三酔人の独り言

ルポライター・星徹のブログです。歴史認識と国内政治に関わる問題を中心に。他のテーマについても。

加藤陽子『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』から学ぶ

2013-07-31 20:10:05 | 歴史認識・社会論
 以下、加藤陽子『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』(朝日出版社/2009年)から学ぶためのメモ。[ ]内は引用者(星)が補った。→以降は星の感想。  当ブログ2013. 7.24で、同氏の『戦争の日本近現代史』(講談社現代新書/2002年)を取り上げた。今回の『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』は、神奈川県の私立栄光学園(*中高一貫の男子校で超進学校)の中高生(*歴史研究部のメンバーが中心 . . . 本文を読む
コメント

中江兆民『三酔人経綸問答』から学ぶ

2013-07-30 20:00:32 | 外交・安全保障
 以下は、中江兆民(1847-1901年)『三酔人経綸問答』(岩波文庫/1965年/現代語訳・校注=桑原武夫・島田虔次)から学ぶためのメモ([ ]内は引用者(星)が補足した)。この著作(原文)は最初、1887年(明治20年)5月に東京集成社から出版された。  1880年代、日本は清国による朝鮮への影響力に反発し、またロシアの朝鮮進出を警戒しつつ、朝鮮への干渉を徐々に強めていった。国内的には、18 . . . 本文を読む
コメント

神奈川県教委も「歴史教科書」選定で高校に圧力?

2013-07-28 17:14:31 | 教科書・教育
 当ブログ2013.6.30「都教委逆ギレ 特定の教科書「選ぶな」の異常」と2013.7.17「大阪府教委も「歴史教科書」選定で高校に圧力?」で、実教出版(東京)の「高校日本史A」(近現代史中心)と「高校日本史B」(通史)を高校側が選定する(又は選定した)ことに対し、東京都・横浜市・大阪府の各教育委員会が選定を考え直す(又はやめる)よう「圧力」をかけたことについて取り上げた。  「朝日新聞」20 . . . 本文を読む
コメント

新防衛大綱・中間報告についての孫崎享さん評

2013-07-27 00:52:07 | 外交・安全保障
 当ブログ2013.7.25「新防衛大綱・中間報告から」で伝えた「中間報告」は、翌26日に防衛省によって正式に発表された。  今回の「中間報告」では、集団的自衛権については触れられていない。しかし、年末の最終報告に向けた議論と並行して、この問題についても検討される予定だ。  2013年7月26日(金)の夜に放送されたテレビ朝日「報道ステーション」で、この「中間報告」の問題が取り上げられた。その . . . 本文を読む
コメント

日本のイスラエル化?

2013-07-26 08:51:30 | 外交・安全保障
  昨日(2013年7月25日)放送されたテレビ朝日「モーニングバード!」の「そもそも総研たまペディア」の中(VTR)で、寺島実郎氏(日本総合研究所理事長、多摩大学学長)が次のような趣旨の発言をしていた。 「今年初夏に米国ワシントンへ行って、多くの有識者と話をしたが、『日本のイスラエル化』を心配し始めている人が多くいた」  えっ? 「中国のイスラエル化」ではないのか? 私はそっちの方を心配して . . . 本文を読む
コメント

新防衛大綱・中間報告から

2013-07-25 19:04:48 | 外交・安全保障
 「朝日新聞」2013.7.25(朝刊)に、防衛省が年末に策定する新防衛大綱の中間報告(7月26日発表予定)の内容を伝える記事が載った。  「自衛隊に海兵隊機能 新防衛大綱の中間報告」(園田耕司記者)の記事より、新防衛大綱・中間報告の骨子の一部(要約)を以下に記す。 (1)中国の軍事力近代化と海洋活動の拡大を念頭に、「島嶼(しょ)部への攻撃に対応するには空と海で優勢を確実に維持することが不可欠 . . . 本文を読む
コメント

加藤陽子『戦争の日本近現代史』から学ぶ

2013-07-24 23:08:09 | 歴史認識・社会論
 以下は、加藤陽子『戦争の日本近現代史』(講談社現代新書/2002年)から学ぶためのメモ。本書の全体を紹介するものではなく、私が問題意識を持った箇所のみを取り上げる。  *[ ]内は引用者(星)が補った。  著者は、1960年生まれ。東京大学大学院博士課程修了。東京大学大学院人文社会系研究科教授。専攻は日本近現代史。  副題に「東大式レッスン! 征韓論から太平洋戦争まで」とあるとおり、本書は大 . . . 本文を読む
コメント

集団的自衛権の解釈変更へ突き進む自民

2013-07-23 15:33:18 | 外交・安全保障
 「朝日新聞」2013.7.23(朝刊)の以下2つの記事は、集団的自衛権と改憲問題の今後について、分かりやすい形でまとめられている。 (1)「集団的自衛権 来月にも議論 首相、関連法整備も意欲」 【重要部分の記事概要】 ①安倍首相は昨日(2013.7.22)の記者会見で、集団的自衛権の解釈変更に関して、「安保法制懇」での議論を加速させる考えを示した。 ②さらに、憲法解釈の変更だけでなく、「部隊 . . . 本文を読む
コメント

参院選の結果を受けて

2013-07-22 15:15:43 | 国内政治
 昨日(2013.7.21)、第23回参議院選挙の投開票が行なわれ、事前の予想どおり自民党が大勝した。これで、衆参両院で、自民党と公明党を合わせて過半数を占めることになった。  選挙結果についてはすでに多く報道されているので、ここではあまり述べない。関連して私が思ったことを、以下に若干記す。 (1)国民の選択は? ①国民の「多く」は、「消極的に」ではあるかもしれないが、安倍政権の与党である自民 . . . 本文を読む
コメント

藤原帰一氏の「平和のリアリズム」から学ぶ

2013-07-21 15:26:35 | 外交・安全保障
 以下は、藤原帰一『新編 平和のリアリズム』(岩波現代文庫/2010年)に所収の序「なぜ、平和のリアリズムか」(書き下ろし)から学ぶためのメモ[「 」(ページ)部分は、本書からの抜粋]。  藤原帰一氏は、1956年生まれ。東京大学大学院博士課程単位取得中退。現在、東京大学大学院法学政治学研究科教授。専攻は、国際政治・東南アジア政治。 「平和を不必要に美化することを止めなければならない。・・・平 . . . 本文を読む
コメント

寺島実郎氏の安倍政権評

2013-07-20 14:15:53 | 国内政治
 岩波書店発行の総合月刊誌『世界』2013年8月号に所収の、寺島実郎・長期連載「脳力(のうりき)のレッスン」特別篇「リベラル再生の主体は誰か──リベラルの危機と再生(その3)」の最後の方に、「寺島氏の安倍政権評」が分かりやすい形で記されている。以下に転載する。 「安倍政権の半年を注視してきたが、金融緩和と財政出動で景気浮揚を優先させる姿勢と、国権主義的自己主張を両輪とする性格が明確であり、一時は . . . 本文を読む
コメント

石橋湛山「禍根をのこす外交政策」から学ぶ

2013-07-19 16:52:43 | 歴史認識・社会論
 石橋湛山(1884-1973年)は、1911年(明治44年)1月に東洋経済新報社に入社し、戦前・戦中を通じてジャーナリスト(兼エコノミスト)として活躍した。戦後は政治家に転身し、1956-57年にかけて2か月間だけ総理大臣にもなった。  当ブログ2013.7.14「夏目漱石の憂鬱」で取り上げた時代の4年後、湛山は漱石とは別の角度から日本の現在と将来に危機意識を持ち、そのことを文章に表している。 . . . 本文を読む
コメント

参院選 自民-全年代層に浸透、公明-選挙後の憂鬱

2013-07-18 10:17:26 | 国内政治
 「朝日新聞」2013.7.18(朝刊)から2点を紹介[→以降は星の感想]。 (1)「自民、若・壮年層にも浸透 参院選 終盤の情勢」 *朝日新聞社の終盤情勢調査(7月16-17日、電話調査)による。 ①今回の参院選は、自民党圧勝の流れ。 ②以前は、自民党支持は高齢層が厚く、若壮年層はやや薄い傾向にあった。しかし、今回の調査によると、年代による「自民投票予定者」の違いはあまりない。 ③「自民 . . . 本文を読む
コメント

大阪府教委も「歴史教科書」選定で高校に圧力?

2013-07-17 12:04:56 | 教科書・教育
 大阪府教育委員会(府教委)は今年7月9日、府立学校(高校・特別支援学校等)の校長などに対し、特定の「高校日本史」教科書に関する「見解」メールを送信した。                      *「共同通信」web「47NEWS」2013.7.16 参照  今年夏に決定される高校教科書(*学年にもよるが、基本的に2014~15年度使用)は、各校からの希望(選定)に基づいて、最終的には府教委が . . . 本文を読む
コメント

『改憲の何が問題か』(岩波書店)から学ぶ

2013-07-16 23:23:18 | 憲法
 奥平康弘・愛敬浩二・青井未帆編『改憲の何が問題か』(岩波書店/2013.5.28発行)を昨日読んだ。本編はⅠ「何が今、問われているのか」とⅡ「自民党「日本国憲法改正草案」の問題点」の2つに大きく分かれ、13人の憲法研究者など(編者含む)がテーマごとに執筆している。  このようにテーマごとに執筆者が細分化している(執筆者が多すぎる)ことが、次のような限界面につながっているように思う。 ①全体と . . . 本文を読む
コメント