三酔人の独り言

ルポライター・星徹のブログです。歴史認識と国内政治に関わる問題を中心に。他のテーマについても。

抱きつく公明、高ぶる自民 閣議決定

2014-06-19 15:53:00 | 国内政治
 自民・公明両党は、「憲法解釈変更による集団的自衛権の行使容認」を含む閣議決定に向けて、秒読み段階に入ったようだ。

 「共同通信」2014.6.19「集団的自衛権を憲法許容 閣議決定案の全容判明」

 「毎日新聞」2014.6.19web「集団的自衛権:自公が党首会談・・・閣議決定の時期協議」

 閣議決定の文言に関しては、まだ流動的のようだ。しかし、「流動的」なのは、主従関係で言えば「従」にあたる事柄にすぎない。「主」はあくまでも「憲法解釈変更による集団的自衛権の行使を(「限定的」と言おうとも)認める」ことであり、この「主」論点に関しては、公明党はもう陥落しているのだ。

 そもそも、公明党は早い段階(*今年初め頃?)から、「連立離脱はあり得ない」旨を繰り返し公言してきた。一切の限定を付けずに。

 「憲法解釈変更による集団的自衛権の行使」に関しては、「認める」(*「限定的に」も入る)か「認めない」かの2択しかない。

 だから、安倍首相一派(*自民党首脳を含む)がこの閣議決定に突っ走れば(①)、公明党は、②閣議決定を拒否して連立政権を離脱する ③安倍首相一派の要求を受け入れる──の選択を迫られることは、自明のことだった。

 上述のように、公明党は②を「封印する」旨を公言し続けた。公明党は、①の前提が「崩れる」又は「先延ばしになる」ことを望んだ(*願望)。しかし、自公協議の途中で、この線(*①の否定)はほぼ無いことが分かった。

 公明党はこの段階で、「②に転換する」又は「②への転換を匂わせ、実際にその準備もする」路線に転換するのでなければ、「③を選択せざるを得なくなる」事は明白だった。そして実際、①→③という流れで進んでいる。

 それでも、現実は、公明党が考えるほど甘いものではなさそうだ。公明党の「地獄にでも付いて行きます」との姿勢が明白になった今、安倍首相一派は当然のように、公明党への要求水準を引き上げてくる。

 「毎日新聞」2014.6.19web「閣議決定原案:集団安保参加へ修正 自民検討、溝拡大」

 安倍首相一派は、当初は封印するつもりだった「集団安全保障関連の武力行使」についても、閣議決定に盛り込もう、と動き始めたようだ。ただし、これは「見せ球」かもしれないが。
 

 公明党は、やはりどこまでも安倍首相一派の「下駄の雪」であり続けるのか? もしそうならば、公明党は「国民のための政治」ではなく、「公明党のための政治」を追求している、という事だと思う。

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