読書備忘録

私が読んだ本等の日々の
忘れない為の備忘録です

石田 衣良著「逝 年」 

2009-05-01 | 石田衣良
call boy Ⅱ
前作99年に発刊された性愛小説『娼年』その後。20歳の夏から一年後。
娼夫のリョウは、仲間の咲良、アズマと共にボーイズクラブを再開する。
やがてクラブのオーナー御堂静香も刑務所から戻ってくるが、エイズを発症して数ヶ月の命。
「娼夫」としての才能を見抜き、その世界に導いてくれた御堂静香の「死」に至るまでの物語が、主人公リョウの成長とともに描かれる。
「娼夫」とは「ホスト」とは全く違い、あくまでも女性の欲望に性を交えた形で答える職業らしい。その世界では一流となったリョウが命の焔を閉じようとする静香の性に、全身全霊をこめて答えようとするのだが死を目前としてした咲良の目前での静香との『最期のセックス』とか高速走行中の行為は理解できなかった。
男娼の目を通して前作同様激しい性描写が連ねられる。
『人間は探しているものしか見つけられない。退屈を探せば退屈を、驚異を探せば驚異を見つける。世界はあまりにも豊かな書物なので、必ず望むページにいきわたることになる』(本文109)
2008年3月集英社刊

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