民主党の海江田万里代表は、今衆院選での「敗北」と自身の落選を受け、辞任を表明した。党代表選は近日中に行なわれる予定だ。民主党は、来年1月召集の通常国会に新体制で臨むことになる。
「東京新聞」「中日新聞」2014.12.16社説「海江田民主代表辞任 解党的出直しの機会に」は、この事に関して以下のように述べている(*抜粋)。
<特に、原発、集団的自衛権など党内に幅広い意見を抱える問題について意 . . . 本文を読む
国民の多くにとって、政界再編など政局がらみの動きは、気になるものだ。しかし、重要なのは「どういった政策の下で再編されるのか」という事であり、「単なる数合わせ」では私たちにとって有害無益だろう。
日本維新の会(*以下「分裂前の」として論じる)にしても、みんなの党にしても、「日本社会の根源にある近代立憲主義を重視している」とは私には見えない。「政局がらみの動き」(A)や「安全保障関連での安倍首相 . . . 本文を読む
集団的自衛権行使に関する衆参両院での“論戦”が、2014.5.28-29に初めて行なわれた。野党の民主・共産・維新・みんな・生活・結い・社民の各党議員らが安倍晋三首相に質問し、首相はこれらに応えて答弁した。
当ブログで繰り返し述べているように、この問題での現在の中心的論点は、「憲法解釈変更による集団的自衛権の行使容認の是非」(A)であり、「集団的自衛権の行使容認の是非」(B)ではないのだ。
. . . 本文を読む
「朝日新聞」2014.2.23(朝刊)「集団的自衛権 民主が対案へ 議員立法検討」(二階堂友紀)は、次のように報じている。
<民主党の海江田万里代表は、安倍政権が目指す集団的自衛権の行使容認への対案として「国家安全保障基本法案」を議員立法で提出する検討に入った。必要最小限の自衛権の範囲を明確にすることで、憲法解釈変更に歯止めをかけ、国会論戦に持ち込む狙いがある>
海江田代表は当初、「解釈改 . . . 本文を読む
民主党(日本)の党大会が、今日から2日間(2014.2.8-9)開かれる。
民主党は、一昨年(2012年)12月に政権党から野党に転落し、それ以降はパッとしない(*支持率が低空飛行)状態が続いている。昨年12月に特定秘密保護法案が安倍内閣と与党のゴリ押しで成立した前後には、一時的に支持率が伸びた。しかし、その後すぐに元の「ジリ貧」状態へ。
「毎日新聞」2014.2.8社説「民主党大会 瀬 . . . 本文を読む
当ブログで、日本再建イニシアティブ著『民主党政権 失敗の検証』(中公新書/2013.9.25発行)について9回(①2013年10/9 ②10/11 ③10/13 ④10/16 ⑤10/20 ⑥10/22 ⑦10/25 ⑧10/27 ⑨10/30)にわたって取り上げた。
この書籍の参考文献としてたびたび取り上げられたのが、薬師寺克行『証言 民主党政権』(講談社/2012年10月発行)だ。
■ . . . 本文を読む
今回の「⑨(最終回)」では、日本再建イニシアティブ著『民主党政権 失敗の検証』(中公新書/2013.9.25発行)の終章「改革政党であれ、政権担当能力を磨け」(船橋洋一/日本再建イニシアティブ理事長)を取り上げる。また、最後に「本書全体の感想」を若干記す。
(1)民主党の国会議員たちの利点と弱点(P271-272)
①利点
政策を論じることに熱心。「政策オタク」を自認する議員も多かった。
②弱 . . . 本文を読む
今回の「⑧」では、日本再建イニシアティブ著『民主党政権 失敗の検証』(中公新書/2013.9.25発行)の第7章「選挙戦略──大勝と惨敗を生んだジレンマ」(フィリップ=リプシー/スタンフォード大学政治学部助教授、同大アジア太平洋研究センターフェロー)を取り上げる。
*ここでは、根源的な問題だけを取りあげ、具体的な選挙動向などについては取り上げない。
(1)過剰な支持基盤拡大の後遺症(P239-2 . . . 本文を読む
今回の「⑦」では、日本再建イニシアティブ著『民主党政権 失敗の検証』(中公新書/2013.9.25発行)の第6章「政権・党運営──小沢一郎だけが原因か」(中野晃一/上智大学国際教養学部教授、当プロジェクト座長)を取り上げる。
(1)「小沢対反小沢」?
「実際には、それほど単純な構図には収斂できない」(P195)
(2)政府与党一元化構想
①根本的問題(P211)
与党入りしないで党側に残る議員 . . . 本文を読む
今回の「⑥」では、日本再建イニシアティブ著『民主党政権 失敗の検証』(中公新書/2013.9.25発行)の第5章「子ども手当──チルドレン・ファーストの蹉跌」(萩原久美子・下関市立大学経済学部国際商学科教授)を取り上げる。
(1)子ども手当とは?(P159)
民主党2009年衆院選マニフェストの看板政策。1年目は子ども(出生から中学校卒業まで)1人あたり月額13,000円、2年目以降は26,00 . . . 本文を読む
今回の「⑤」では、日本再建イニシアティブ著『民主党政権 失敗の検証』(中公新書/2013.9.25発行)の第4章「外交・安保──理念追求から現実路線へ」(神保謙・慶応義塾大学総合政策学部准教授)を取り上げる。
(1)鳩山政権が短命に終わった原因
「民主党政権が自らの外交・安全保障政策を「選挙の力学」から「統治の力学」へ転換できなかったこと」(P127)
【感想・考察】
まあ、大枠ではそういうこ . . . 本文を読む
今回の「④」では、日本再建イニシアティブ著『民主党政権 失敗の検証』(中公新書/2013.9.25発行)の第3章「経済と財政──変革への挑戦と挫折」(田中秀明・明治大学公共政策大学院ガバナンス研究科教授)を取り上げる。
(1)2009年衆院選マニフェストを実行するための方法(P88)
①国家戦略局による予算骨格の策定
②行政刷新会議による予算や制度の見直し
③閣僚委員会による調整
(2)民主党 . . . 本文を読む
今回の「③」では、日本再建イニシアティブ著『民主党政権 失敗の検証』(中公新書/2013.9.25発行)の第2章「政治主導──頓挫した「五策」」(塩崎彰久/長島・大野・常松法律事務所パートナー弁護士)を取り上げる。
Ⅰ 民主党2009年マニフェストの五原則五策
(1)五原則五策の作成過程
少数の党内「専門家」(松井孝治参議院議員[元通産官僚]が中心)によって練り上げられた(P50)
(2)五原 . . . 本文を読む
当ブログ2013.10.9「『民主党政権 失敗の検証』(中公新書)から学ぶ①」で、日本再建イニシアティブ著『民主党政権 失敗の検証』(中公新書/2013.9.25発行)の全体像と「序章」について取り上げた。
今回の「②」では、第1章「マニフェスト──なぜ実現できなかったのか」(中北浩爾・一橋大学大学院社会学研究科教授)について取り上げる。
(1)なぜ民主党政権は政策面で低い評価しか得られなかっ . . . 本文を読む
4年少し前の2009年8月末、総選挙で民主党が圧勝し、民主党政権(社民党・国民新党との連立)が誕生した。当時の国民の多くは、「国民の生活が第一」「コンクリートから人へ」といった民主党のスローガンに熱狂し、リベラルで社民主義的政策に期待した。
しかし、その「熱狂」と「期待」は、徐々に「落胆」へと変わって行った。なぜそうなってしまったのか?
国民の多くは、今では自民党・公明党が連立する安倍晋三政権 . . . 本文を読む