夜無事に到着、荷物を家に運び込んだあと、ぎっしり入っている大きな袋からはみ出ている茶色いものが目に入った。

はて?と思い引っ張り出して、それがなんだか分かった一瞬、わたしは大笑いしてしまった。それは上の写真にある犬の縫いぐるみの耳だったのだ。息子よ。お前は、まだこのクラウディウ持ってたんか~。

息子が5歳くらいの時だ、Tio Zeこと「ゼおじさん(独身でアーティストの夫の兄)」から贈られた縫いぐるみの人形で、わたしたちみんなはこれを「クラウディウ(Claudio)」と名づけた。

「クラウディウ」と言うのは、息子がまだ生まれる前からいた野良犬だったのだが、わたしが手なずけて義母が渋るのを無理やり頼んで、夜寝るときにだけ家の中に呼び込み、ねぐらを作ってやった半飼いしていた牡犬のことだ。
縫いぐるみを息子に贈った義兄も、この色具合がクラウディウによく似ていたがゆえに面白がって買ったのであった。

ポルトガルでは一般的に、赤ん坊に縫いぐるみの人形をたくさん贈る。子供のベッドの上には日中、これらの人形がきれいに並べられるのだが、わたしの二人の子供たちも贈られたたくさんの縫いぐるみを持っていたものである。
成長するに及んで、少しずつ人に差し上げたりして、残ったのがこのクラウディウであった。大学入学でリスボンへ移るときに息子は遊び心でに一緒に持っていったようだ。思うにきっとアパートに遊びに来た友人たちと、クラウディウを投げたり足枕にしたりして遊んでいたのだろう。それきりわたしはこのクラウディ人形を忘れてしまい、こうして再び我が家に戻ってくるとは思いもしなかったのである。

今やもう30歳くらいの縫いぐるみクラウディウ、よく見ると、人形なのになんだかやけに歳取ったように見える。それだけではない、こうしてベッドに置いてみると、人形とは思えないほど表情が寂しそうではないか・・・



全体もずず黒くなっており、ところどころ破れて中のスポンジが見えている。それを見て思わず「お前もわたしと同じように歳とったんだねぇ」と感慨深い気持ちに襲われた。

スマホで撮影していると、ネコのペトがやってきて、「なんだ、コイツ」とでも言いたげに、しきりにクラウディウの匂いを嗅いでいる。



どれ、お正月も来ることだし、年季の入ったクラウディウの、今日はほころびをなおしてあげようか。

レストランにペットの犬同伴は可?

2017-10-30 23:21:00 | ペット
2017年10月30日 昨今、ポルトガルで話題になっているのに「レストランへの犬同伴」に関する条例設定の問題があります。


我が家は現在4匹のネコを飼っていますが、かつては犬のクラウディウやポピーと共に数匹のネコを同時にかった時期もあります。我が子たちは動物好きです。

息子はリスボン時代に2匹のネコの里親をし、ポルト帰省のたびに大事なギターとネコを連れてきて、我が家のネコたちとは馴染まず、ゲストルームを息子のネコが占領するという、なかなかに大変な状態でした。

我がモイケル娘にいたっては現在も3匹のネコを引き受けて以来かれこれ14年になります。娘が最初に引き取った二匹のネコはまだ自力でミルクを飲むこともできず、ちょうどわたしが日本へ帰国していたので、スポイルで数時間おきにミルクを飲ませたりして、その世話をするのにわたしも付き合ったものです。



また、わたしはと言えば、近所のジョアキンおじさんの畑のネコたちの餌運びをして、もう15年くらいにはなります。毎晩のことですから、これは夫も呆れ果て、すっかり諦めの心地でありましょう。自分が風邪などで寝込み、夫の夕食は作らずとも、ネコの餌運びだけは必ず起きて行くのですから、我ながらよぉやっとるわ。

かつて20匹ほどもいたジョアキンおじさんの畑の猫たちも動物愛護協会のボランティアが一匹ずつ捕まえては避妊手術を施し、コロニーに返すわけですが、気が付けば今は3匹だけになってしまいました。



こうなると、確かにノラ猫はいなくなるのですが、生態上それも考えものかもしれないと思ったりします。

家ネコよりも外のネコの方が餌代がかかるのでした。また、旅行や日本帰国の際には、家ネコ同様外ネコの世話も人に頼んでいくことになりますが、自分ができるうちは続けたいと思っています。

かようなわけで、わたしもワンニャンは好きで家族の一員のような気持ちで世話をしているのですが、さて、レストランやカフェへ連れて行くかとなると「否」です。

一つには衛生面です。自分のペットなら家の中に引き入れても自分が衛生面を判断すればいいというので済ませられますが、レストランとなると別でしょう。自分のペットが感染症にかかっていないと思っていても間違いということも有り得ます。犬のアレルギーがある人もいたりします。衛生面でペットがレストランにいるのはよくないと思う人は多いでしょう。

ポルトガルのTwiterなどを見てみると、やはり意見は反対も多いのでス。中には「レストランに入れる動物は死んだ動物だけだ(つまり肉類ですw)」などと書き込む輩もおり。

二つ目は、ペットを持つ人の権利はそれでいいとして、では、犬をレストランへ連れて行かない、犬は苦手だ、などの他の客の権利はどうなるのか、です。

三つ目、家族の一員だから一緒に食卓を囲むためにペットを同伴するのなら、ペットも共にレストランで食事をする?そうじゃないとすれば、美味しそうな食べ物の匂いが充満するレストランで、ペットは我慢を強いられることになるのではないか?それは極端に言えばそのうち虐待だと言い出すことにならないか?

四つ目、犬がいいとしたら、ネコはどうなのか?インコは?なぜ犬だけに特権が与えられるのか?

この条例が議会を通るとしても、恐らくレストラン経営者の決定に任せることになるのではないかと思いますが、入ったレストラン、ふと周りを見回せば、ワンちゃんだらけということを想像するのは、あまり嬉しいものではないとわたしなら思うのですが。

犬同伴の客を一日何人と限定するのだろうか。禁煙席、喫煙席のように犬同伴席、そうでない席と区別するだろうか。
あれこれ考えて、わたしはやはりレストランへのペット同伴はご遠慮願いたい、が、結論であるのだが、みなさまはいかに?

我が家の4匹ネコの2匹

IKEAのおもちゃベッドでご満足のクルルとペト。やがてベッドの取り合いが始まったのでありました。