読書備忘録

私が読んだ本等の日々の
忘れない為の備忘録です

吉田修一著「路(るう)」

2014-11-24 | や・ら・わ行
台湾新幹線の着工から開業までの巨大プロジェクトに、商社員や整備士、台湾生の老人など日台の人々一人一人を
巡るドラマが絡んで展開される群像ドラマ。
国交がないとか政治では問題を抱える日台関係、しかし日本と台湾の間にしっかりと育まれた個人の絆を、
台湾の風土とともに描かれており、読み終わった後に感動がえられる物語。
1999年、台北~高雄間の台湾高速鉄道を日本の新幹線が走ることになった。
入社4年目の商社員、多田春香は現地への出向が決まった。
春香には大学時代に初めて台湾を訪れた6年前の夏、エリックという英語名の台湾人青年とたった一日だけすごし、
その後連絡がとれなくなってしまった彼との運命のような思い出があった。
台湾と日本の仕事のやり方の違いに翻弄される日本人商社員・安西、車輛工場の建設をグアバ畑の中から眺めていた
台湾人学生・陳威志、台湾で生まれ育ち終戦後に日本に帰ってきた日本人老人・葉山勝一郎、
そして日本に留学し建築士として日本で働く台湾人青年・劉人豪。
それぞれ別々に進んでいた物語が台湾新幹線をきっかけに開通日に向かって動き始める。
訪台10回の私にとって懐かしい風景が描かれておりなんども「ふむふむ」と思い出しながら読んだ。
開通場面など感動しながら読めた。
2012年11月文藝春秋刊

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