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読書備忘録

私が読んだ本等の日々の
忘れない為の備忘録です

海堂尊著「ブラックペアン1988」

2007-12-19 | か行
流石現役の医者が書いた小説。癌手術のシーンが臨場感タップリ
自分が手術に立会っている感覚になりました。
東城大学医学病院のチームバチスタからナイチンゲール→螺鈿→ジェネラル
に至るまでの著者の前作の舞台の昭和の終焉期に時代をさかのぼっての話。
新しい技術の導入や学内の権力抗争の様子を若き日の高階医師などを
中心に描かれていて、その中に登場する全4作の主人公や脇役たちの
若き日姿が描かれているのが,全作読んだファンとしては知った
名前が出てくるたびに懐かしく楽しめた。
1988年(昭和63年)5月、世良雅志は週末の医師の国家試験の
合格発表を控えて東城大学医学部外科研修医として
右往左往の日々を過していた。研修青年医師世良が外科医として
一人前になっていく1年の記録。
タイトルにもなっている「ブラック・ペアン」の意味が
後半明らかになるミステリーな部分の小説として独立した作品
として読んでも充分楽しめる。 一人一人のキャラが丁寧に描かれて
いて展開も早く一気に読める小説です。

2007年9月講談社 刊1680円
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黒川博行著「悪果」

2007-12-04 | か行
同じ箱に入った腐った果物は他の果物も腐らせる「悪因悪果」
「おまえは極道よりも性根が腐っとる」
テンポのよい関西弁が冴える。
大阪今里署のマル暴担当刑事・堀内は、淇道会が賭場を開いている
という情報を掴み、ガサ入れの準備を始める。
開帳日の金曜日深夜、堀内らは賭場に突入し28名を現行犯逮捕。
綿密な取調べから賭場での金の流れが明らかになっていく
堀内は、賭場に参加していた学校経営者を業界経済誌編集・坂辺
を使いゆすり始めるが・・・
日本の警察の暗部、癒着、横領、隠蔽、暴力、
裏金作り(警官が三文判を用意させられ、大量のニセ領収書作成)、
その金の使途(署の上層部の多額のお餞別、普段の宴会飲食用、
ゴルフのプレー代等々)をリアルに詳しく取材されている。
上昇志向を諦めて個人的しのぎに精を出す悪徳警官
公務員の裏金作りの犯罪を同じく裏金作りをする警察官が取締り
調査する矛盾
おまわりさんにもいい人ばかりでない悪いのが一杯・・・
やがてそんな悪い奴らの行くつく先は・・・面白い警察小説です。

角川書店 2007年9月刊 1890円

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孔 枝泳著 「愛のあとにくるもの」

2007-11-21 | か行
韓国ハンギョレ新聞で連載された韓国No.1ベストセラー小説
男の視点から描いた辻仁成による同名作品もあるがこれは女版
韓国留学生の紅と 日本人の男。
言葉が足りなかったために起こった、すれ違いの為同棲し 別れのあと、
互いに連絡をとらずに7年が過ぎた。
帰国してからも後悔の念は積もってゆく。やがて小説家として
来韓したかっての恋人。偶然が二人を再会させると、
別離の日から男女がそれぞれに歩んだ日々が浮かびあがらせる。
近くて遠い国、過去の戦争の歴史が二人の間に横たわる。

『放ってしまった矢と、歌ってしまった歌、
人が持っていってしまった私の心は、自分ではどうすることもできない』
『別れが悲しいのは解れた後がはじめてその出会いの価値に気づくから、
忘れてしまうのが寂しいのは、存在した全てが、
その空いたところで初めて輝くから、愛されないことよりも
もっと悲しいのは、愛することができないということに
後になって気づくから』 (以上本文より抜粋)
韓流ドラマ流行の昨今、日本人男性と韓国人女性の国境を超えた愛。
韓国文学
       
著者は 孔 枝泳 , きむ ふな (翻訳)
発行年 2006 年3月 幻冬社 刊 1575円  
☆☆☆ ☆ ☆☆☆ ☆ ☆
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神坂次郎 著「漂民ダンケッチの生涯」

2007-11-11 | か行
『 埋もれていた凄い男が幕末にいた。』
幕末に攘夷浪人の手にかかり非業の死を遂げた青年、
伝吉ことダンケッチの過酷な運命に弄ばれた25年の生涯を描いた物語。
文政7年(1824)、紀州に生まれ、船乗りとなった伝吉を待ち受ける
波乱の人生。遭難、漂流、八丈島で九死に一生得て暮らし、後再びの遭難、
漂流。 アメリカ船に救助され、サンフランシスコ、 上海、マカオ
で暮らし、安政6年(1859)、初代駐日英国総領事オールコック の
通辞として帰国を果たす。
攘夷浪人の手にかかり非業の死を遂げるまでの波乱の生涯。
遭難、漂流するたびに聞いた「退屈すれば身を損なうぞ」
「退屈を昂ぶらせると、気鬱の病で死ぬぞ」の教えにしたがい
言葉が分かれば人の心を知ることができると地元民と積極的に交流し
言葉を覚え記録する。
常に向上心を失なわなかった伝吉の姿勢に国際化が急激に
進む現代の世の中で我々も彼の姿勢から学ぶことが多いように思う。

2006年3月 文藝春秋 刊1995円  
☆☆☆ ☆☆ ☆☆☆ ☆ ☆

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小手鞠るい著   「サンカクカンケイ」

2007-10-24 | か行
京都の大学を1年半前に卒業して東京のホテルのレストラン部
に就職した広瀬あかねと初恋の相手龍也と
幼なじみで岡山の故郷で暮らす俊輔との
三角関係を女性の立場で綴った恋愛小説。
自分勝手な欲望のままの龍也と
いつも優しくじいっ~とあかねを見つめてくれた俊輔
最後は俊輔を選ぶお決まりのパターン。
う~ン三角関係はつらいよ!

2007年 世界文化社 刊
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海堂 尊著「ナイチンゲールの沈黙 」

2007-10-20 | か行
刊著者は1962年千葉県生まれの現役の勤務医。
2005年第4回『このミステリーがすごい!』大賞受賞後書かれた続編。
主人公は東城大学医学部付属病院の、不定愁訴外来の田口医師、
もちろん変人白鳥圭輔厚生労働省技官も登場。
小児科病棟の眼球に発生する癌(網膜芽腫)を患った
子供達(眼球を摘出されてしまう彼ら)の運命とそこに勤務する
心優しい看護士浜田小夜、大量吐血で緊急入院した伝説の歌手
水落冴子らが絡まり。 そんなさなか入院患児の父親が殺されて・・・
警察庁から派遣された加納警視正が院内捜査を開始する。
今回は犯人探しよりも真相究明の謎解きと音楽や歌が医療や
人間に与える影響を 取り混ぜて医療現場の人間関係を皮肉る展開、
面白さには前作より欠けるが登場人物の会話の軽妙さは健在。
延命医療の在り方を問うメディカル小説。

2007年 宝島社刊
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倉阪 鬼一郎 著「騙し絵の館 」

2007-10-13 | か行
過去の記憶に怯えながら瀟洒な館でひっそりと暮らす
少女と忠実に彼女を守ろうとする執事。
そして頑なに作品の刊行を拒むミステリー作家。
「額縁の中の男」と名乗る、連続少女誘拐殺人事件が勃発するなか、
謎めいた彼らの秘密が少しずつ明かされる。
張り巡らされた大量の伏線、幻想的な館を舞台に描かれた、
詩情溢れる妖しいミステリー。
リアル感と生活感がなく伏線が複雑すぎて全然物語に入り込めなかった。
4年に一度しか年を取らないなんて・・・騙しです。

2007年 創元クライム 刊 
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桂美人著「ロスト・チャイルド」

2007-10-08 | か行
第27回横溝正史ミステリー大賞受賞作
著者は1972年福井県生まれの現在会社員。
主人公神ヒカルは何らかの遺伝病に苦しみながら
慶応大学医学部助教授の側ら
司法解剖などを受け付ける監察医務院で
解剖の当番を引き受けている。
そんなある日医務院がテロ犯人たちに襲撃され
ヒカルらが監禁され犯人が立てこもる。・・・

遺伝子の問題や国際シンジゲート・FBIなど登場して
展開は速いんだけど・・・登場人物もかっこよくマンガみたいな
美男美女のリアル感のない人物たちがやたら多く
あっちこっち動き回るので説明部分が多くキャラの乱雑さが
気に掛かる。
結局最後は主要関係者は全て一族知り合い身内という
ドタバタ劇で主人公のヒカリの運命はいかに・・・だけで
読ませるけど結末も中途半端な終り方で感動は薄いない。
ある程度読者引き付ける力量はあるようだからこの作者ぼ
次回作に期待します。

角川書店 2007年6月刊1365円
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海堂 尊著「ジェネラル・ルージュの凱旋 」

2007-10-05 | か行
シリーズ第3弾。著者の前作「ナイチンゲールの沈黙」と
同時進行のようにすすむ。
主人公は東城大学医学部付属病院の、リスクマネージメント委員会委員長の
田口公平医師、今回は一枚の「救命救急センター部長の速水晃一が特定業者
と癒着しているという匿名の内部告発文書が届いたことから始まる。
早速事実調査に掛るが、倫理問題審査会(エシックス・コミティ)
委員長・沼田の嫌味な介入があったり、変人白鳥圭輔
厚生労働省技官も登場したり、訳有りの新人看護師姫宮も登場して・・・。
将軍(ジェネラル・ルージュ)の異名をとる速水の悲願、
桜宮市へのドクター・ヘリ導入は実現できるか・・・。
救急医療現場の臨場感ある
エピソードや大学病院内の人間関係を皮肉る展開は前作同様。
面白さはこのミス大賞受賞作の「チームバチスタの栄光」
より大分ダウンしているが、人物の会話の軽妙さは健在。
経済効率と救急医療現場の矛盾や死体解剖の在り方
医療の理想と現実を問うメディカル小説。
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方波見大志(かたばみ だいし)著「削除ボーイズ0326  」

2007-09-22 | か行
2006年第1回ポプラ社小説大賞受賞作品。
小学生を主人公にしたプチSF小説。
私的には忘れてしまった少年時代・・今時の小学生はこんな
思考をしているのかという驚きと「過去が消せる」誰もが
一度は考えたことがあるだろう器械を小説にした
若い作者の発想に脱帽した。
小学6年のナオはフリーマーケットで見知らぬおじさんから
奇妙な装置を貰います。
一見 デジカメのようですが、ファインダーの枠に収まった人の過去を、
その人本人が「DELETE」キーを押したときだけ、
3分26秒消せるというもの。
当然、ナオは夢中でさまざまな実験や、さまざまな場面で使い続けます。
車椅子になってしまったハル、引きこもりをしている兄、
女子グループに交わろうとしない転校生浮石や、多動症のコタケ、
不自由な体になったハルの代わりにリーダーになろうとする種村など、
クラスの力関係や、複雑な家庭事情、女の子にモテルかどうかが
主な関心ポイントになる今時の少年たちを生き生きと描かれています。

著者は (1980年生まれ)   2006年ポプラ社発行  

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海堂尊 著「 チーム・バチスタの栄光 」

2007-09-20 | か行
2005年第4回『このミステリーがすごい!』大賞受賞作。
著者は1962年千葉県生まれの医者。
当初題名のイメージからサッカーか草野球チームの
話しかなと読み始めましたが・・・
TVの「ER」を見ているような手術場面・・・奥田英朗氏の伊良部医師
を彷彿される変人白鳥技官、不定愁訴外来の田口医師・・・キャラクター
が面白いし、展開もスリリグ、謎解きと意外な医学サスペンス感、
面白いと一気読みしてしまいました。

東城大学医学部付属病院では、米国から招聘された
臓器統御外科の桐生医師が中心となって 心臓移植の代替手術である
「バチスタ手術」の専門チームを作り、 次々に成功を収めていた。
ところが、3例立て続けに術中死が発生。医療過誤か、殺人か。
遺体は何を語るのか...。 そこへ厚生省から白鳥技官が派遣され、
田口医師とペアを組み、チーム・バチスタに巣食う悪意をさぐり
出すという医療ミステリー小説。


2006年2月 宝島社発行 1600円(税別)
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梶尾 真治著「つばき、時跳び  」 

2007-09-03 | か行
著者は、1947年熊本市生まれ。
「サラマンダー殲滅」で日本SF大賞を受賞。
映画化された「黄泉がえり」の作者でもある。
「時跳び」とは日本風タイムトスリップ。
幽霊伝説のある熊本市郊外の旧家「百椿庵」に住むことになった
小説家の井納惇は、ある日、突然出現した不思議な少女「つばき」に魅せられる。
江戸末期「元治」の時代から150年の「時の壁」を超えてやってきた
少女に恋する。
タイムスリップ恋愛ファンタジー小説。
ありきたりの恋愛物ながら、奥ゆかしい雰囲気のある文体に
グーッと引き付けられる感動ミラクル愛。
タイムトラベルといわず時跳びという題名も内容にあっていて好ましい。
愛の行方と 時跳びの方法と結末。
面白い小説でした。

著者名 梶尾 真治   2006年10月平凡社刊 1575円
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小手鞠るい他共著「@恋愛・・・ではじまる4つのラブストリー」

2007-09-01 | か行
出会い系サイトのある世界的規模の大手のサイトで書かれた連載短編小説。
インターネツト恋愛というひとつの選択・・・
そこから彼女たちの物語がはじまると ・・・

4人の女流作家のネットお見合いサイトを利用した女性を主人公にした恋物語4編が納められている。

仕事も不倫もリセットした34歳の不安に揺れる日々・・・
「日にち薬」作者=日向蓬。

どうして恋愛だけは偶然を求めるの?
mailで知り合い結婚した再婚妻が迷う女友だちへの6通のmail
「運命の作り方」=小手鞠るい。

30才に過ぎて時の流れが速くなった。
私不倫してますと書いた自分のプロフーィールにたくさんの返事がきて、
(アナーザー・ディメーションとは、次元の違う世界)
「デメ アナ」=横森理香。

40才代目前のキャリアウーマンのネットでの出会いを描いた・・・
藤本ひとみ作「M・H」

著者は 日向蓬他3人の共書 2007年2月  
ランダムハウス講談社刊 1300円  

やはり全て成功例が・・・近頃の恋愛事情こんなことも有りかぁ~?


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