読書備忘録

私が読んだ本等の日々の
忘れない為の備忘録です

堂場 瞬一著「沈黙の檻(おり)」

2011-02-15 | 堂場瞬一
2年前に時効を迎え迷宮入りした17年前の運送会社社長殺人事件。
週刊誌に暴露記事が掲載された「犯人が激白」「主犯は末松自分はその手伝いをした。」と・・・名指しされた運送会社社長・末松。
なぜか犯行を否定せず、マスコミに「ノーコメント」と繰り返すのみ。
その末松が交通事故に見せかけ命が狙われた。
迷宮入りの事件との関連がありそうで気が進まない捜査だったが命ざれるまま末松の事情聴取に赴いた所轄署の刑事・氷室は、彼と話すうちに彼の人間的魅力に惹かれ始める。
一方、かつての事件で実父を殺された青年杉沢武則は、今では親父と慕う末松社長の無実を信じていたのだが犯行をはっきり否定しない末松に動揺し激興した揚句会社を飛び出してしまう。
そして新たな殺人が起きる。
署から孤立し応援が無いままモクモクと捜査をする氷室。
当時の事件の関係者が全て口を閉ざして沈黙を守る中、展開は遅く遅遅と進まないが一歩一歩真相に迫る氷室。
やがて、雪が降る深夜、息詰まる攻防のすえ事件の全貌が明らかになる瞬間が・・・。
派手な展開はないが哀切漂う警察小説でした。
『自分の権利ばかりをまくしたてる被害者、何が悪いのか分かっていない犯人・・・』(31P)

2010年10月 中央公論新社刊

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