goo blog サービス終了のお知らせ 

読書備忘録

私が読んだ本等の日々の
忘れない為の備忘録です

道尾秀介著「いけない」

2020-10-25 | ま行
架空の街、蝦蟇倉市で起こった事件3編が連作短編を読む如くミステリーが繋がっていきます。復讐殺人を捜査する刑事、殺人現場を目撃してしまった少年、他殺の疑いのある事件を追う刑事。各章ごとに主人公は変わり全ての事件は最終章へと。第1章「弓投げの崖を見てはいけない」・・・自殺の名所付近のトンネルで起きた交通事故が、殺人の連鎖を招く。
第2章その話を聞かせてはいけない」・・・友達のいない少年が目撃した殺人現場は現実か夢か?
第3章「絵の謎に気づいてはいけない」・・・宗教団体の幹部女性が死体で発見された。先輩刑事は後輩を導き捜査を進めるが。
どの章にも、最後の1ページを捲ると物語ががらりと変貌するトリックが仕掛けられており、ラストページの後に再読すると物語に隠された〝本当の真相〟が浮かび上がる趣向。
 さらに終章「街の平和を信じてはいけない」を読み終えると、これまでの物語の全てが絡み合い、さらなる〝真実〟に辿り着く大仕掛けが・・・。伏線が複雑で何度も再読するも盲目の男が絡むなど在り得ない設定でトリックも後味の悪い読了感。複雑なミステリーを書きたかったのか何を主張しかったのか好き嫌いのハッキリする出来。
2019年7月文藝春秋社刊


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 金華山登山 | トップ | 明神山(三ッ瀬)(愛知10... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。

ま行」カテゴリの最新記事