101回目の決勝は2年連続5回目の出場、縦に早い戦術、シードではなく1回戦からの参加、どちらが勝っても府県初優勝など共通点の多いチーム同士の試合となった。
しかしながら開幕前から青森山田、大津が残った準決勝まで誰がこの決勝カードを予想できただろうか。
岡山学芸館は選手同士の距離を詰め素早く寄せるボール奪取と足下の技術を活かした細かなパスワークで東山ゴールに迫った。対する東山はセレッソ大阪内定のU18代表阪田を擁しピッチを広く使うポジショニングから強いフィジカルと縦へのミドルパスでスピーディーに岡山学芸館ゴールに向かった。
試合が動いたのは25分、岡山学芸館のFW今井 拓人が右サイドから持ち込み東山のペナルティエリアへボールを送る。このボールを東山のキャプテンDF新谷 陸斗がスライディングで押し込みオウンゴールとしてしまった。
先制した岡山学芸館が主導権を握るかと思われたが、バックパスでGKに渡し前線までショートカットする東山の戦術により岡山学芸館はボールを追うシーンが増えた。
44分、東山の真田がペナルティエリア手前から打ったミドルシュートがゴールに突き刺さり1-1の同点となった。
前半終了間際に追いついた東山が主導権を握るかと思われた後半。
岡山学芸館は素早い寄せで東山からボールを奪うと連動した動きで東山ゴールに迫った。
52分、163cmの岡山学芸館MF木村 匡吾が正確なヘディングシュートを決め再びリードする。
さらに88分岡山学芸館のスローインのチャンス。スローインのボールをペナルティエリア内で東山MF松橋が競り落とした。岡山学芸館のMF木村 匡吾は右から足下に跳ねてきたボールに対し右足を振り抜きボレーシュートを打った。このボールが東山ゴールに突き刺さり2点差とした。
アディショナルタイム3分も東山は決定機を作れず追加点を奪えなかった。
試合は3-1で終了。2点リードを保った岡山学芸館が5度目の出場で岡山県初となる全国制覇を成し遂げた。
東山はシュート数で10対6(両チーム中最多は東山真田の4本)と数字上は上回っているが岡山学芸館とは大きく異なっていた。連動した動きの中からのシュートはなく得点を決めた真田のゴールを含め苦し紛れに蹴りこんでいただけだった。また枠を捉えたシュートも半数程度で決定機を活かしきれなかったことが敗因だった。