白樺小舎便り(しらかばごやだより)

北信濃の田舎暮らしの日々

棚田の田植え

2013年06月01日 21時34分19秒 | 日記

棚田のオーナーになって何年になるだろう。

日本のふるさとの原風景のような中条村の小さな棚田。

今はもう長野市と合併してしまったが、それでも田んぼの会は続いている。

会長とともに田んぼの会で頑張ってくれていた補佐役の人が75歳で急逝され、会の存続自体が危ぶまれる中、古くからの棚田のオーナーから存続を望む声があって、80歳になる会長さんも決断したのだそうだ。

で、今日は棚田の田植え。

遠く東京や埼玉から来る人たちもいる。

田んぼの水は暖かくてはだしで入るととても気持ちがいい。

今ではほとんど機械で植えてしまうが、弥生時代から日本人が続けてきたやり方で稲を植えられるというのはなんという幸せだろう。

現代では毎日食べるコメがどのように作られるのか知らない子供たちがたくさんいるのだろう。

我が家も子供たちが小さい頃一緒に田植えや稲刈りに連れてきたが、今では一人立ちして夫婦二人だけの参加だ。

総勢十数人。小さな田んぼはあっという間に田植えが済んでしまう。

その後は”おこびれ”の時間。

田んぼの会のおかあさんたちが作ってくれたごちそうでひとやすみ。

 

 

 

 

どんな高級料亭でも味わえないであろう素朴で深い味わい。これを食べるだけでも参加する価値がある。

田植えを終えたばかりの田んぼの縁で過ごすこのような時間は、日々、パソコンの前で仕事をしているぼくにとっては自分が人間取り戻す大切な時間。

田舎に住んでいるぼくにとってさえそうなのだから、都会の人たちにとってはなおさらそうなのだろう。

その後は近くのやきもち家で温泉に入り、直会。

 

田んぼの会の柱に一人だった方が亡くなられて、会長は心底ガックリきているようだ。

みんなで黙祷のあと、乾杯。

久々に合う人達と色んな話をする。住むところも職業も年齢も趣味も違う。

それでもみんなとても気持ちのいい人たち。

秋の稲刈りでの再会を約束して帰途に就いた。