日本政府は、米国との軍事一体化をさらに進める流れに沿って、今国会での特定秘密保護法案の成立を目指している。この動きと並行して、米情報機関による世界各国の要人(政治指導者など)への盗聴疑惑が報道され、世界的な問題となっている。
双方の問題の関係を、どう考えたらよいのだろうか?
「東京新聞」2013.10.31(朝刊)「米盗聴疑惑 政府、及び腰の対応」は、この関係をうまく捉えた記事だ。
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今回の「⑨(最終回)」では、日本再建イニシアティブ著『民主党政権 失敗の検証』(中公新書/2013.9.25発行)の終章「改革政党であれ、政権担当能力を磨け」(船橋洋一/日本再建イニシアティブ理事長)を取り上げる。また、最後に「本書全体の感想」を若干記す。
(1)民主党の国会議員たちの利点と弱点(P271-272)
①利点
政策を論じることに熱心。「政策オタク」を自認する議員も多かった。
②弱 . . . 本文を読む
憲法・メディア法研究者142人と刑事法研究者123人が、2013.10.28に特定秘密保護法案に反対する声明をそれぞれ発表し、合同で記者会見した。
「Our Planet-TV」2013.10.28「秘密保護法案「現代の治安維持法だ」~学者ら反対声明」
*両「声明文」はHP内へ
「東京新聞」2013.10.29(朝刊)「秘密保護法案 265人反対 憲法の3原則侵害」
同日付「東京新 . . . 本文を読む
共同通信社が2013.10.26-27に実施した全国電話世論調査の結果が発表された。
「47NEWS」2013.10.28「秘密保護法反対が過半数 汚染水「制御」83%不信 共同通信世論調査」(共同通信)
「東京新聞」2013.10.28(朝刊)「秘密保護法案 懸念鮮明に 「慎重審議を」82% 共同世論調査」
安倍内閣への国民の支持率はまだ高いが、減少傾向にあるようだ。内閣支持は60.7 . . . 本文を読む
今回の「⑧」では、日本再建イニシアティブ著『民主党政権 失敗の検証』(中公新書/2013.9.25発行)の第7章「選挙戦略──大勝と惨敗を生んだジレンマ」(フィリップ=リプシー/スタンフォード大学政治学部助教授、同大アジア太平洋研究センターフェロー)を取り上げる。
*ここでは、根源的な問題だけを取りあげ、具体的な選挙動向などについては取り上げない。
(1)過剰な支持基盤拡大の後遺症(P239-2 . . . 本文を読む
当ブログ2013.10.23「特定秘密保護法案は何を意味するのか?」で、政府・自民党がなぜ特定秘密保護法案を成立させたいのか、について述べた。
簡単に言うと、「日米軍事一体化をさらに推し進めるため」ということだ。そしてその流れの中に集団的自衛権行使容認の動きがあり、さらにその先に憲法改定の動きがある、ということだ。
昨日10/25、安倍内閣は特定秘密保護法案を閣議決定し、国会に提出した。 . . . 本文を読む
今回の「⑦」では、日本再建イニシアティブ著『民主党政権 失敗の検証』(中公新書/2013.9.25発行)の第6章「政権・党運営──小沢一郎だけが原因か」(中野晃一/上智大学国際教養学部教授、当プロジェクト座長)を取り上げる。
(1)「小沢対反小沢」?
「実際には、それほど単純な構図には収斂できない」(P195)
(2)政府与党一元化構想
①根本的問題(P211)
与党入りしないで党側に残る議員 . . . 本文を読む
「東京新聞」「中日新聞」2013.10.23社説「「戦前を取り戻す」のか 特定秘密保護法案」は、政府が成立を目指す特定秘密保護法案の危険性・問題点を分かりやすく述べている。
政府・自民党は、同法案をなぜ成立させたいのか。日米安保体制は近年ますます強化され、「日米軍事一体化」の方向に今後さらに進んで行きそうな雲行きだ。現在の安倍晋三政権は、憲法解釈を変更することで集団的自衛権の行使容認へと舵を . . . 本文を読む
今回の「⑥」では、日本再建イニシアティブ著『民主党政権 失敗の検証』(中公新書/2013.9.25発行)の第5章「子ども手当──チルドレン・ファーストの蹉跌」(萩原久美子・下関市立大学経済学部国際商学科教授)を取り上げる。
(1)子ども手当とは?(P159)
民主党2009年衆院選マニフェストの看板政策。1年目は子ども(出生から中学校卒業まで)1人あたり月額13,000円、2年目以降は26,00 . . . 本文を読む
「東京新聞」2013.10.21(朝刊)「首相、私的諮問機関を多用 結論ありき 偏る人選」は、日ごろ私たちが「何かおかしい」と思っている問題にうまく答えている。
Web無料版では記事冒頭のほんの一部しか読めないので、以下に記事「概略」(*重要部分のみ)を記す[「概略」文責:星徹]。
(1)憲法解釈の変更など重要な政策課題について、安倍首相は私的諮問機関に委ねるケースが目立っている。
(2 . . . 本文を読む
今回の「⑤」では、日本再建イニシアティブ著『民主党政権 失敗の検証』(中公新書/2013.9.25発行)の第4章「外交・安保──理念追求から現実路線へ」(神保謙・慶応義塾大学総合政策学部准教授)を取り上げる。
(1)鳩山政権が短命に終わった原因
「民主党政権が自らの外交・安全保障政策を「選挙の力学」から「統治の力学」へ転換できなかったこと」(P127)
【感想・考察】
まあ、大枠ではそういうこ . . . 本文を読む
「朝日新聞」2013.10.19(朝刊)「私の視点」欄に美根慶樹「集団的自衛権 同調するなら、安保改正で」が掲載された。
美根慶樹(みね・よしき)氏は、外務省に入省後、アフガニスタン支援調整担当大使などを務めた。現在は、キャノングローバル戦略研究所の研究主幹。
同評論は、安倍首相周辺が目論む「集団的自衛権の解釈変更」の問題を考える際に、非常に役立つ視点を提供している。以下、私(星徹)の文 . . . 本文を読む
「朝日新聞」2013.10.18(朝刊)「オピニオン」欄に石田英敬さんインタビュー記事「「安倍さん」という気分」(聞き手=高橋純子記者)が掲載された。
【石田英敬】 いしだ・ひでたか、1953年生まれ。東京大学教授。専門は、記号学・メディア論。
石田教授は、㈱岩波書店発行の月刊『世界』2006年6~11月号(8月号除く)に短期連載「テレビ国家」(全5回)を連載した。その内容は、素晴らしいも . . . 本文を読む
今回の「④」では、日本再建イニシアティブ著『民主党政権 失敗の検証』(中公新書/2013.9.25発行)の第3章「経済と財政──変革への挑戦と挫折」(田中秀明・明治大学公共政策大学院ガバナンス研究科教授)を取り上げる。
(1)2009年衆院選マニフェストを実行するための方法(P88)
①国家戦略局による予算骨格の策定
②行政刷新会議による予算や制度の見直し
③閣僚委員会による調整
(2)民主党 . . . 本文を読む
「朝日新聞」2013.10.15(夕刊)「文芸/批評」欄に金明秀(キム=ミョンス)関西学院大学教授[専攻:計量社会学]の評論「「同化」求めるのも、差別」が掲載された。
昨今の日本における人種・民族差別問題を考える際に、非常に役に立つ視点を提供している。同評論の概略を以下に記す[「概略」文責:星徹]。
(1)「在特会」会員らによる京都・朝鮮学校側への街宣に対する民事訴訟[*京都地裁]で、今年 . . . 本文を読む