「酒を主食とする人々 エチオピアの科学的秘境を旅する」(高野秀行著 2025年1月 本の雑誌社 275p)を読みました。
酒を主食とする人々がいる
という。
朝食も、夕食も酒、ティータイムも酒
大人も、子どもも(表紙写真)、妊婦も酒を飲むって
本当?
かどうか確かめる旅に出る高野さん。
(高野さんの旅なら面白くないはずはない)
本当に食事のように酒を飲むのかを確かめるには
滞在するしかない。
(今回はテレビ番組のためのロケ)
最初に滞在したのはコンソという地域のマチャロ村
村は石垣に囲まれ、門から入る仕組み
うねうねとした道も石で畳まれている。
(ゴツゴツして歩きにくい)
家は丸い壁に円錐状の屋根が掛かった椎茸のような形
のものが数棟で一家族分になっている。
村には木のポールが10本あり
18年毎に一本立てるというから
この村の歴史は180年ほどになるらしい。
(遊牧民に追われて、この地域に来たらしい)
村で飲まれている酒はチャガ
みんなで戸外に座って
ひょうたんを切った器で回し飲みをする。
年齢が上の人から順に
一口二口飲んだら飲み口を指で拭いて次に回す。
酒は、酸味の強いヨーグルトのような感じだ……
旅はアクシデントも色々
でも
高野さんの人柄か
1軒目の家の長女にも
2軒目の家の家長夫人にも愛されて
何くれと世話をしてもらうようになる。
固形物をほとんど食べない生活によって
高野さんの体調は
ここ数年で最も良い状態になる。
穀物団子は日持ちが悪い
生水はそのまま飲めない
そんな条件下では
調理をしなくても(火をおこさなくても)常にあり
腐敗の心配のない
栄養価の高い「酒」は
必要十分な食べ物なのかもしれない
と高野さんは考える。
1件目の家の長女とは
今もメールを交換しているそうです。