ゆらゆら荘にて

このごろ読んだ面白い本

「わたしのeyephone」 三宮麻由子

2024-06-23 | 読書日記

「わたしのeyePhone(三宮麻由子著 2024年5月 早川書房 198p)を読みました。

4才の時に視力を失った著者が
相棒のスマホに助けられて
生活が変わっていく様子が語られています。

(閑話休題
目が疲れると
テレビを「聴くだけ視聴」にして休む。
ほとんどの番組は、そんなに不自由はない
のだけれど
大好きな「フロンティア」(NHK)には困っている。
外国語を話す学者さんの言葉を
字幕にはしてくれるけれど、声の吹き替えはしないからだ。
ハイセンスな番組を目指してる?のかもしれないけれど
字幕を読むことに困難がある人は困っているだろうな〜)

著者は目の見えない人をシーンレスと呼ぶ。
高校生の時アメリカに留学し
帰って来て大学、大学院を出て
外資系通信社で報道翻訳の仕事をしながらエッセーを出版し
趣味は俳句とピアノ
野鳥の声数百種を聞き分ける。

そんな著者も、ひとりぐらしでは困ったことだらけ。
それをスマホが助けてくれる。

例えば食品の賞味期限
レトルト食品などは
誰かに読んでもらって
それを点字で打って貼って
それでも取れてしまっていたり…
だったのが
スマホをかざすだけで読み上げてくれるようになった。
問題はその位置
「企業のみなさんには
できれば賞味期限の表示場所を統一し
大きく見つけやすい表示にしていただけたらとお願いしたい」
と著者は言う。
(そういえば、まるで知られたくないかのように小さいですよね)

「できればシーンレス当事者や高齢者が
実際に読めるかを検証していただけたら最高なのだけど……」と。

何よりも
スマホによって
いつもしてもらう立場だった自分が
他の人のためにスマホで情報を得て
それを伝えたり
代わりにしてあげるようになったのが嬉しい
と著者は言う。

新聞の投稿短歌にあった。
「すみませんは借金未済が語源とう 施設に入り借りるばかりで」

 

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