2か月ほど前、植木千可子『平和のための戦争論~集団的自衛権は何をもたらすのか?』(ちくま新書/2015年2月)を読んだ。「安全保障に関する基本を確認しつつ、現在進行中の問題に当てはめて考える」という点では「役立つ本」だな、と思った。
■植木千可子(うえき・ちかこ) 早稲田大学教授。マサチューセッツ工科大学(MIT)国際研究センター・安全保障プログラム客員研究員。専門は国際関係と安全保障。
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「東京新聞」2015.5.27(朝刊)「政府命名「平和安全法制」」(大杉はるか)は、リード文で次のように伝える。
<政府と野党は26日の衆院本会議で、安全保障関連法案の名称をめぐり論争した。政府が法案全体を「平和安全法制」と名付けたのに対し、民主党の枝野幸男幹事長は「『国際軍事協力法案』とでも称するのが正直な姿勢だ」と批判。共産党の志位和夫委員長は「日本を海外で戦争する国につくりかえる『戦争法 . . . 本文を読む
安倍晋三政権が今国会で成立を目指す新たな安全保障法制をめぐり、安倍首相と中谷元(げん)防衛相は、重要問題について異なる説明をする場面が出てきた。
「朝日新聞」2015.5.23(朝刊)「自衛隊のリスク増大? 他国で武力行使可能? 首相と防衛相 発言に違い」は、次のように伝える。
*下線は、後の考察のために引用者(星徹)が付けた。
<中谷氏は22日の記者会見で、「他国領域での武力活動が新3 . . . 本文を読む
昨日2015.5.20、今国会で初めての党首討論が行なわれた。「朝日新聞」2015.5.21(朝刊)「機雷除去は例外、首相強調 「一般に海外派兵は認められない」 安保法制巡り党首討論」は、次のように伝える。
*[ ]内は引用者(星徹)が補った。
<また岡田氏[*岡田克也・民主党代表]は、自衛隊がいつでも他国軍を後方支援できるようにする恒久法「国際平和支援法案」などによって、後方支援の際、 . . . 本文を読む
安倍晋三首相は2015.5.18の参議院本会議で、集団的自衛権を行使する要件に関して、「他国への武力攻撃の発生で、電力不足によるライフラインの途絶が起こるなど国民生活に死活的な影響が生じ、わが国が武力攻撃を受けた場合と同様な状況に至る可能性はあり得る」と述べた。
「東京新聞」2015.5.19(朝刊)「集団的自衛権 「電力不足も該当」」
集団的自衛権の行使が認められるのは、「2014.7 . . . 本文を読む
昨日2015.5.14、与党(自民・公明)で合意した安全保障法制案(*関連11法案)を閣議決定した。その後、安倍晋三首相は記者会見に臨んだ。
「朝日新聞」2015.5.15(朝刊)「法案閣議決定 国会審議へ 政権、安保政策を大転換」
安倍首相の発言の中で、次の①②が特に印象に残った。
「米国の戦争に巻き込まれると不安をお持ちの方に申し上げる。絶対にありえない。日本が武力を行使するのは、 . . . 本文を読む
与党である自民・公明の両党は、昨日2015.5.11の協議で、新しい安全保障法制案(*11法案)の内容で正式に合意した。
「東京新聞」2015.5.12(朝刊)「安保法制の全条文 与党合意 戦闘参加 厳格基準示さず」
この法制案の中身については、上記新聞記事などを参照されたい。全体の印象としては、「朝日新聞」2015.5.12社説「安保法制の与党合意 戦後日本の危うい岐路」の以下部分で述 . . . 本文を読む
【Aの流れ】
安倍晋三政権と与党(自民・公明)は、昨年7月に「憲法解釈変更による集団的自衛権の行使容認」を含む閣議決定(「2014.7.1閣議決定」)を行ない、憲法9条を「半骨抜き」状態にしてしまった。それまで50年以上に渡り「できない」としてきた集団的自衛権行使の一部を「できる」と真逆に変更してしまったのだ。
このゴマカシとデタラメについては、当ブログで繰り返し批判してきた。例えば以下。
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「朝日新聞」は少し前、慰安婦問題や福島原発事故の報道でヘマをやらかし、日ごろから「朝日」批判の機会を窺っていた人たちから「ここぞ」とばかりに「非難の嵐」を受けた。安倍晋三首相を頂点とする政治権力側(*安倍首相一派)からも、同じような攻撃を受けた。こういった攻撃は、現在でも続いている。
「朝日新聞」には、反省すべき所は反省し、正すべき所はしっかりと正してもらいたい。しかし、政治権力側からの攻撃 . . . 本文を読む
明日5/3は憲法記念日だ。これに合わせて、各種メディアは憲法問題を含む世論調査結果を発表している。以下は「朝日新聞」(2015年3~4月、郵便調査)と「共同通信」(2015.4.29-30、電話調査)について。
「朝日新聞」2015.5.2(朝刊)「憲法改正不要48%、必要43% 朝日新聞社世論調査」
「47NEWS」2015.4.30「新防衛協力指針、反対が上回る 共同通信社世論調査」
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