読書備忘録

私が読んだ本等の日々の
忘れない為の備忘録です

龍馬と弥太郎「龍馬伝」の真実

2010-07-31 | Weblog
三菱史研究のアナリスト成田誠一氏の講演を聞いてきた。
2008年NHKから三菱の創業者岩崎弥太郎のことでレクチャーを受けたいと申し入れがあり数回懇談を持ってその後始まったのが「龍馬伝」だったそうで弥太郎三菱関連と龍馬と世間の出来事を旧暦・新暦対比の氏苦心の一覧表が配られて話が始まった。
NHK大河ドラマ龍馬伝では弥太郎と龍馬は何度も顔をあわせ交流があるように描かれているが、史実としての実際は龍馬(満31歳)が暗殺される年慶応3年3月開成館長崎出張所(通称土佐商会)に赴任したおり始めて土佐の重役後藤正二郎を介して長崎で遇い意気投合したとされている。
その年4月海援隊結成、6月土佐商会の主任役に弥太郎がなり11月15日(新暦の1867年12月10日)龍馬暗殺される。たったこれだけの接点だけが明確でその他は全て空白の時間に空想を交えてドラマチックに描かれている。
商人の出で金で武士となった坂本家の次男の早咲きの龍馬と半農郷士の出で長男の遅咲きの弥太郎。
片や聞き上手、勉強よりも剣術で身を立てようとした龍馬、片や医者の娘の母とインテリ郷士の父から学問こそが貧乏から脱出の道と諭され勉学に勤しんだ弥太郎。
共に土佐生まれの1歳違いの同年代であったが接点があったかは解らない。
17~8歳ころ、ジョン万次郎が土佐に帰国した出来事が二人の世界への眼を開かせたカルチャーショックが二人にとっての共通ベースとして日本から世界に飛び出す夢をもったことだろうことは想像できる。
大口を開けて笑わない「ふふふ」としか笑わない武士、坂本家の食事シーンのように男女が同じ部屋で食事を取る事のなかった武家社会、
乙女姉さんが「龍馬」と呼び捨てするなど成人してからはありえない等々虚構シーンが多いがドラマは上手く料理すれば歴史的事実にもとづかなくてもポイントのみ押さえれば幕末らしさその時代らしさを醸し出し時代考証等もそれらしく整えれば成り立つ。
本当の意味のありのままでは面白さがないので現代の事実と照らし合わせてそれらしく演出する。
そんなテレビドラマの裏事情を想像しながら「龍馬伝」を愉しんで下さい。・・・と1時間余り盛況のうちに講演が終った。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 楡周平著『血戦 - ワンス・ア... | トップ | 一日芸大生 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事