彼と彼女の向こう側

わたしは彼で、彼はわたし。

わたしは彼と融合して、人間臭さを消したかったのだ。

喫茶店でテーブルを同席するのが、同性かどうかで

居心地の良さも変わると思う。

異性が近くにいると、やっぱり気をつかっちゃうし。

そういうやりにくさ、人間臭さを消したかったのだ。

もし私が高校受験に失敗していたら・・・

わたしは誰かに守られていると思う。
というのも、わたしの人生で一番の挫折となる予定だった高校受験が、
わたしの努力以上の成果を残したからだ。

わたしは中学２年までは努力をしていた。
しかし、残りの１年は、わたしの、自分の力で上り詰めたのではなかった。
それは１年の半分以上学校、塾には行ってなかったし、
その間勉強もまったくしていなかったからだ。
そんな人間が受験に勝つことができるわけがない。

あのとき、受験票をもって、合格者発表の掲示板の前で
涙をのんでいたら、どうなっていたか？

あのまま２、３年は無為の生活を送っていたであろうし、
今の生活もなかったはずだ。
なにより貯蓄もなく、堂々とした社会人にはなっていなかったと思う。

単純作業を好む、ライン工になっていただろうし、
一部の趣味を愛好する、視野の狭い人間になっていたと思う。

この「神の手」とも言える力を皆感じて生きているのかもしれない。
自分の意思（フォース）を感じるようになりたい。