読書備忘録

私が読んだ本等の日々の
忘れない為の備忘録です

奥田 英朗著「無 理」

2010-01-15 | 奥田英朗
『最悪』『邪魔』に続く群像劇。
町村合併で出来た人口12万人の寂れた地方都市・ゆめの市。
古くからある商店街はさびれ、国道沿いの「ドリームタウン」が唯一の盛り場。
この地で鬱屈を抱えながら生きる5人の人間が陥った思いがけない事態を描いた群像劇。
この街で暮らす5人の市民の日常が交互に語られる。
相原友則=離婚で一人暮らし、社会福祉事務所で生活保護支給業務に就いている。
久保史恵=東京の大学で東京生活を夢見る女子高生。
加藤裕也=離婚経験者、元暴走族上がりで今は詐欺まがいの商品を売りつけるセールスマン。
堀部妙子=離婚経験者で子供達は独立、スーパーの保安員をくびになり、新興宗教に救いを求めているが・・・。
山本順一=県議会に打って出る腹積もりの市議会議員。
それぞれが鬱屈を抱えたまま日々を送り、やがて思いがけない事態に陥っていく。
『それぞれのエピソードを積み重ねれば、ゆめのという町全体のことが描けるのじゃないかと思って書いたわけです。』(著者談)
個々人には特異な体験だがありそうなリアル感がある元気のない地方都市が浮かび上がってきてバラバラであった5人が終盤に向って
一つの時間場所に揃った時面白い展開が待ち受ける。
2009年9月文藝春秋社刊

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