読書備忘録

私が読んだ本等の日々の
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村上春樹著「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」

2013-06-13 | ま行
主人公の多崎つくるは、16年前高校時代に仲の良かったアカ・アオ・シロ・クロ(苗字に色の付く字がある)の五人組は、突然「おまえとは縁を切る」と言われ絶交されたことがきっかけで自信もなくし、人間不信になる。
グループに「乱れなく調和する親密な場所」を見いだしていたが、他の4人は地元の大学に進学したのに、つくるだけは上京し、今は東京の鉄道会社で駅を「つくる」仕事に就いている。
東京の大学2年生だったつくるは、名古屋の5人組から突如追放の宣告を受けて以来、トラウマとなったその記憶を封印したまま36歳のエンジニアは、ガールフレンド沙羅の「友達に再会してみたら」という助言を入れ、理不尽な絶交の理由を知るために、5人組の残りの人たちをめぐる〈巡礼〉に出る。
当時の絶交の理由聞いたらシロがつくるにレイプされたというのだ。
つくるには身に覚えのないことだ。精神を病むシロのために、仲間たちはつくるを切らざるをえなかったのだと。
しかもシロの口から真相を聞くことはできない。この音楽大学を出た美しい女性は、6年前に何者かに絞殺されていたのだ、大きな謎と傷をつくるに残したまま。
シロが弾く、リストの曲『巡礼の年』が、遠くフィンランドへ旅立とうとするつくるの心に、少年の日の恋人とふるさとを失った哀切な旋律を奏でる・・・というあらすじ。
灰田とか緑川とか色の付く人との出会いでの哲学的な話などで村上流な思いが語られるのだがしっくりと心に響かない。
余り感動するストーリーではないし、ミステリーでもなく中途半端で評判倒れ気味でガッカリした。
2013年4月文藝春秋刊

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