裏庭のカタクリに
つぼみがついています。
「金木犀とメテオラ」がよかったので
安壇美緒の一つ前の作品(デビュー作)
「天龍院亜希子の日記」(2018年3月 集英社刊)を読みました。
文庫版の表紙がこちら↓
こうして文庫版の表紙を見ると
主人公譲を取り巻女性たちの物語だったのだな
これは
と思わせられる。
(筆者は書いていないことを読者に感じさせるのが実に上手い)
何となく付き合っていた早夕里は
父親が倒れた
というので会社を辞めて名古屋に帰ってしまっている。
会社の同期のふみかとは
たまに呑んで
愚痴をこぼし合う間がらだ。
ふみかが嫌っている先輩社員の岡崎は
女子社員のイジメの標的だ。
結婚して
小さい子供がいて
時短勤務をしていて
子供の病気でしょっちゅう休む岡崎の分の仕事が回ってくるのが
気に入らないのだ、ふみかは。
譲の周囲にいる女性たちの中で
一番遠い存在なのが天龍院亜希子。
譲は
何となく同級生の名前検索をしていて
小学校の同級生の亜希子の日記(ブログ)
(名前をからかって泣かせたことがある)
に出会う。
亜希子の日記は
しんとしている。
「獺祭というお酒を買う。
ダッサイ、と読むらしい。
高いお酒らしく、確かに美味しい。
美味しいというか、他の日本酒をよく知らないけれどこれは美味しいなという気がした。
ダッサイってなんですか、と尋ねると、かわうそのいたずらだという……」
という調子で
主語のない人が見え隠れする。
大きな事件が起こるわけではない。
会社でのあれこれ
恋人とのあれこれ
がゆるゆると描かれる
だけ。
ストーリーではないのだな
小説は。
と思わせられる。
つぼみがついています。
「金木犀とメテオラ」がよかったので
安壇美緒の一つ前の作品(デビュー作)
「天龍院亜希子の日記」(2018年3月 集英社刊)を読みました。
文庫版の表紙がこちら↓
こうして文庫版の表紙を見ると
主人公譲を取り巻女性たちの物語だったのだな
これは
と思わせられる。
(筆者は書いていないことを読者に感じさせるのが実に上手い)
何となく付き合っていた早夕里は
父親が倒れた
というので会社を辞めて名古屋に帰ってしまっている。
会社の同期のふみかとは
たまに呑んで
愚痴をこぼし合う間がらだ。
ふみかが嫌っている先輩社員の岡崎は
女子社員のイジメの標的だ。
結婚して
小さい子供がいて
時短勤務をしていて
子供の病気でしょっちゅう休む岡崎の分の仕事が回ってくるのが
気に入らないのだ、ふみかは。
譲の周囲にいる女性たちの中で
一番遠い存在なのが天龍院亜希子。
譲は
何となく同級生の名前検索をしていて
小学校の同級生の亜希子の日記(ブログ)
(名前をからかって泣かせたことがある)
に出会う。
亜希子の日記は
しんとしている。
「獺祭というお酒を買う。
ダッサイ、と読むらしい。
高いお酒らしく、確かに美味しい。
美味しいというか、他の日本酒をよく知らないけれどこれは美味しいなという気がした。
ダッサイってなんですか、と尋ねると、かわうそのいたずらだという……」
という調子で
主語のない人が見え隠れする。
大きな事件が起こるわけではない。
会社でのあれこれ
恋人とのあれこれ
がゆるゆると描かれる
だけ。
ストーリーではないのだな
小説は。
と思わせられる。