読書備忘録

私が読んだ本等の日々の
忘れない為の備忘録です

貫井徳郎著「悪の芽」

2021-07-04 | 貫井 徳郎
世間を震撼させた無差別大量殺傷事件。事件後、犯人は自らに火をつけ、絶叫しながら死んでいった。なぜアニコンで大量無差別殺人事件が発生したのか。小学生時代に、自分がいじめのきっかけを作ったからこの事件が発生したのか。無差別殺人の理由が分からず、自らの過去の行いを責める元同級生で銀行員の安達が辿り着いた、衝撃の真実とは・・・。41歳の無職の男性・斎木均。その斎木が小学生の時にいじめられるきっかけを作ったのは自分だと、エリート銀行員の安達が過去と向き合い斎木の動機を調べる。そんなつもりじゃなかった?いじめが原因で30年近く経ってから無差別殺人事件を起こすのか。いじめた側の論理は通じない。ただ『絶望』と言う一因は余りにもキツイ。苛めていた側の人間が大人になって思いっきりそれを痛感して苛まれるというのは、想像力の欠如や人間の善意・悪意など考えさせられたが犯行動機との因果関係を辿る物語は罪悪感のみの描写が多すぎて読後感はあまりよくなかった。
2021年2月角川書店刊

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