冬の前のひとやすみ
といった気候です。
「楽園の烏」(阿部智里著 2020年9月 文藝春秋社刊)を読みました。
前作から3年
八咫烏(脚が3本あるカラス)の世界では20年が経っている。
今作の主人公として出て来たのは
ギャンブルが趣味の煙草屋の主人
ワカメのような髪に無精髭
眠そうな垂れ目の安原はじめ
という男だ。
???
(この主人公で行くの?)
はじめは養父から山を相続する。
そこに
「幽霊」と称する
美しい若い女が現れ
はじめは山に連れて行かれる。
山は八咫烏の世界だった。
一族を統率するのは
前作では少年だった雪哉。
今は博陸侯雪斎という名の中年男になっている。
(雪哉が中年……)
雪斎の配下の頼斗という少年を案内役に
はじめが
雪哉の構築したシステムによって成る八咫烏の世界を見て回るのが
本作の縦糸。
その世界は、階層が出現している世界だ。
なぜ、雪哉は
こういう世界を創ったのか
……
中ほどまで読んでもまだ
誰に沿って読んでいけばいいのか分からない。
頼斗に見えていた世界は崩壊し
地下世界の将来を担う少年トビに見えていた世界も
また違うものだった。
では
はじめに沿えばいいのか?
「憎悪は娯楽なのだよ」と言い放つ雪哉に沿えばいいのか?
二転三転どころではなく
四転も五転もする
展開に翻弄され
いつの間にか違和感を忘れ
この世界に浸かっていた……
というマジック。
新シリーズの1巻目にふさわしい出だしになっています。
ちょっとスラングが多いのは
敢えてしているのでしょうか。
といった気候です。
「楽園の烏」(阿部智里著 2020年9月 文藝春秋社刊)を読みました。
前作から3年
八咫烏(脚が3本あるカラス)の世界では20年が経っている。
今作の主人公として出て来たのは
ギャンブルが趣味の煙草屋の主人
ワカメのような髪に無精髭
眠そうな垂れ目の安原はじめ
という男だ。
???
(この主人公で行くの?)
はじめは養父から山を相続する。
そこに
「幽霊」と称する
美しい若い女が現れ
はじめは山に連れて行かれる。
山は八咫烏の世界だった。
一族を統率するのは
前作では少年だった雪哉。
今は博陸侯雪斎という名の中年男になっている。
(雪哉が中年……)
雪斎の配下の頼斗という少年を案内役に
はじめが
雪哉の構築したシステムによって成る八咫烏の世界を見て回るのが
本作の縦糸。
その世界は、階層が出現している世界だ。
なぜ、雪哉は
こういう世界を創ったのか
……
中ほどまで読んでもまだ
誰に沿って読んでいけばいいのか分からない。
頼斗に見えていた世界は崩壊し
地下世界の将来を担う少年トビに見えていた世界も
また違うものだった。
では
はじめに沿えばいいのか?
「憎悪は娯楽なのだよ」と言い放つ雪哉に沿えばいいのか?
二転三転どころではなく
四転も五転もする
展開に翻弄され
いつの間にか違和感を忘れ
この世界に浸かっていた……
というマジック。
新シリーズの1巻目にふさわしい出だしになっています。
ちょっとスラングが多いのは
敢えてしているのでしょうか。