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読書備忘録

私が読んだ本等の日々の
忘れない為の備忘録です

重松清著「カモナマイハウス」

2025-03-24 | さ行

空き家を舞台に繰り広げられる涙と笑いの人間ドラマ。定年まであと2年、多摩エステートサービスという不動産会社で空き家の年間メンテナンス業に携わる水原孝夫58歳。両親の介護を終えた介護ロスの妻・美沙は、瀟洒な洋館で謎の婦人が執り行う「お茶会」に参加し、介護ロスを乗り越えようとしていた。しかし、空き家になっている美沙の実家が、気鋭の空間リノベーターによって「もがりの家」として遺体安置所に改装されようとしていることを知る。元戦隊ヒーローで今は小さな劇団員の息子・研造、ケンゾーを推す70代の3人娘「追っかけセブン」など、個性豊かな面々が空き家を舞台に繰り広げるドタバタ。2018年の日本の空き家数849万戸、空き家率13.6%(7軒に1軒)。住み手の人生ステージとマイホームへの対処が織りなす世界、凄く重たい辛いだけの問題を登場人物の明るいキャラでしれーッと描いています。空き家と廃屋や「もがりの家」はともかく「空蝉の庵」などの家に対する登場人物の思いと、生きている人とそのもののとの関係性の捉え方が良かった。避けては通れない問題提起です。
2023年7月中央公論新社刊
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