蕎麦遺産

未来の世代に引き継ぐべき「蕎麦」に関するあらゆる情報を調査し、「蕎麦遺産」として登録しています。

手打ちそば 石月(千代田区丸の内)の「焼き味噌」「もりそば」「玉子とじそば」等

2008年10月26日 | 蕎麦屋(都内)
【平成20年10月某日 調査・登録】
 この店「手打ちそば 石月」は、かつて京橋にあった蕎麦の名店「もりそば三日月」の店長を務めていた方が開店しました。

 店頭の暖簾(のれん)


 店頭ではガラス越しに誰もが手打ちの妙技を拝見できます。「もりそば三日月」から譲り受けたという石臼で、厳選された蕎麦の実(丸抜き)を毎朝挽き、丹念に手打ちしています。


 さあ、例によってまずは美味しいお酒からいただきましょう。
 季節は秋真っ盛り・・・秋にしか楽しめないお酒が、そう「ひやおろし(二度目の火入れをせずに出荷されたもの)」ですね。今日は春霞(美山錦)の「ひやおろし」をいただきました。円熟の秋の味わいを堪能できました


 そして、酒の肴には軽く炙った「焼き味噌」です。香ばしさと濃厚な味わいが酒に良く合います。



 さあ、「もりそば」をいただきましょう。本日の蕎麦は北海道雨竜町産(生産者:農事組合法人 元気クローラ組合、品種:キタワセ)の新そばです。蕎麦の香りが豊かでノド越しも最高、辛めのつゆとの相性もぴったりでした。ちなみに打ち方は二八です。



 「玉子とじそば」は、食感のよい手打ち麺が玉子の風味と三つ葉の豊かな香りと見事に融合し、美味なる逸品に仕上がっていました



 仕上げは勿論「そば湯」です。ごちそうさまでした。満足・満腹で店をあとにしました。


★手打ちそば 石月
  所在:東京都千代田区丸の内1-5-1 新丸ビル5階
  電話:03(5879)4680
  品代:焼き味噌400円、もりそば750円、玉子とじそば1,000円、春霞(特別本醸造)ひやおろしグラス750円

神田まつや(千代田区神田須田町)の「にしん棒煮」「鴨せいろう」「すだちおろしそば」等

2008年10月25日 | 蕎麦屋(都内)
【平成20年10月某日 調査・登録】
 この店「神田まつや」は明治17年創業の老舗蕎麦屋で、食通としても高名な作家の池波正太郎氏がこよなく愛した店として有名です。つけ汁は下町風に若干濃い目に仕上げられています。
 そば粉は、茨城県境町の「常陸秋そば」を中心に、北海道の雨竜や青森十和田の階上早生、長野妙高の霧下そば等を使用しているとのことです。石臼で挽いた「挽きぐるみ」を使い、つなぎには鶏卵を使用しています。また、麺はすべて「手打ち」というこだわりようです。

 連日、遠くから多くの蕎麦好きが集まるため、入店まで行列して待つのは当たり前の状況になっています。


 「生蕎麦」の看板


 風格ある店構え


 天井の大灯りと賑わう店内


 蕎麦の前に肴で熱燗・・・たまらない贅沢です。酒(菊正宗)に付いてくる「そば味噌」は、こちらの店のオリジナルで、香ばしい蕎麦の実が甘い味噌に和えられたもので酒によく合います。


 酒のアテにぴったりの「にしん棒煮」は少し甘めに煮込まれています。


 「鴨せいろう」は、10月1日から始まったばかりの季節モノです。
 打ちたて茹でたてで香り豊かな麺は歯ごたえとノド越しが最高ですが、その麺と風味豊かな鴨出汁のつけ汁とのコラボレーションが絶妙です。合鴨肉と柚子の香りや長ネギの甘みとのハーモニーも最高です



 つけ汁の中には、鴨肉だけでなく丸い「つくね」も見えます(下の方)。


 「すだちおろしそば」は、酢橘の独特の香気と爽快な酸味、そして大根のほんのりとした苦味が絶妙にマッチした逸品です。


 仕上げは勿論「そば湯」です。ごちそうさまでした。


★神田まつや
  所在:東京都千代田区神田須田町1-13
  電話:03(3251)1556
  品代:にしん棒煮750円、鴨せいろう1,600円、すだちおろしそば900円、御酒650円