皆様、こんばんは。木蓮です。
今週はじめから電車の中で読んでいた本で、
とても面白かった本をご紹介します。
※以下、ネタバレの内容が含まれます。
『新世界より』 著・貴志祐介

SF・超能力物のストーリーで、お話の展開が面白いです。
所々、この人は嘘をついているんじゃないかとか、口封じのために殺された!?
みたいなサスペンスチックな謎賭けがありますし、
上・中・下巻の3巻構成だけれども、
全然重たい話じゃないです。長編が読めない人でも読めるんじゃないでしょうか。
簡単な粗筋を書くと。
1000年後の日本のお話で、
その未来の世界では、人間は念動力(小説中では呪力と呼ばれる)が使えるようになっているが、
それ故に外部から完全に隔離された世界に住んでいた。
呪力の制御ができない子供達は大人達から記憶操作や、催眠術によって呪力を抑制されていた。
世界の外側には、危険で低脳な化け物が住んでいると教えられ、
外の世界の真実を全く知らないで生きていく。
夏休みの課題授業で、偶然外の世界に出てしまった主人公達は、
過去の近代文明の滅亡の歴史を知ってしまったことで、
今の世界の成り立つを知る。
能力者と非能力者の戦争があったことを。
能力者たちの圧倒的な力で世界の秩序が崩壊してしまったことを。
外の世界にいる化け物たちが生まれた理由を。
そして、ほぼ時を同じくして世界の秩序が変ろうとしている。
読ませるのが上手い。
こんな長いお話を最後まで、今の時代の飽き性な若者に読ませるか^^;
念動力という凄まじい力を持った人類だが、
最後の最後は、自分達にも制御ができなくなってしまう。
今の世の中の核兵器と同じだよね。
昔のSFを思い出してみると。。
小説ではないけど、私の好きな映画『惑星ソラリス』だと、
無理やり姉に見せたら15分ぐらいで寝てしまったよ~~(><)

なんか同じシーンがアングルも変らず2分間ぐらい静止画のような光景を見せられるんだよね。
この映画は。。そりゃ寝るのも無理ないわ。
昔の映画は見せ方というのは洗練されてなかった。(撮影技術の限界があったんでしょうけど)
私がこの映画がすごく好きなのは、強い探究心・想像力を持っているからだと思う。
惑星ソラリスというのは、その名の通り惑星なんだけど、
知能を持った惑星という設定で、意思を持った惑星。
その惑星は、接近する人類の特徴である「感情」を理解しようとする。
惑星ソラリスの研究ステーションから連絡が途絶え、
地球から来た主人公クリスが見たものは、
昔自分の過ちから死なせてしまった奥さんの姿だった。
見た目は、自分の最愛の人だけども、それは明らかに偽者だ。
まず最初にクリスがしたことは、
偽者の奥さんを無理やり脱出ポッドで船外排出してしまう。
最愛の人に対してしてしまったことで、良心の呵責に悩むが、
次の日になって奥さんが何もなかったかのようにクリスの前に現れる。
奥さんも自分が偽者だということに気付き始める。
クリスが夜通し眠らなくなって精神的限界に来ているのを見かねて、
液体酸素を呑んで、自殺を図る。
だが、惑星ソラリスが作った人に似せたものは無敵なので、
傷が見る見るうちに再生していく。

最愛の人にしまった自分の行為、自分が偽者でクリスには受け入れられないと
悟って自殺までしてしまった奥さんをみて、クリスは精神的限界まで追い詰められてしまう。

惑星ソラリス・ステーションには、クリスよりも先にこの惑星の研究を行うために、
何人か滞在していたが、皆同じ「現象」に遭遇していた。
ある朝、奥さんの寝顔を横目に惑星ソラリスの海が見える展望台に出たクリスは、
同じ研究者であるスナウトにこう話す。

「必要でないものは有害であると言えるだろうか?-そうではない、絶対に違う。」
「今まで我々が愛したものは、自分とか女だとか祖国だとかで、
人類だとか世界には手が届かなかった。」
*「我々は初めて人類愛というものに触れようとしている。」
この映画の監督アンドレイ=タルコフスキーという人の映画は、
この重たい命題を解決するためにずっとずっと映画を撮り続けた。
上に書いた最後の言葉がもつ重み、
同じ悩みを持っている私にはよく分かった。
つまり、倫理的な課題を解決しなければ、人類は何も変らないということ。
私の場合の悩みは、私とあなたは違うというそのこと。
これを解決しなければ、宗教が違うことで戦争が起こったり、
嫉妬や憎しみがなくなることはない。
簡単なようで、そのことを人に伝える、説得することはとても難しいと思う。
私にできるだろうか。
今回『新世界より』を読んでいて、惑星ソラリスが出てくるなんて、
私、この映画に完全に洗脳されているのかもしれないね。
今週はじめから電車の中で読んでいた本で、
とても面白かった本をご紹介します。
※以下、ネタバレの内容が含まれます。
『新世界より』 著・貴志祐介

SF・超能力物のストーリーで、お話の展開が面白いです。
所々、この人は嘘をついているんじゃないかとか、口封じのために殺された!?
みたいなサスペンスチックな謎賭けがありますし、
上・中・下巻の3巻構成だけれども、
全然重たい話じゃないです。長編が読めない人でも読めるんじゃないでしょうか。
簡単な粗筋を書くと。
1000年後の日本のお話で、
その未来の世界では、人間は念動力(小説中では呪力と呼ばれる)が使えるようになっているが、
それ故に外部から完全に隔離された世界に住んでいた。
呪力の制御ができない子供達は大人達から記憶操作や、催眠術によって呪力を抑制されていた。
世界の外側には、危険で低脳な化け物が住んでいると教えられ、
外の世界の真実を全く知らないで生きていく。
夏休みの課題授業で、偶然外の世界に出てしまった主人公達は、
過去の近代文明の滅亡の歴史を知ってしまったことで、
今の世界の成り立つを知る。
能力者と非能力者の戦争があったことを。
能力者たちの圧倒的な力で世界の秩序が崩壊してしまったことを。
外の世界にいる化け物たちが生まれた理由を。
そして、ほぼ時を同じくして世界の秩序が変ろうとしている。
読ませるのが上手い。
こんな長いお話を最後まで、今の時代の飽き性な若者に読ませるか^^;
念動力という凄まじい力を持った人類だが、
最後の最後は、自分達にも制御ができなくなってしまう。
今の世の中の核兵器と同じだよね。
昔のSFを思い出してみると。。
小説ではないけど、私の好きな映画『惑星ソラリス』だと、
無理やり姉に見せたら15分ぐらいで寝てしまったよ~~(><)

なんか同じシーンがアングルも変らず2分間ぐらい静止画のような光景を見せられるんだよね。
この映画は。。そりゃ寝るのも無理ないわ。
昔の映画は見せ方というのは洗練されてなかった。(撮影技術の限界があったんでしょうけど)
私がこの映画がすごく好きなのは、強い探究心・想像力を持っているからだと思う。
惑星ソラリスというのは、その名の通り惑星なんだけど、
知能を持った惑星という設定で、意思を持った惑星。
その惑星は、接近する人類の特徴である「感情」を理解しようとする。
惑星ソラリスの研究ステーションから連絡が途絶え、
地球から来た主人公クリスが見たものは、
昔自分の過ちから死なせてしまった奥さんの姿だった。
見た目は、自分の最愛の人だけども、それは明らかに偽者だ。
まず最初にクリスがしたことは、
偽者の奥さんを無理やり脱出ポッドで船外排出してしまう。
最愛の人に対してしてしまったことで、良心の呵責に悩むが、
次の日になって奥さんが何もなかったかのようにクリスの前に現れる。
奥さんも自分が偽者だということに気付き始める。
クリスが夜通し眠らなくなって精神的限界に来ているのを見かねて、
液体酸素を呑んで、自殺を図る。
だが、惑星ソラリスが作った人に似せたものは無敵なので、
傷が見る見るうちに再生していく。

最愛の人にしまった自分の行為、自分が偽者でクリスには受け入れられないと
悟って自殺までしてしまった奥さんをみて、クリスは精神的限界まで追い詰められてしまう。

惑星ソラリス・ステーションには、クリスよりも先にこの惑星の研究を行うために、
何人か滞在していたが、皆同じ「現象」に遭遇していた。
ある朝、奥さんの寝顔を横目に惑星ソラリスの海が見える展望台に出たクリスは、
同じ研究者であるスナウトにこう話す。

「必要でないものは有害であると言えるだろうか?-そうではない、絶対に違う。」
「今まで我々が愛したものは、自分とか女だとか祖国だとかで、
人類だとか世界には手が届かなかった。」
*「我々は初めて人類愛というものに触れようとしている。」
この映画の監督アンドレイ=タルコフスキーという人の映画は、
この重たい命題を解決するためにずっとずっと映画を撮り続けた。
上に書いた最後の言葉がもつ重み、
同じ悩みを持っている私にはよく分かった。
つまり、倫理的な課題を解決しなければ、人類は何も変らないということ。
私の場合の悩みは、私とあなたは違うというそのこと。
これを解決しなければ、宗教が違うことで戦争が起こったり、
嫉妬や憎しみがなくなることはない。
簡単なようで、そのことを人に伝える、説得することはとても難しいと思う。
私にできるだろうか。
今回『新世界より』を読んでいて、惑星ソラリスが出てくるなんて、
私、この映画に完全に洗脳されているのかもしれないね。