読書備忘録

私が読んだ本等の日々の
忘れない為の備忘録です

柴田哲孝著「野守虫」

2020-06-25 | さ行
刑事・片倉康孝シリーズ(「黄昏の光と影」、「砂丘の蛙」、「赤猫」)第4弾。強盗容疑で勾留されていた凶悪犯竹迫和也が弁護士と接見中に脱走。彼は、定年間近の“乗り鉄”刑事・片倉康孝が、六年前に逮捕した男だった。しかし、よその地区の事件で丁度休暇の申請を出した後で折角の休みを使い、秘境のローカル線・飯田線で天龍峡への旅に出る。道中で豊川稲荷の近くの竹迫の生家を訪ね、近隣住民から、彼の幼い頃、祖母が強盗に殺されていたことを聞く。一方、「息を吐くように嘘を言い、何の逡巡も無く犯罪行為を繰り返す」竹迫も犯罪を重ねて逃げながら天龍峡へ。そこは彼にとって拭えぬ過去の思いの地で復讐の想いを募らせる。後半片倉の元女房智子も絡んで大団円へ。捕物と元鞘に収まるのかという元夫婦の心情やローカル線旅紀行がミックスされた物語です。野守虫とは家守・井守と同じ地方の呼び名の一種だとか。
2020年1月光文社刊
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