毒島シリーズ。殺人事件解決のアドバイスを仰ごうと神保町の書斎を訪れた刑事・高千穂明日香を迎えたのは、流行作家で元刑事、現刑事技能指導員の毒島真理。虫も殺さぬような温和な笑顔の持ち主は、性格の歪んだ皮肉屋だった。捜査過程で浮かび上がってきたのは、巨匠病にかかった新人作家、手段を選ばずヒット作を連発する編集者、ストーカーまがいの熱狂的な読者。ついには毒島本人が容疑者に・・・出版業界の実態や文壇の裏話、ワナビたちの描写が生々しくて面白い。以前読んだ「店長がバカすぎて」とまた違った視点で「ワナビの心理試験」「編集者は偏執者」「賞を獲ってはみたものの」「愛瀆者」「原作とドラマの間には深くて暗い川がある」5話の連作短編風に展開されているブラックユーモア満載の小説です。
2016年8月幻冬舎刊
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます