読書備忘録

私が読んだ本等の日々の
忘れない為の備忘録です

鏑木蓮著「見えない轍 心療内科医本宮慶太郎の事件カルテ」

2020-12-11 | か行
本宮慶太朗シリーズ第1弾。京都の小さな町で、遺書らしきメモとともに34歳の女性・小倉由那の遺体が発見された。それから数日後、同じ町で本宮心療内科を開業する本宮慶太郎のもとを、女子高校生の棚辺春来が母親に連れられて訪ねてくる。彼女の不調の原因を探ろうとする慶太郎は、春来の口から「由那は自殺なんかしていない」と訴える。本宮慶太郎は、彼女の訴えを聞き、独力で由那のことを調べ始める。自殺か事故か、密室殺人か由那の過去や人間関係を調べるうちに浮かび上がった様々なエピソードから事件の全貌が明らかになる。捜査権がない医者が警察情報を得たり調査したりをどのようにするのか若干無理があるように思うが、ミステリーとしては面白かった。食物廃棄の問題や、宮沢賢治の小説「よだかのこころ」の食物連鎖の話が興味深かった。「ウサギとカメの話・・・どうしてカメが勝ったんだと思う?・・・ウサギはカメを見て走った。けれどカメが見つめていたのはウサギじゃなく、ゴールだった。」(P335)
2019年4月 潮出版社刊

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