メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

『出たとこまかせON AIR』 眉村卓/著(角川文庫)vol.1

2019-06-01 15:18:30 | 
眉村卓/著 カバー/木村光佑(昭和54年初版 昭和58年8版)

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[カバー裏のあらすじ]
さあさあ皆さん始まりだよ!
ぶっつけ本番、出たとこまかせ!
ワルのり、気まぐれ、苦しまぎれ!
突飛で変てこりんで愉快なお話!

――そばつゆ甘いかしょっぱいか?
――過去は何色? そして未来は?
――金言、格言をウラから見れば?

SF的発想と、ユニークな知識が満載されたこの一冊で、
あなたは楽しみながらインテリジェンスを磨くことができる。
さあこの「出たとこまかせON AIR」に、ピタリとチャンネルを合わせてみましょう。



前回読んだ『おしゃべり迷路』と同じ口調のエッセイ系


▼あらすじ(ネタバレ注意

※また長くなりそうだから、30000字超に要注意!!←goo blogの話

方向オンチが旅をした
大切な仕事に向かうとトイレに行きたくなる(源くんみたいw
トイレに案内してもらい、帰り道で迷う

方向オンチは旅行する時に困る
在来線のダイヤは新幹線をもとに組まれている(へえ!
日本の新幹線がスゴイのは、間隔の短さらしい

名所見て歩き族vsビジネスマン
「新幹線はグリーンと普通席の乗客の顔が違う」と紳士
「普通席でも指定席と自由席の人の顔が違う」
ぼくはコーヒーを2人にぶっかけようかと思った(w

飛び過ぎて行く風景の、あの道も交差点も
一生自分の足では歩かないだろうなと思う

新幹線が博多までのびて「ひかり号」が幾種類もできた
停車駅が少ないのがひかり
各駅がこだま
光速と音速を並べるとは、国鉄も差をつけたものだ

ぼくはたまに夜行列車に乗る
A寝台の下段は窓が大きく、夜空が見える
駅に入るとホームからこちらの寝姿が見える(w

旅館は飛び込みを嫌う
とくに女性の一人旅はよく自殺をやるから

学生の頃は、駅で寝た

紀伊半島まわりをした時
朝食のパン2つ20円、昼食かけうどん25円、晩飯の丼100円で通したことがある

若者よ、中年も旅をしよう
帰宅して、現実の貧しさを噛み締め
コレデイイノカと怒るために・・・


他人ばかりの町だって・・・
こんなショートショートを書いた まだ未発表
英語に訳されて海外へ送られる(へえ!
原稿の二重売りにならないか?
どうして、ぼくはこんなに臆病なのか

小説の抜粋 1人の男がT市で住民登録をする
男のK市の十倍ほどの人口のT市は活気があるがせかせかしている

「市民証がくるまでにカウンセラーに行きますか?
 T市でうまくやれるようアドバイスしてくれます」

カウンセラー:T市ではたちまち脱落してしまうよ

悩んだ末、今後のために男はK市の記憶を消してもらう

己の内側にある表に出さないものに触れられるとイヤな気がするものだ

ぼくは大阪にいる
今は住みにくく、市内はどんどん人が出て行くそう
しかし、圧迫され、欲求不満のほうがラクなのだ

ふるさと→心の原点
お互い誰も知っているという、あの窒息しそうな空気(そうそう

戦争前後 大人は力を持ち、正義で横暴だった
隣組、町会、在郷軍人会などに組み込まれていて、上下があった

最近は、孤独な青年の死が長い間分からない
これでいいのかという意見も結構だが
因習的な生活環境へ後戻りはたまらない


いったい僕はどこにいるんだ!!
毎週東京へ出て、1、2晩泊まり、大阪に帰る
案の定、おかしくなってきた

ぼくは視覚型
なんでも頭の中に絵を描いて記憶をたどる
今いる店と、次の店へのコースがつながらない
音感はまるでダメ

萩原朔太郎だったか
「時間芸術の代表は音楽、空間芸術の代表は絵画」と言った


言葉もだんだん変になる
大阪の人から「おくにはどっちでっか?」とやられた
このごろは新幹線語ということにした

初めて東京に来たのは20年以上前
夜行列車に「水歯磨」というのがあった

タバコを何本も吸っていたら、窓下の灰皿にたまり煙が消えなくなった
「水歯磨」をかけたら、火が消えないのみか
歯磨特有の匂いが広まった みんな咳き込んだ(w

初めて東京に来て驚いたこと
1.有名な土地が多い
2.子どもも標準語を使っている
3.芥川龍之介の情緒などなかった

大阪でも一度も行ったことのない区がたくさんあると気づいた


そばツユ甘いかしょっぱいか・・・
若い女の子は、必ず「やっぱり」で始める
何がやっぱりか分からない

ヤクミといえばトウガラシを思い出す
やはり関西うどんのほうが性に合う
うどんは、小さなぼろぼろの店のほうが美味しい

いわゆる食通に反発すらおぼえる
飢餓の時代が来たらどうするのか?
食通は、物資豊富ゼイタク可能の時代のもの

食糧難で想起するのは食べ残し
はじめから全部食べる気がない者
おつきあいで注文する者

(今で言う「食品ロス」だね

自分も食べきれなかったことがある
己の欲せざるところを、他にほどこすこと勿れ だ

食事は大勢でしたほうが楽しいという
ぼくは口にものを入れて喋ってはいけないと思うから
相手がいつ話しかけるか気になって食べてる気がしない
つき合い飯はなるべく願い下げ


タイム・パトロールは何人いるか?
「望郷」
ぼくは生まれ育った所から遠くない所に住んでいるが
みんな変わってしまった

長い間同じ所に住むと、時間的に離れたものに気持ちがいく
だから時々本気で、時間を飛び越えて昔に帰れたらと思う

「タイム・パラドックス」
同じ過去ならもっと遠くがいいが歴史が変わってしまう
タイムマシンで過去へ行き、親を殺してしまったら
消えた自分がなぜ親を殺せるのか

家康を亡きものにしたら・・・
本能寺で信長が死んだのと、死ななかったのと歴史は分かれる
1本の樹から枝が分かれるように、ぼくらの世界は1つのコースと解釈する
タイムマシンはもとの場所に戻れるのか?

「タイム・パトロール」
歴史が変えられるのを防ぐ
だが、それぞれの歴史にみなタイム・パトロールがいたら・・・
(そんな話も眉村さんの小説にあったね


CMタレントと友達になろう
「うちの子、SFばかり読んでいまして 読書感想文にそれを書いたら
 先生から“SFは文学じゃない そんなもの書いてはいけない”と言われた」

読まなきゃならない本を読み始めたがちっとも前へ進まない
大まかな所だけページをひるがえすと頭に入る
本に限らず、長い間、何かをしないでいるのはいけないんだろうな

そういえば映画も長い間見ていない
そのわりにテレビの映画はよく見る
ただいけないのは吹き替えとカット(そう!

一番ひどいと思ったのは『市民ケーン』
男は最期にスノーボールを落として「バラのつぼみ」とつぶやく

雪の中に引き取られるシーンがカットされていた
主要なテーマが吹き飛び、単なる恋愛映画まがいになる
これではサギである

マスコミは送り出す側と、受け取る側にだいぶ意識の違いがあるんだろうな
一度CMのアナウンサーと知り合い、声をCMと比べると変ですよ
あの顔のあいつだと思うと・・・うすら寒い楽しさを感じるのです


僕がスターに会ったとき
今、歌舞伎座の前で別当薫さんとすれ違った
この前、新幹線に乗ったら、英国女王列車で、ナマで拝見した テレビで見るのと同じだった

テレビが出回りはじめた頃
野球や芝居小屋がガラガラになると心配する人がたくさんいた

実際は余計客が集まった
映像を実物で確認したいのか
実物のほうがずっと迫力があるのか

テレビは必ずしもすべてを伝えているわけではないと認識されてきたのは結構だ

別当さんには思い出がある
ぼくは少年野球ファンだった 一番よく行ったのが甲子園
サインをもらおうとサインブックを手に選手を待ち構える
一種の仁義があり、手帳やハンカチなど出す奴は軽蔑された

夕暮れの球場 ぼくと弟で茶店に入ると別当さんがいた
サインをねだると、店の人に「硯と筆貸してくれない?」
ゆっくり墨をすり、筆であざやかに署名してくれた
嬉しくて、だいぶ長い間、友だちに見せて回った

アメリカのSFで大統領に子どもの頃会った記憶を喋る
「きっと大統領は、じきに忘れてしまっただろうが
 子どもはいつまでも記憶している そういうものなんだ」


野球に深入りし、高校野球の外野席(タダ)、アルプス席で全試合を見て
スコアブックに全部つけた 試合を楽しむ余裕などまったくない
ラジオで実況をしていると、スコアをつけないのがサボっているように感じられて・・・
(私も記録魔だからすごい同感

マンガを描いていたころ(!
他人の動作が気になって、会話に身が入らなかった


酔っ払いは何処へ行く?
ある男「酒、やめることにしました あの酔っ払いのムードがいやになって」

酒を飲む
普段、腹の底にしまったことを言い、相手も言い、だんだんワケ分からない所へ落ち込む

それを敢えて言葉にしたのは
彼は、一般社会人として、ごくふつうの状況に入りたい
家を買う、結婚するとか

しらふの時がふつうの状態?
君はいつも同じ感受性でいるだろうか?
昼間のほうが合理的、夜間はどこか感情的で自我が強くなる気がしないか?

人は夜行性じゃない
だから学校、会社はほぼ午前8、9時から夕刻まで

いつの間にか、人はそうあるべき生活形態に従うのが「まとも」だとなっていないか?
非日常がはみ出して当然とされてしまう

大阪ラジオのテーマで「あなたは今、何がこわいか」という質問に
国民総背番号制は困ると言った(今のマイナンバーのこと?
あらゆる記録が残り、アメリカではすでにモメているが
コンピュータの間違いのせいで、問題になっている

そこに電話がだいぶかかってきた
「だいたい人間、健康が一番 世の中もです」

ぼくは恐ろしくなった 誰が何を基準に健康と決めるのだ?
はみ出したものはどうなる?
挙国一致思想が理想とされて・・・ガタガタ

ぼくは“世間の一般常識”に中途半端な見方をしている(同感
常識は知っているほうがいいが、遵守して、そこから出るのはいけないというのはどうか


僕がロボットをなくしたら・・・
電話帳をなくしてしまった
以前は毎年新しい手帳に書き写していたが
自分で項目を決められる手帳を見つけて、年中持ち歩いていた

旅先で会った人などもメモしたから復元不能
やはり情報は1ヶ所に集中させてはいけない

それにしてもよくモノをなくす
傘、ライター・・・どうせなくすなら
いい加減なモノを持とう(同感
と思ったライターはまだなくならない(ww

クルマは持つのはおろか、運転も習わない
きっと(いや必ず)ドカンと衝突する(同感×2

万年筆もよく失う
万年筆を買うのは簡単そうでむずかしい
字を書くとペン先が減り、自分のクセがついて書きやすくなる
それが続くと書きにくくなる

メーカー等により違うから、常時2、3本を並行して使う
それをケースに入れて、ケースごとなくしてしまった

なくしたモノがひとりでに返ってくる方法はないものか
ロボットならどうだ?
なくしても、どこまでもついて来られたりすると困るな


人間はナゼ金属を使うのか?
縁起担ぎはいろいろある
耳が痒くなると、何かいい知らせがあるとか(初耳

耳かきって見れば見るほど変な形だ
地球外生物が見たらどう思うだろうか?
ほかにもクシやハイヒール、ネクタイに到っては説明不能だ
(なるほど、教えてチコちゃん!

人間そのものも実にフシギな格好だ
女性のヌードはなぜキレイなのだ?
誰かが騙してるんだな 人間がどんどん増えるように

地球の人口は爆発的に増え続けている
生物には自然作用で、増えすぎたら激減する何かが働くそうだ
疫病、戦争か

どうせ人間もいつかは絶滅するか、他の生物に支配されるだろう
そしたら、我々が他の動物に対してやっているようなことをやられるわけだ
体の部分を加工されたり

時にはこうして、いつもと反対側から見たり
時間的尺度を変えて考えるのは面白い

もし、時間の感じ方がたいへん長い生物がいたら
人間の世界を見たらユカイだろうな

シェクリイという作家のSFに出て来た文句を思い出す
「人間って、なぜ金属なんか使うんだろう すぐボロボロになってしまうのに」

(高度経済成長期に造ったモノ全部がそうだ


3000秒の恐怖
飛行機が怖い
何度も乗ったことがあり、はじめのうちは快適だと思っていた 若かったんだな
今はどうしてもという時でなければ乗らない

この航路は50分だから、3000秒数えればいいと数えても
まだ着陸態勢にも入っていないのを知り、手のひらが濡れているのに気づく

どうして怖いか理由はいくつもあるがやめておく
ある人から「あなたは理屈が多すぎる」と言われたから

同じ癖を持つ人が「高所恐怖症だから」と言った これなら筋が通る
これは伝染するみたい(?!

合作SFを福島正実氏とやることになり、取材で紀伊半島に行ったら
大きな吊り橋があり、そこで写真を撮ることになった
一行に1人、高所恐怖症のIさんがいて、たちまち妙な心持になった

この合作には難儀した
はじめ片方が50枚書き、相手に渡し、続きを50枚という調子(そんな合作あり?驚

いくつか取り決めをして、相手の持ち人物に決定的なことをする時などは相手に相談すること
その章は一応ちゃんと仕上げて中途で切らないこと

「これ、夢にしてもいいか?」
「夢はだめだ!」(さすがに夢オチはねえw


無人島で暮したら・・・
海、行きたいな
プールでもいいけど、1度憐れな経験をした
すまいの近くにプールがあり、高級住宅街にあるプールサイドには
水着のお嬢さんや、すらりとした男たちがたむろしている

そこで泳いでいるのは、ぼく一人
みんなオリーブ油(!)か何かを塗って、しいんと動物の生態を見るように
見守っていたに違いない

そんなに泳ぎも達者じゃない
学生の時は赤い帽子に白い線から堂々たる階級制があり
その赤線止まりだった

できるなら無人島で好きなようにして帰る
でも2、3時間もすりゃ寂しくなってくるだろう

そんなショートショートを書いたことがある
無人島で食べ物と水は保証され
帰りたい時は安全にすぐ帰れる条件の会社を見つける

椰子の木1本、水と食糧の入ったタンクが1つ
ギターなど弾いたが寂しくなり、酒を飲んで1日過ぎた

孤独で調子が悪くなり、「帰りたいよォ」と泣き叫ぶと
椰子の木から「お送り致します」と声がした
監視カメラ、マイクが隠されていたのだ(w

また元の日常が始まるのを知っていてのお遊びに過ぎない
それまでの非日常というわけ これは本当の冒険かねえ

先日、あるSFの会で
「もっと血湧き肉躍る大冒険を書いて下さいよ」とハッパをかけられた
そりゃ書きたいよ

頭の中だけの大冒険は、実際の冒険心をふるいたたせるのかなあ


赤電話の列での自己分析
公衆電話をかける時、ぼくは遠くてもたくさん電話機がある所に行く
1つだと、話しているうちに、いつも後ろに誰か来て順番を待っているから

あるシナリオライターが電話で打ち合わせをしていた
「もっと派手に殺さなきゃ、ウケないよ」
後ろにいた人々の顔つきは薄気味悪さと疑惑の怖いものだったそう(w

ショッピングを楽しむ感覚が出てこない
店員が来て「何にしましょうか」などと言われると
何か買わなければ申し訳ない気になる(私も前はそうだった

近頃は、女性、ワイフあたりと行くことにした
彼女たちは悠々と品物をひっくり返して、あれこれ出させた上で
「どうも、ありがと」と平然と店を出る能力がある

ぼくみたいな気の弱い人間は、電話の独占も
電車の空席の確保もできず、、、

目立たないようにあらかじめ計画、用意し、自然に見せるよう必死になる
のんびり見える水鳥の水面下の足がせわしく動いているように


もしも もしも もしも・・・
連想尻とりは、心理学をかじった奴の前でやると
心底や欲望を見透かされてしまうそうだ

(こないだの明智のドラマみたい

では、非連想尻とりはどうか
連想イメージの単語を言えば負け
イメージが豊かな人ほど辛く苦しい遊びになる
(まったく関係ない言葉を言うほうがラクでは?

はたで見たらメチャクチャ それでいい
メチャクチャは、とーっても大切なのです

「もしも」を空想して楽しむとして
ありそうでなさそう、なさそうでありそうなのが手頃なのではないか

列車の窓から宇宙ロケットが転がっているのが見えるが
それがどうしたと言われるばかり さあ、どうする?

こんな風に「もしも」と考えると、しばしばSFのネタを拾うことができる

ある大会社 社員4万人で大宴会を球場を貸しきってやる
そこに豪雨
騎馬武者がどっと突っ込んでくる さあ、どうしよう?


僕が宇宙人に会ったとき
おもてにいた女房が、夜空を光るものが横切っていくと言う
飛行機だと言っても女房は納得しない
4、5分たって、女房もやっぱり飛行機だったと言った

ぼくはまだUFOを見たことがない
あるかもしれない あったら面白いなあと思う

ぼくは事件や歴史的瞬間にツイテない
ツイテいる人間を何人か知っている
「タレントの○○ちゃんが喫茶店のオレの横の席だった」

羨ましいが、いいことばかりではないはずだ
隕石にやられて死ぬとか

UFOを見たらどうするか、とぼくはしょっちゅう考えている
身長1mぐらいの緑色の生物が出て来たら(いつも緑色なのが可笑しいw
家族にちゃんと話せるか
幻覚と言われるだろうな、とずいぶん迷うに違いない

「今、そこでUFOを見てねえ 中から緑色の生物が出て来てね」
「そいつ、キューペラリトンて名だろう? ぼくは昨日会った 君で18人目だよ」


過去は何色? そして未来は・・・
過去は何色?と聞かれたらどう答える?
(セピア色じゃつまらないか ぼんやりしたモノクロ?

茶色という人が多い 紙が古くなると黄色から茶色になる連想ではないか
今じゃ写真はカラー 古くなると青色が残り、水色っぽくなる(そーなの?

SLマニアが多い
ぼくたちは、白いシャツで乗ればすぐ黒くなり
トンネルに入ると必死で窓をしめて回った 大変ですよ

ただ、ぼくは機械というと、象徴のようにSLを連想する
昔習った唱歌で♪工場だ 機械だ 鉄だよ 音だよ てなのがありましたっけ
(なんだか友だちが好きそうだ なんて歌だろう?

機械マニアがいて、歯車が噛み合い、いかにもものものしいけど
何の働きもしないのを造るのが無上のたのしみだという気持ち、よく分かる
機械とは、そうしたものだった
手まわしの計算機など覚えている人いるかな(すごい気になる!

今はあらゆるものが静かに、スマートに、クールになり
しかも前よりはるかに高性能
その行く末を考えるとなんとなくコワイ気もする

会社がなくなり、すべて国家機構に吸収されたらどうするか
勤務先へは高速の列車であっという間に目的地に着く
(まず列車とか勤務先がもう古いね 今は家でPCで働ける時代

仕事はボタンを押すと恐るべきエネルギーで何かの結果が生じる シズカニ

そんな時代がもし来ても、その時代の人たちには当然きわまるものでしかないのかも
子どものおもちゃに原爆を持たせていいかが一番問題になってたり
それを別にみんな本気で論議もしない

ややこしい工程で造られた発電機の電気を使って
何をしているのかなあという気もするのでありまするよ


いつでも夢を・・・
何かで読んだ
「目を覚ますと、ぱっとはね起き、いきいきと1日をはじめましょう!」

それが出来る人はいいが出来ない したくないのは夢のせい
せっかく面白い夢を見ていたのに、すぐ日常に入ると、たちまち忘れてしまう(そうそう

夢を忘れない方法がいくつかある
半覚醒状態のまま頭に焼きつけるようにする
枕元に夢日記を置いて書く(私はその方法

「修練すれば、見たいものが見れるようになる」
それでは面白くない メチャクチャだから楽しい

変な夢
山中で勉強している だんだん騒がしくなり、獣などが怒って攻めてくる
川に行くと戦って死んだ向こうの軍勢がいる それは大根軍でみんなたくわん漬け(だからユメって面白いww

シリーズの夢もある(あるある
月に1、2回の割合で同じ場所の夢を見る(内容は割愛
その毎回読み切りの夢の中でのぼくの役割がいつも違っている

どんな夢でも、目覚めてからは、せいぜいストーリーとか
一瞬の印象が残る程度

イメージなんて完全に描写できる人っているのかな これは天才ですぞ

ヘルメットをかぶり、スイッチを入れると、思うこと、感じることが記録される
それがレコードみたいに別の誰かが再生するとその通り思ったり感じたりする機械があったらどうか

(私が大好きな映画にあった 心の中のベストフィルム~『夢の涯てまでも』(1991)

医者に行く時などいいぞ どこがどう痛いか実際に分かってもらえる(イイね!
嫌われて、医者のなり手が減るかも


ニタリ笑ってヘンシーン!
夏バテだ

秋になると毛髪が遠慮なく抜けるのを、木の葉髪というそう
れっきとした俳句の季語

最近は、季語はいよいよ分からなくなった
冷暖房が当たり前になり、促成栽培、
緑のない都会にいると季節感がまるでない ヘンになってる

ぼくは柔道をやっていた時代 こう師範から言われた
「何も考えずやるだけやれ こう攻めようなど考えるうちはダメだ
 無意識に身体が動くようになったら技というんだ 身体で覚えろ」


(どんなスポーツにも言えそう

テレビドラマで見た 有島一郎さんが扮していた弱い武士
「弱いからこそ、本当に怒った時の怖さがあるんだ それを見せてやる!」

それをSFで使えないかなと愚考した

追い詰められ、ほとんど意識不用になるとフシギな自衛作用がはたらく体質
その結果、肉体も神経も酷使され、残存エネルギーはほぼなくなった
1回限りの必殺技!

どうせならもっと奇想天外にすべきだった


未来の宇宙飛行士
ぼくは今、毎週土曜日に神戸のラジオ局でしゃべっている
ぼく1人だと時間配分も大混乱になるから女性アナウンサーがいる

CMが流れていて、スタジオで雑談している時の話
「私、今、運転習っているんですよ

戦後、よく聞かされた話がある
日本の軍隊は、靴が足に合わないと、足を靴に合わせろ、と言われたそう
また、銃は大切だから、徹底的に手入れしないとぶん殴られたという
(水木サンがよく描いてたね

日本では、道具は貴重で、それを使いこなせるようになるため
血みどろの努力をする

反して、アメリカ流は、道具や機械を、特別訓練してない誰でも使えるものに改良していく
おしなべて誰にでも使いやすいモノに変わっている

例えばカメラ
以前はいろいろ予備知識が必要だったが
今はそんなものなくても撮れるカメラが出回っている

クルマもそうなるのでは(自動運転ならもう売ってるよね
筒井康隆氏のショートショートにそんなのがあったっけ
そんな時代になっても、古典的スタイルに載る連中はいるだろうが(いるいる

仮に宇宙旅行するとして
グループで個人用宇宙船で火星に行く
「あと1時間したら出よう これから弁当買って、トイレも行っときたいんだ」
(弁当ってw トイレもないんだ

反動などない、知らないうちに地球を離れる
飲んだり食べたりしているうちに火星に着く

コンピュータによる運転の観光バスを呼び、ロボットガイドが案内する
名所を見て回り、帰る頃は疲れて寝てる

壮絶なベテランパイロットによる火星探検物語は、もうどこにもないであります


『出たとこまかせON AIR』 眉村卓/著(角川文庫)vol.2




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