ゆらゆら荘にて

このごろ読んだ面白い本

「本屋、地元に生きる」 さわや書店発

2023-05-20 | 読書日記

シレネが咲き始めています。

「本屋、地元に生きる」(栗澤順一著 2023年2月 角川書店刊)を読みました。

著者は
1世帯あたりの本の購入額が全国1位のまち盛岡
にある「さわや書店」の現役書店員。

1×365×15
1日に1店のペースで1年に365店が潰れ
それが15年続いている
それが書店の現状なのだという。

そんな状況を打破しようと挑戦し続ける著者
本を並べて待っているのではなく
本を持って出る
試みが語られる。

例えば「盛岡雑草フェスタ」
「身近な雑草のふしぎ」の著者を招いて
中津川沿いを散策して草を摘み、それを天ぷらにして食べる。
その後は著者の講演も設定した。

地方消滅が話題になった時には
「地方消滅における選択と集中とは」という講演を企画し
300人を集めた。

「もりおか家族のおいしいカレンダー」というイベントでは
幅広い年代の人に集まってもらうために
「自分たちがおいしいと思っている店」を紹介する日めくり
を作る活動を企画した。

脳卒中で亡くなる人が多いという岩手県
そこで塩分の少ない醤油を醤油屋に作ってもらって
辞典の背表紙のようなパッケージの醤油
「減塩新書 いわて健民」を売り出した。

有名な福田パンの社史を出版する手伝いをした。
(初代社長は稗貫農学校で宮沢賢治の教え子だった)
出版された「福田パンものがたり」は売り上げ1位を記録した。

などなど
(ああ、なんて面白そう)


ふと考えてみる…
どんな時に本が買いたくなるだろう?
記憶に残る出会いをした時
だと思う。

 

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