メランコリア

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ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

少女名作シリーズ18 少女パレアナ E・ポーター 偕成社

2024-06-24 18:19:18 | 
1959年初版 1986年21刷 村岡花子/訳
山下一徳/カバー図案 田村耕助/カバー絵 斎藤寿夫/口絵・挿絵

「ジュヴェナイルまとめ」カテゴリー内に追加します


なんでも嬉しいことに変換するのは、スリーグッドシングスにも通じるな
毎日の変わらない出来事の中にも感謝することはたくさんあって
ネガティブを見る代わりにポジティブに考えることでいつでも幸せでいられる


【内容抜粋メモ】

登場人物
パレアナ 牧師ジョン・フィテアの娘 母ジェニーは病死 11歳
パレー・ハリントン 母の妹 父が死に、家族のために働いている
ナンシー メイド
トムじいや 庭師 息子ティモシー
チルトン先生 医師
ペンデルトン 頑固
ジミー 孤児院の少年




パレアナは父が亡くなり、叔母パレーの家に引き取られる
母ジェニーは20歳の時、求婚相手がいたが、牧師ジョンと結婚して南部に出たきり
ジョンからジェニーの病死のしらせが来たのが25年前のこと

気難しいパレーはパレアナの部屋を掃除するようメイドのナンシーに命令する
ほかにもたくさん部屋があるのに、夏は暑く、冬は寒い屋根裏部屋をあてがう

昔からいる庭師のトムじいやは、パレーにも昔好きな人がいて
今でも同じ町にいるが、ささいなケンカをしてそれきりだとナンシーに話す



トムじいやの息子ティモシーが馬車を出して、ナンシーはパレアナを駅に迎えに行くと
パレーおばさんだと勘違いして感激する
明るく素直なパレアナをひと目で気に入り、力になろうと決心するナンシー







父を嫌っていたパレーおばさんは、パレアナに父の話をしないよう命じる
殺風景な屋根裏部屋を見て、鏡がなければそばかすを見ずに済むし
絵がなくても、窓の景色があるとポジティブに考えるパレアナ

それは父が教えてくれた“よろこびのゲーム”
どんなに貧しく、苦しい生活の中にも感謝することを見つければ幸せに感じるという

パレアナは窓の近くの木から外に出て、岩に座っていて
18時の夕食に遅れたため、罰として台所で食べるよう言われるが
ナンシーといっしょに食べることを喜ぶ

ナンシーもいっしょに“よろこびのゲーム”に付き合うことにする










窓を開けたせいで、家にハエがたくさん入ったのを叱り
ハエが病原菌をたくさん持っていると書かれた本を読ませると
喜んで読んで感謝するパレアナ

パレアナの服はどれも慰問箱への寄付で、つぎはぎだらけのため
パレーおばさんが一式そろえ、秋には学校へ通わせると決める
パレーおばさん:そうしないと、私の義務が果たせないからね











毎朝、部屋を掃除し、30分本を読み、料理、裁縫、音楽を習うスケジュールを決めると
パレアナ:それじゃ、生きてる時間がなくなるわ

夜もかまどのような暑さで耐えきれず、サンルームの屋根で寝ていると
泥棒が入ったと思ってパレーおばさんがトムじいやらを連れて来る
事情を聞いて、網戸ができるまでは一緒に寝なさいと言われて、喜ぶパレアナ

罰を与えたつもりなのに、大喜びして感謝するパレアナに戸惑うパレーおばさん











パレアナは野良猫、野良犬を連れて来て、動物が嫌いなパレーおばさんは閉口する

長く病気で寝ているスノー夫人のお見舞いに行った際
孤児院から出されて、家も仕事もないジミーに同情して家に連れて来ると
乞食の子と言われて

ジミー:
おばさんは親切な人だと聞いたから来た
おれはただで食べさせてもらおうなんて思ってない

責任を感じたパレアナは明日までに家を見つけると約束する










婦人会の集まりの帰り、ペンデルトンの犬に呼ばれて行くと
足を折って岩陰に倒れている

家に行って、チルトン先生を電話で呼んでほしいと頼み
医師が来るまで膝に頭を乗せて介抱する

チルトン先生:クスリを買うように、あの子を買うことができたら素晴らしいね









家で寝て、愚痴を言うペンデルトンに

パレアナ:
スノー夫人は一生の病気だが
足は寝ていれば治るのだから喜ばないと








パレーおばさんに話すととても驚くので
ナンシーはパレーおばさんが好きだったのは
ペンデルトンさんだと決めつける









パレアナは学校に通い、成績も優秀
日曜学校の帰りにチルトン先生が馬車に乗せ、ペンデルトンから話があると伝える









ペンデルトン:
僕が求めていたのは、君のお母さんの手と心だが
お母さんは牧師と一緒に遠くへ行ってしまった
君が来てから初めて生きてることが嬉しくなった
君を自分の子として置いて、財産は全部君に使ってもいい

パレアナはパレーおばさんのもとを離れられないため
ジミーがペンデルトンの家の子になればいいと思いつく



学校の帰り道、パレアナは車に轢かれて、家に運ばれる
ウォーレン医師が呼ばれて、傷はたいしたことないというが
目が覚めても起き上がれない日々が続く

パレーおばさんは看護婦のハントをつけて
自らも毎日パレアナの世話をするようになる

パレアナ:
怪我をしてから、おばさまが私を“いい子”て呼んで
優しくしてくださるから嬉しいわ









ペンデルトンも事故のことを聞いて、養女にしたいと考えているとパレーおばさんに伝える
自分はこれまで義務ではなく、愛情を持って接していただろうかと思うパレーおばさん

パレアナはチルトン先生に診てもらいたいと言うが
なぜか断るパレーおばさん

長く臥せって、次第に瘠せていくパレアナ
NYから専門のミード医師を呼んだが、二度と歩けないかもしれないと診断し
パレアナは絶望し、よろこびのゲームも出来なくなる

ナンシーはペンデルトンに事情を話し、ジミーのことを心配していると伝えると
ペンデルトンはパレアナを喜ばせるため、ジミーを養子に迎える

パレアナ:
チルトン先生も、家庭をつくるには婦人の手と心が必要だと言っていた
僕はただ家に住んでるだけで、こんなのは家庭じゃないって
求めても必ずもらえるとは限らないものだとおっしゃった

パレーおばさんもよろこびのゲームを始めて
周囲の物事から明るい面を見出すようになる

パレアナの診断書を見て、ペンデルトンを訪ねたチルトン先生

チルトン先生:
知人が同じ症状を研究していて
再び歩けるようになるだろう

パレーと自分は昔愛し合っていたが、ささいなことでケンカして別れ
もし今度来る時があるなら、結婚する時だけだと言ったが
それきり寄せ付けなくなった

招かれもしないのに診察させてくださいとは言えない

話を聞いたジミーはパレーを訪ねて伝え
パレーおばさんはチルトン先生に診断を頼む







2人は結婚し、パレアナは専門医に任せると
その後、数歩ずつ歩けるようになったと手紙が来る

手紙:
足がなくなってみなければ、歩ける足のあるのが、どんなに嬉しいかということが分からなかった
明日は8歩歩きます




解説
本書の原題は『ポリアンナ』

エレナ・ポーター
1868年アメリカ生まれ 1920年死去
高校を出て、音楽学校に入り、24歳で結婚
15年後に小説を書きだした
本書はアメリカ中で評判になり、驚くほど売れた

本書を読めば、今まで見落としていた生活の中に隠れた幸福を見つけるようになる

『パレアナの青春』
『スーねえさん』

同じ時代にジーン・ポーターという女流作家もいた
『リンバロストの乙女』
『そばかす』







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