蕎麦遺産

未来の世代に引き継ぐべき「蕎麦」に関するあらゆる情報を調査し、「蕎麦遺産」として登録しています。

藪伊豆総本店(中央区日本橋)の「せいろランチ」

2008年12月16日 | 蕎麦屋(都内)
【平成20年12月某日 調査・登録】
 こちらの店「藪伊豆総本店」は、江戸時代の天保年間のはじめに「伊豆本」として創業しました。その後、明治15(1882)年に「かんだやぶそば」の暖簾に包含されることとなり、「藪」と「伊豆本」の「伊豆」を合わせ、「藪伊豆」の屋号で、藪のれん直系の分店となったとのことです。
 こちらの店は、女将さんの接客態度がとても親切丁寧で好感が持てます。また、奇数月に3階の座敷で「落語とそばの会」を開催しているそうです。


 店先の石臼粉挽小屋では、毎朝・夕の2回、自家製粉を行っています。粉挽きには、気泡を多く含み熱を吸収する蟻巣(アリス)石と呼ばれる特殊な石臼を用い、そばの味を落す原因となる粉やけを起こさないよう、ゆっくりと少しずつ回して製粉しているそうです。そして、挽きたての香り豊かなそば粉は、伝統の二八で打っています。


 場所柄や料亭風の店構えからは想像がつかないほど、品代の料金設定が良心的です。たとえば「せいろそば」はなんと420円です。
 そのような中でも、この「せいろランチ」は、冷たいそば2枚・海老天・野菜・かまぼこ・玉子焼きとテンコ盛りで構成されながら、1,050円とCPにとても優れた一品です。本格的な蕎麦と天ぷら、蕎麦屋の定番であるかまぼこや玉子焼きを堪能できます。




 仕上げは勿論「そば湯」です。「ごちそうさま」で店をあとにしました。


★藪伊豆総本店
  所在:東京都中央区日本橋3-15-7
  電話:03(3242)1240
  品代:せいろランチ1,050円

室町 砂場(中央区日本橋室町)の「天もり」「別製ざるそば」

2008年12月16日 | 蕎麦屋(都内)
【平成20年12月某日 調査・登録】
 こちらの店「室町砂場」は、明治2(1869)年に創業した老舗蕎麦屋です。店舗は純和風の造りで、庭を眺めながら伝統の味を賞味することができます。



 「室町砂場」は「天もり・天ざる」発祥の店としても有名です。江戸前のそばつゆにかき揚げが入っており、天ぷらの味わいがそばつゆに浸透し、蕎麦の旨さを一層引き出しています。
 映像は「天もり」で、「もりそば」は二番粉で打たれています。後掲の「ざる」に比べるとやや黒めなのが特徴です。




 そばの芯だけを挽いた更科粉(一番粉)を玉子でつないだ「別製ざるそば」は、腰の強さと仄かな甘さが絶品です。


 底が透けて見えるほどの上品な量で一枚を平らげるのはアッと言う間です


 仕上げは勿論「そば湯」です。「ごちそうさま」で店をあとにしました。


★室町 砂場
  所在:東京都中央区日本橋室町4-1-13
  電話:03(3241)4038
  品代:天もり1,450円、別製ざるそば650円