山田太一TVドラマ「遠まわりの雨」

山田太一・作、雨宮望演出
20年ぶりに町工場の危機に昔の恋人に再会した男女の切ない思いと別れを描いた山田太一作TVドラマスペシャルを見た。
今や世界の渡辺謙と何かと話題の夏川結衣の共演、脇役も夫役に岸谷吾郎や　井川比佐志　YOU　AKIRA（EXILE）など。
舞台は、巧みの技術を持つ町工場の多い・蒲田、この町で繰り広げられる大人のラブストーリー。
妻（田中美佐子）と反抗期の娘（川島海荷）かと暮らす一人の中年男・福本草平（渡辺謙）は、慣れない接客の仕事で風采の上がらない日々を送っていた。
そんな草平が、蒲田のとある金型工場で起きた出来事をきっかけに、かねての恋人・桜（夏川結衣）と再会する・・・。
草平をめぐる鎌田の町工場の人々の優しさが気持ちを温かくするいいヒューマンドラマでした。
鎌倉極楽寺駅の切ない別れに感動し、余韻が残るドラマでした。
（駅での別れのシーン、海岸シーンで有った桜のバックと福本のコートが消えていた
のが気になったが「今だけ恋に落ちよう」という夢のシーンだったのか？）
脚本の山田太一は
『渡辺謙さんで、情熱をおさえる美しさを見たいと思いました。切ない、片隅の中年の恋の物語です。酔って、泣いて下さい。』とコメント。
混沌の平成の時代、中小企業に厳しい経済事情を背景に世渡りがあまり得意ではないひとりの男の人生と、変わらぬ人の優しさを丹念に描いた、
社会派下町人情ドラマで期待を裏切らない山田太一ワールドでした。