読書備忘録

私が読んだ本等の日々の
忘れない為の備忘録です

高殿円著『メサイア 警備局特別公安五係』

2011-02-17 | た行
超軍縮時代に突入し、水面下で熾烈な情報戦が繰り広げられる世界。この作品の舞台は、
皇記●年というパラレルな時代の日本。
殺人権を持たない警察や軍の代わりに暗殺活動をする対スパイ殺人権をもつ特公五係、通称“サクラ”の候補生・16歳の海棠鋭利(かいどうえいり=エッジ)が主人公。
小学校の頃に鋭利の家族を襲った惨劇以来まともな生活から離れて育ち、今は国家公安委員会、特別公安五係、通称サクラの正式な一員になろうとしているのだ。
養成学校、通称「マル校」では寮は相棒と同室になる。
その相棒が、御津見珀(みつみはく=ナニー)で、この相棒こそ「メサイア」と呼ばれ、ひとたびサクラとなって国の捨石となり、相手国に捕まっても誰も助けてはくれないけれどメサイアだけは救出活動をしてもよいという。
この二人が「マル校」の卒業試験を兼ねて極秘に総理大臣の息子の護衛を任されるのだが・・・。折から軍縮の世界会議が東京市で開かれことに。
パラレルな架空の世界の出来事を通して現代日本への批判がところどころ随所で語れストリーが展開される。
ここに登場する組織や世界は今の日本によく似ているが現実のそれとは繋がらないのでリアリティの薄いのが不満だがある意味的を射てるのが面白い。
『どの国の首脳部も、いつ交代するかわからない日本の首脳より、官僚と仲良くするべきだと思っている。』(277P)
『この国では、責任をとる、ということは、なぜか職を辞すことになっているのさ。もしくは、刑務所に入る・・・でも責任の取り方を勘違いしている以上、責任をとる覚悟で物事を為そうというやつも現れない。
なぜなら、・・・だれも責任をとれないのだから。』(319P)
映画『デスノート』の金子修介監督による実写映画化が決まったようです。



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